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翠雨染め
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まるで温度も湿度も、酸素さえも失ったような虚無感。
機能する五感を手繰り寄せるように瞼を開けば、それは息苦しさだと漸く悟る。
最近は減ってきたはずの悪夢に魘される夜、そして、“僕”で在る事を確信すれば自然と唇は動いた。
「……久方ぶりだね」
重力に委ねそうになる己が頭を押さえながら、
弥逢 遊琳
は白襦袢一枚纏う姿のまま衣擦れの音をさせて寝台から抜け出す。
そのまま迷う事無くベランダへと辿り着くと、何かを探すように視線を彷徨わせた後『それ』を見つけた。
「雨……否、呼び声の主は君かい」
白い手すり彩る緑に一見紛れて、決して普段は無いはずのアジサイの存在を目にとめれば琥珀は細められる。
納得いった表情でその隣に立つと、アジサイへ、闇夜から降る水へ、囁いた。
「“僕”はもうずっと眠くてね」
生来の意識を傍観者にしたまま身体だけを世に合わせた生かし方は、刻の影響を受けない夢を寄る辺とすることは無い。
無理に説明するなら、現世と常世の狭間で本来感じるべき刻をひどく間延びして得る感覚だろうか。
特に今のこの時間帯なれば、『常夜』がふさわしいのかもしれない。
死に損ないの喘鳴と思って聞いてやってほしいと言い含めつつも、言葉が次々出てくるわけでもなく、心で、纏う空気で紡ぐ。
日頃多くの人が見ているのは鈴蘭。僕が自ら生み出した仮面。
どれほどそれで息が出来ても、僕は結局何処かで磨り減り続け悲鳴を上げている。
其れは違う者だ。
『弥逢遊琳』の定義も方程式も壊している、と。
だからといって、
「何がいけなかったか何処から間違っていたか等と言う心算はないよ」
身の内で響かせていたものを、時折会話するふうに外へと放ってやる。
アジサイはただその全てを聴いている。花弁を、蔦を、葉を、遊琳へと傾けたまま。
それを視界の隅で捉えては、隣人に一つ微笑んでから。
「僕は結局、これほど世に合わず息苦しい自分を自分だと認めてしまったのだから」
自らの存在を定義付けたはずだった。
方程式として成り立っているはずだった。
そこに『人の子』の願いが組み込まれるとは、思いもしていなかったのだ。
方程式は狂ったまま導き出す。己の行く末を。
――……僕は"見られている内は何処へも行けない"よ。
思わずその真実を紡いでしまう存在すら出来てしまう程に。
僕が僕で在るように、君たちは君たちらしく、……お前はお前らしく。
変わることなく在ってくれればそれでいいというこの想いは、決して揺るがないのに。
だからこそ導き出した先を目指すのだ。僕が僕で在るために。
―― 次に椿の花が雪に眠る頃僕も誰一人知らぬ所で心静かに眠りたいと。
死という概念としてでは無い。
遺骸やその葬儀は如何した所で生々しさが過ぎるから。
金木犀の花が咲かぬ土地に暮らしても、一度その香りを覚えた人間は秋になれば思い出すように、
何処にでも生きて其処に居て、
何処にも面影以外を見ることは無い、
そんな風に在りたいだけ。
遊琳は漆黒の天を見上げた。
まるで闇夜を見透かすように、厚い雲の向こうの存在を真っ直ぐ捉えるように。
今年青い月と共に桜を見た。
忘れられなくば嬉しいと言ったくせ温もりひとつ仕込む訳で無い『人の子』……。
仮面へは躊躇無く触れたであろうに。
―― 解っている。
“僕”をひたと見据えながら敢えて鈴蘭の手を引くあの月こそが、今は弥逢遊琳の運命を世に繋ぎ止めていると。
「魅せられる僕だから居る意味があるのに……今夜はいけない……」
望んでいないのに、己に組み込まれてしまったモノが只煌々と明るく……未だに眠れない。
僕が僕である事を許し、守ってくれているはずの存在が、今夜は眩くなり過ぎた。
アジサイは映す。投影する。
半透明な姿は今や月白(げっぱく)へ。
雲に覆われた月色のような……それとも月夜の下の青白い雪のようだろうか。
―― この上に椿の花が落ちたらさぞや映えそうだ。
魅せられない己へと魅せつけてくれているのだろうか。
遊琳はアジサイを暫し見つめた後、ベランダの向こうに在るであろう天宵川へ視線を馳せた。
変わらぬ景色に安心を見い出そうとするかのような、遠く、遥か遠くを見つめて。
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ゲーム
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月30日
参加申し込みの期限
2018年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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