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雨降りしきる道の片隅。
いつもは何でもない風景のはずなのに、これ程に世界と切り離されて孤独を感じてしまうのは……寂しさ助長するこの雨音と、やはり一人、だからだろうか。
鴻上 彰尋
は途方に暮れた表情で、己が腕に現在絡まっている蔦へとただ視線走らせるのみ。
雨自体は嫌いじゃないのだけれど。
最近は独りになることも、それを意識することも少なくなっていたからか、彰尋の脳裏に過ぎるは幼き頃の思い出。
恐怖の対象ともいえる大きな影が今にも覆い被さるようで。
完全に飲み込まれない程度には成長したつもりだったけれど、憂鬱になっているのは確かかもしれない……。
だから、突然蔦が意思を持つようにして巻き付いてきた事へ、驚きよりも困惑の方が強くなって未だどうすればいいか思考が働かないでいた。
「あれ? そこにいるの、彰尋くん?」
自分自身へ溜息をついたその時、耳に聡明な音が鳴り響いた。
ばっと顔を上げた彰尋の瞳は、赤い傘を差してきょとんと大きな瞳をこちらに向けている
七夜 あおい
の姿を確かに捉える。
瞬間、冷たい場所から優しく救い上げられたように、気持ちが軽くなったのを自覚すれば、現金で正直な自身の心へ笑みを浮かべた。
「こんにちはあおいさん。どこかへお出かけ、のところかな?」
「うん。お買い物に行こうとしてたんだけど、もしかして彰尋くん、蔦に絡まっちゃってる?」
「あはは……よく分かったね」
「実は私もね、ちょっと前に動く蔦に絡まっちゃったばっかりで」
こちらに寄って来ながら、少し恥ずかしそうに笑う口元からチラリと舌が覗いたりすれば、彰尋の心臓は高鳴っていく一方で。
『そっか神魂の影響の蔦なんだコレ』『どこかに紫陽花も~……ほら、あったよ』なんてあおいから何となく説明された後。
半透明なアジサイの存在を彰尋も見てとると、先程まで陰影を形作っていた想いと今感じる想いとが混じり合って、自然とあおいへ視線を定めた。
「偶然でも、こうして出会えて嬉しいな」
「えへへ、私もだよ。この間彰尋くんに新しいお弁当のおかずレシピもらって、改めてお家で読んだらすごくビックリしてね。お礼とか感想とかちゃんと言いたいなぁって思ってたから」
「え?」
「ちゃんと、私の上達に合わせて書いてくれてたんだね。簡単なの選ぶのだけでも大変そうなのに……」
「全然! 大変なんかじゃないよ! お、俺も改めて復習になるし、アレンジとかは考えていて楽しいし」
「ほんと?」
「勿論」
「よかったぁ! 新しいレシピ、実はちょっと楽しみにしてるから。また……教えてもらえる?」
「喜んで」
交わす言の葉たちはどれも思いやりに満ちていて。
彰尋の胸にじんわりと広がっていく。
「あっ、ごめんねお話に夢中になっちゃって! 外すのお手伝いするね。
そういえば彰尋くん、ぼぉっとしてる感じだったけど……大丈夫? もしかして痛かったの?」
「いいや。蔦は全く痛みはないよ。その……少し、感傷的になっちゃって」
彰尋の言葉に、首を傾げて覗き込んで来る晴天色の瞳。
いつもならば言い淀む言葉たちが、するりと口をついた。
「でも、あおいさんと会えたら気持ちがふと軽くなって。
いつもそうなんだ、あおいさんと目が合ったりしたり、軽い挨拶だけでも元気をもらっていると思う」
蔦に這わせていたあおいの指が、微か止まる。
驚いている空気を感じ取れば、彰尋自身も動揺が走る。
―― どうしたんだろう、こんな事を言うつもりじゃなかったのに。
「きゅ、急にごめん……おかしいな。
あおいさんと出会えて浮かれているのかな……時間があるならお話しした……、っ」
それ以上紡ぐつもりは無かったのに、むしろ口を開いた途端更に溢れようとする言葉に思わず口を押さえた。
自分は以前、彼女へと愛しい想いを伝えている。二人の間だけで通じる、秘密の合言葉で。
暫くはどう思われたのか不安ばかりだったけれど、断りの言葉が彼女から発せられることは無かった。
ならば、まだ傍に居ていいのだろうかと、控えめながらも気持ちを持ち直させた。
……ばかり、だというのに。
またこんな明け透けに伝えては、今度こそ彼女を困らせてしまうのでは。
折角、隣りに並べるこの距離で笑顔を見せてくれているのに。
口を押さえたまま、必死にどうしようと逡巡させていれば、ふと半透明なアジサイの変化に気付いた。
「あれ、紫陽花に色が……」
「え? あ! 本当だね!」
完成されそうになった沈黙の空間をまるで破るようにして、アジサイは花弁を染め上げる。
それは線状に見える花びらがふんわり頬を撫でるような撫子色。淡い薄紅の中に、どこか切なさ抱える紫色が混じり合う。
「……綺麗だ」
「うん、とっても」
感動を分かち合っていれば、彰尋の腕から蔦が自らシュルンッと離れていく。
どちらからともなく顔を見合わせ、どちらからともなくクスリと微笑み合った。
「あおいさん、お買い物って夕飯の買い出しだったりする? もしそうなら、荷物持ち手伝うよ」
「えっ、いいの?」
「……どっちかというと、手伝わせてほしいな、って」
撫子色に心を撫でられたのか、先程までと違い溢れるというよりとても自然に、素直にそう紡ぎ出せた気がした。
じゃあお言葉に甘えて、とはにかむ頬に幸せを噛み締めながら。
まだ……ここに居られる……。
すぐ見える所に立つ横顔を見つめてから、傘を並べて歩き出す2人がいるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ゲーム
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月30日
参加申し込みの期限
2018年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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