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翠雨染め
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朝から降り出した雨がいまだ止まず、木天蓼大学内の地面を濡らしている景色を、
仙藤 紫
はその日最後の講義があった教室の窓からぼんやりと眺めている。
これで今日の講義は全て終わった。後は帰宅するだけなのだけれど、どこか物憂い気分で。
中々立ち上がる気になれなかった紫の、睫毛の影落ちる瞳が建物出口に行き交う人が少なくなったのを映し出せば、それを見計らっていたようにようやくその場から動き出した。
傘を開きキャンパスの中庭に出る。
耳に響くは自らの足音と、傘を打ち付ける雨粒の音のみで人の気配を感じない。
喧騒から逃れたかったのかもしれない。そう思っては、暫く水と緑から癒しを分けてもらおうかと中庭散策にゆっくりと歩み出した。
しかし程なくして、自身の服の裾を引っ張るような、振り向いてーと突っつくような、人の手とは違う不思議な感触が紫に触れる。
促されるように振り返れば、蔦と葉がスルスルと己の身に寄ってきていた。
あくまで冷静な表情でそれを捉えたものの、どうしたものかと少し戸惑い気味な色を顔に浮かべ、紫は無意識にその蔦が伸びた先へと視線を向ける。
すると、キャンパス内に最初からあった小ぶりな紫陽花たちの他に半透明な花があるのを見つけて、夜空色の両眼が微か見開かれた。
エスコートするように動く蔦に導かれるようにして、紫は半透明なアジサイを覗き込む。
アジサイ、雨、……── そう、ちょうど、こんな雨の日だった。
水のような花弁に薄っすら自らが映るのを見ると、まるで第三者な視点になった心地で過去の記憶が浮かび上がる。
付き合っていた人と別れたのは、昨年の夏休みの終わりのこと。
高校2年の夏休みに出会って、ちょうど1年で終わった恋。
まさに今頃だったように思う。今日のような梅雨の日のデートの中で、二人の関係が終わりつつある事を、時計の秒針が進む毎に互いに悟り始めていた。
逢う間隔は伸びがちになり、SNSでのやりとりも頻繁ではなくなって。
時期としても、翌月にはこの大学におけるAO入試を控えていれば『高校3年生だから』『お互いに受験で忙しいから』、そう思っていた、否、思いたかったのだと今なら分かる。
最後にしたデートの日は、まるでお通夜のようだった。
何かを喋っていた記憶はある。けれど全く覚えてない。そんな自分が心底情けなくなる。
酷い緊張感にばかり必死になっていた自分へ、彼はそれとなく、様々な想いを込めて、言葉をくれていたであろうに。
表面に見せないのがせめて彼の負担にならない方法だと思っていたのだ。そうするのが精いっぱいで。
その時の自分は、どんなに希っても終止符が待ち受ける恋なのだと、分かりたくなんて無かった。
結局……どうすることも出来なくて『その瞬間』をただ淡々と迎えることになったのだ。
最期まで自分らしくあろうとしていたけれど、本当は泣き叫びたかった。
ようやく自分の為に泣けたのは、たまたま友人が誘ってくれた映画館。
別れから数か月も経った年の明けた頃。
その後に何度も湧き出た後悔も、とある日に苦くも温かなコーヒーと一緒に飲み込んだ、はずだったけれど。
「……なぜ、こんなことを思い出しちゃったのかしらね……?」
ようやく現実の空気に声を渡した。
新しい生活、新しい出会い。
消えない傷はそのまま受け入れて、未来へと足を踏み出そうと決めたはずなのに。
まだカサブタにすらなっていない部分があるのだろうかと、憂いの瞬きを一度したその瞳に、突如真っ青な色が飛び込んできた。
半透明だった花弁。
それが一瞬にして、可憐で明るい青へと染まる。
周囲の紫陽花たちと同じくらい小ぶりなそれは、まるで勿忘草。
忘れなくてもいい。
そう色から伝わってくる気がして。
「……懺悔、を見守ってくれていたの……?」
そう口にすれば、紫はそれを紡いだ唇に長い指の先を触れさせた。
深い傷跡、後悔の念。当時のそれらを誰かに見て欲しかったのかもしれない。
自分の心の奥を、誰かに知っていてもらいたかったのかもしれない。
揺れる勿忘草色のアジサイ。これから晴れたらこのような明るい空模様になるのだろうか。
未来の色を垣間見せてもらった気持ちを静かに胸に抱いて、紫は憂いの無い微笑みをアジサイへと向けるのだった。
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ゲーム
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月30日
参加申し込みの期限
2018年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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