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翠雨染め
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振動でカタカタ音を立てるランドセルに大粒の雫が落ちては流れる。
全力疾走する
環 的子
がようやく雨粒凌げる軒下へ駆け込むも、傘持たぬ身はすでにぐっしょりで。
「ああ……教科書とか無事かなぁ……」
心配そうに背中を見ながらも、思い浮かぶは大好きなカプセルギアのこと。
―― いつだって持ち歩きたいなぁって思うけど、でもこんな時は濡らさずに済んだからお留守番しててもらって良かった。
その姿を思い描いたところでふと、同じ軒下、自分の隣りにまるで一緒に雨宿りするかのように植物が揺れているのを見つける。
「紫陽花だ。いつの間に……」
近寄ってちょこんとしゃがみ込むと、葉っぱと蔦の中央に半透明なアジサイの存在。
変わったお色だなぁと眺めてから、的子、人通りのない周囲をきょろきょろと見渡し誰もいないことを確認してから。
ええと……内緒だよ、と一言添えた後雨宿り仲間へとそっと語り掛け始めた。
「私の相棒、ネオムって言うんだ。相棒って言っても、カプセルギアって玩具の」
学校には持ってかないから今はないんだけど、と付け足してから『すごくかっこいいんだ!』と伊達眼鏡の奥の両目をキラキラさせる。
バトルは勿論、日常も結構一緒にいることが多くてね、なんて暫しネオムとの仲の良さを嬉しそうに口にしていた的子。
一呼吸おいて次に紡ぎ出された声は、一言一言を大切そうに噛み締めるようなトーンに落ち着いていた。
「ネオムは玩具だけど私が動かさなくても動く時が偶にあって……。
魂があるんだよ。大きくなったネオムと遊んだり喋ったりした事もあるの」
鮮明に浮かぶその姿。ゆうに2mはある身体が自分を抱き上げたり、黄色い花畑の中でどこか微笑んで戯れている光景が、瞼の裏でくっきり蘇る。
「赤、白、青、黒……あはは。ネオムが摘んだ薔薇の花、色まで覚えてる」
ふんわり降らせた花びらの雨。
お返し、と降らせてあげたら不思議そうで、でもどこか楽しそうで。
月夜の晩に動いてたのも見た。
意外と上手に踊っていたダンス、あれはもしかして、一緒に観てた映画で覚えたのかな。
尽きる事の無いいくつもの思い出たちを、小柄な指立てて挙げていれば隣りのアジサイが何かを問うように大きく傾いだ。
「うん。仲良し。最高の相棒」
それに応えるように、的子は躊躇うことなく返答する。
「で、ね。何となく気付いたんだ。私もネオムも、お互いが大切。お互いにドキドキしてないのも同じ。
でも――私のネオムへの「好き」と、ネオムの私への『好き』は……少しだけ違うみたい」
鼓動が高鳴る類のものじゃないのは同じ、けれど、向けられる想いの温度が違うように感じていて。
ネオムの『好き』の方が、私よりも……熱い? ような……。
何度目かの話せた日、『同じ気持ちなのかも。相棒でいよう』と言ったら同意のお返事をもらった。
でも自分は知っている。独りでに動ける時のネオムからは、ふとした瞬間苦しさをその身体に押し隠しているのを。
大事に思うからこそ伝わってくる、ネオムの苦しみ。
「ネオムが苦しいと、私も苦しい」
膝を抱くようにポツリと的子は呟いた。
私が倒れたら悲しくなる、そう伝えてくれた優しいネオム。だから今度は私が伝えてあげたい。
ネオムが感じるどんな思いにも、見て見ぬふりはしないから。
―― 貴方の魂のかたちは、私に責任があると思うから、受け止めるって決めたんだ。
きゅっと拳が、唇が、一度固く結ばれる。
決意という水で満たされた瞳、その水面が次に訪れた思考で微かに波立つ。
「ネオムの気持ちを知ってる、けど。全てを『受け止められる』けど、
……『受け入れてあげる』事が、今の私じゃできなくて」
人と玩具。変えようのないそれが事実で真実なのは、的子も、そしてネオムも、分かっているのだ。
「私達は、どうなるのがいいんだろうなぁ」
お互いを相棒だと認め合えている関係。これ以上を望めるのだろうか。望むとどうなるのだろうか。
私はどうなりたい?
ネオムはどうなりたい?
まだ幼き心で精一杯向き合おうとするけれど、思考は迷路のようにあの道この道を示してくる。
考えなくていい事まで浮き上がってきそうになったその時、的子の視覚に不思議な現象が飛び込んできた。
「あ、色が……」
色が無かったように見えたアジサイに、じんわりじんわりと色が広がる。
それは鈍い中に輝き宿す青緑、明るい孔雀石のよう。
思考を一旦脇に置いて、出口に連れていってくれたアジサイを見つめては小さく笑う。
答えを出すのはまだ早すぎる。
もっと、もっと、思い出や時間を共有してからでも遅くはない、はず。
「……雨、止まないか。もう家まで走ろうっと」
元気に立ち上がると、それじゃあね紫陽花さん、と手を振って。
―― もしネオムが話をしたら、何色になるんだろうなぁ。
家に着いたら不思議な紫陽花に会ったよ、って教えてあげよう。
あ、その前に体拭いて着替えて……なんて、顔に当たる雨も気にせず笑顔を浮かべるのだった。
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ゲーム
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月30日
参加申し込みの期限
2018年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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