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翠雨染め
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『たまにはこういうのも風情があっていいよね』
「そうだな。っと、海、もうちょっとこっちに寄らないと濡れるよ」
『はーい。……やっぱ代わりばんこで持とうか?』
「この身長差で海が持ったら、俺の頭部にしょっちゅう傘のフチ刺さりそうだからいいんだ」
『ぬぬ。のっぽさんめー』
「いやいや海が平均より小さすぎなだけ……イテテごめんなさい」
静かに降る雨音と傘にあたる雫の音。
一時、それらに耳をすますようにして沈黙して歩いていた2人も、このお散歩を堪能し合う言葉が湧けばどちらからともなく自然と紡ぎ出す。
天気に関係なくスケッチブックに意思を映す
小山内 海
が、濡れてしまわぬよう常に気を遣いながら、
御剣 刀
はそんな素振りを微塵も見せることなく軽口に身を投じる。
そんな刀の脇腹へ、スケッチブック持ったままドスドスッと肘打ちを入れながらも、海は大きな瞳を笑う横顔へ向けていた。
(やっぱり優しいなー)
筆談必須な自分にとって、両手が空いていた方がいいと汲んでくれた彼の気持ちを、ちゃんと海は理解している。
野暮なことは口にせず、あえていじり合うのも今まで育んできた距離感で。
互いを思った温かな気持ちが、1本の傘の中に満ちているのだ。
再び正面向いて、いつもの街並みの中に雨ならではの景色を見つけては、サカサカと楽しそうに鉛筆走らせる海を横目でそっと見つめる刀の視線。
大事にしたい女の子への、それは慈愛に満ちており、
―― 小さい身体だよな……腕の中にすっぽり収まりそう。抱き締めたらどんな感じかな……
慈愛に……、
―― やってしまおうか、いやまずいだろ。衝動に任せるな俺。危ない、傘持ってて良かった……。
確かに慈愛にも一度は満ちていた。……傍ら、年頃の男子高校生は現在、小動物を前にしたようなドキドキ感と女性と密着したあの時の感触を思い出すようなムラムラ感との、不思議でちょっぴりピンクい感情に囚われた模様である。
相合傘なのだ。二人きりの空間なのだ。シトシトと降る音が雰囲気すら醸し出しているのだ。
刀のその思考は無理もないと言えよう。そういうことにしておこう。
そしてそんな空間内では、女性とて好きな人の一挙一動に敏感になるもので。
(あれ? 刀今こっち見てた?)
クロッキーに向けていた意識をふともたげさせれば、海は自分の顔に何かついてる? と窺う視線を刀へとやった。
とその時、コバルトブルーの瞳が刀の向こうから伸びてくる影を捉えた。
『刀っ、』
「おわ! なんだ? え、蔦?」
『ありゃー、ゴメンおそかった』
海が急いで筆記で知らせようとするも間に合わず、その影はしゅるんっと刀の腕に巻き付いてくれば驚いた声が上がる。
とはいえ、特に締め付けられるでもどこかへ引っ張られるでも無く、ただ緩く巻き付いてくるそれを見つめた刀は、冷静にどうしたものかと思案顔。
隣りの海もまじまじと眺めて、その蔦を無意識に目で辿って行く。
するとそこに半透明のアジサイが一輪、気付いてーとでも言うように必死にゆらゆらしているのを見つけた。
『わ、何だろうこれ、紫陽花だよね?』
「本当だ。綺麗だけど……多分普通のじゃ無い、よな」
海に促され傘を持って誘導すれば、刀もすぐにそのアジサイを目に留める。
観察するようにしげしげと眺めていた眼光が、ふと何か込み上げてくるモノがある気がして無意識に見開かれた。
あれ? 何だろう、妙に語りたくなってきた……まずいですよ、今の感情をそのまま喋ったら俺死ぬから。
え? そっちもなんかヤバいのか? 焦るのは分かるが落ち着こう、落ち着いてくれ。
刀、半透明なアジサイの、視線から受け止める必死な念と脳内会話開始。
一見すると物凄く真剣なふうである。
珍しい半透明な紫陽花をスケッチしなくては、としゃがみ込んでいた海が、やはりそんな刀の突然の真顔具合に気付いた。
『あれ? 刀どうかした?』
「海……いや、何でもないよ。海もこの紫陽花をスケッチしたいようだし、近くの公園の四阿へ移動しようか」
『いいの? ありがとー♪』
雨宿り出来る場所へ行けば海もスケッチに集中するだろうし、そこで聞こえないようちょっと話し合おうじゃないか……とアジサイへ視線で訴えれば、移動しようと踏み出した刀について行くようにして、腕に絡まった蔦とアジサイはスルスルと寄ってくるのだった。
◇
無事屋根のある休憩所にやってきた刀と海、閉じた傘から雨粒を、サイドテールから微かな水滴を拭ったりしながら、ちゃっかりと傍の植え込みに居るアジサイへと視線をやる。
「この紫陽花何かが足りなくて俺達に求めてる感じだな、どうすれば良いんだ?」
『うーん……コトバ話せればいいんだけどね。あ、これ使う? なにか書ける?』
思いつけば自身の持つスケッチブックと鉛筆を、そっとアジサイへ差し出してみる海。
しかしアジサイ、ご丁寧に大丈夫です、とでも伝えるように海の瞳の前でうにょうにょ蔦を振ったりしている。
首を傾げつつクロッキーの手は動かしている海の背後で、実は順調にアジサイと意思疎通していたりする刀がいた。
―― またさっきの感覚が……つまり今思ってる事を語れと!? 馬鹿野郎、死ぬだろ! ん? そっちも死にそう? そりゃ一大事! ……だ・け・ど・も!!
この状況でなければ、剣術の事を語って済んだであろうに。
そう思う刀の目には、アジサイと共に映る華奢な後ろ姿、湿気で首元に張り付く毛先を指先で払う仕草などから、未だ脳内からピンクい想いは消えていないわけで。
それどころか『語ってー!』と念波を送り続けるアジサイと見つめ合っているせいか、想いは更にエスカレートしている始末だったりする。
―― 生存に関わるのは分かる……が、俺の心も語った途端砕け散るワケなんですよ……。
主に羞恥心で。その後恐らくあるであろう当人からのリアクションで。
暫し、どれ程必死かをお互いに伝え合う刀とアジサイ。
結果。助けを求められると手を差し伸べずにはいられない、刀の持つ熱い魂が揺さぶられることとなる。
つまり、語るしかない、となったわけである。
「……海サンや」
『なんでしょー、刀サンや』
ノリ良く返してくれる文字に小さく微笑みつつ、どこか哀愁背負った瞳で刀は事前にワンクッション用意する。
「この紫陽花の神魂効果で、俺は今から語らねばならない」
『おーそうなんだ。うん、いいよ』
「慣れてますね海さんありがとう。げっふん、いいか……
あくまで、本来は決して自ら口にせず隠しておくべき内容で、俺もそこは心得ている……」
『う、うん?』
「かといって、あえて大袈裟に語ってるとか半分建前混ざってるとかもあるわけじゃ無い……本心だ。紛れもなく俺の本心だ。そこは疑わないでくれると助かる」
『りょーかい??』
刀氏、ワンクッションの説明のつもりが思わぬところまで喋っている気がしなくもない。
すでに無意識下で半透明アジサイの魔力に身を委ねている模様。
気付かないまま、すぅっと息を整えた後……刀は紡ぎ始めた。アジサイに向かって。
「ちっさくて可愛いんです、んで時々エッチなんです。
俺も男だから? そういう事あるとこう色々とくるんだよ分かる? はっきり言って今もキテる。本人無意識な色気ってくるんだよ」
……!?
海、予想外且つ突拍子もない言葉の羅列に目がこぼれ落ちそうな程見開かれた。
「――でも大切にしたいしね、軽々しく手を出すのもまずいよねって思うのよ。
一回手を出したら骨の髄までしゃぶりつくす勢いだし! だからまあうん我慢。そう思える人がもう一人いるし」
息継ぎろくにせず一気である。ヤケに近い。
隣りの彼女のことを言っているのに、語り出した途端直接見れずアジサイに一心不乱に語る姿が、いっそいじましい程。
当人はといえば、……刀が凄いこと言って……それって私のことで……などと思考がクルクル回り出し、唇は言葉にならないまま『あうあう』と動いていた。
こちらもスケッチどころじゃなくなっており、すっかり頬も耳も朱に染まって。
それでも、一言一句漏らさないよう耳を澄ませていれば、彼の彼らしい思いがちゃんと見え隠れしているのが分かった。
『刀、やっぱりそういう目で私の事見てたんだね』
「ゴメンナサイ」
語り終わって、当然といえば当然な海からの言葉に、潔く直角にお辞儀して述べる刀。
とはいえ、海のその言葉は嬉しいような恥ずかしいような、という複雑な乙女心を含んでいたわけだが。
顔を真っ赤にしてその字の後ろに隠れる様子は、言った男子高校生側からすれば怒って当たり前というふうにしか見えず。
微妙な沈黙が二人の間に流れたその時、スケッチブックからそろりと顔を覗かせた海がアジサイの変化に気付いた。
それは太陽の熱を帯びたらこんな色だろうか、という程に眩しく鮮やかなスカーレットへ徐々に染め上がっていく。
『……刀の煩悩、吸っちゃってるのかな』
「んなまさか。…………えっと、俺の、せい?」
思わずアジサイへ呟く刀へと、むしろ喜ばしい雰囲気で蔦や花弁をさやさや揺らすアジサイ。
ホッと安堵し、すごいなーと動く蔦と指で戯れる彼の姿を海は見つめる。
―― この変化途中の姿はぜひともスケッチしたいけど……うぅ、顔が熱いよ。
正直嬉しい方が勝るというもの。女の子とて大好きな人相手にはそういうことを想い描く時があるわけで。
ただ、まさか、直球で言葉にされるとは思っていなかったというか。
頬をぴたぴたしながら。
……でも、実際キレイな色だと思う。
海は落ち着かなかった筆先を、なんとかスケッチブックに走らせる。
折角なら、もう一人の大好きなコへも見せてあげよう。
語られた内容の事は……どうしよっかなー、なんて。
そんな温かな考えが表情に出ていたのだろう。刀もスケッチし出す海へと視線やれば、照れくさそうに微笑むのだった。
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15人
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15人
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シナリオガイド公開日
2018年06月30日
参加申し込みの期限
2018年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年07月07日 11時00分
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