this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
チーズが逃げました
<< もどる
1
2
3
4
5
…
9
つぎへ >>
「……チーズ、が?」
人通りが増え、程良いさざめきに包まれた寝子島商店街。
浅く被ったキャスケットに手を置きながら、
旅鴉 月詠
は特徴的な赤い瞳を瞬かせていた。
廉価品ではない、それなりに質のいい葡萄ジュースを手に入れ、それならばとチーズを買い求めに商店街へ足を運んだ旅鴉が目にしたのは、この日、商店街の一部を色々な意味で騒がせているチーズ逃走劇のポスター。
それを前に、旅鴉は落胆――すること無く、何かに納得するように一人頷いた。
「新ジャンル……逃げるチーズ」
呟き、思考を確定させる。
――なるほどそれだけ活きがいいのなら、さぞかし美味かろう。
明朗かつ不可思議な思考回路は、しかし『世は不可思議に満ちている』という信条の体現でもあった。
「さて……と、なれば」旅鴉はかかとを軸に回転し、周囲の店を観察する。そして一軒の店舗に目をつけ、歩き出す。店先には、恐らく従業員であろう女性がメニューボードに何かを書き込んでいた。
「おはようございます」何はなくともまず挨拶。と言わんばかりに、旅鴉が声を掛ける。
「え? あぁ、おはようございます」
手を止め、振り向いた女性の書いていたメニューには『本日チーズを使用したメニュー売り切れ』と書かれていた。
「それ……」
メニューボードの注釈を指さす旅鴉に、女性は複雑な笑みを浮かべる。
「あぁ、コレね。本当、困っちゃうわ……もう、笑うしかないわよ」
「チーズが逃げたところ……出来れば詳しく聞かせてもらえれば」
「え……詳しく、って言ってもねぇ」
「ちょっとしたことでも。例えば、逃げ出したのは、どんなチーズなのか。とか」
頬に掌を当てながら唸る女性を見て、旅鴉は持っていたスケッチブックに鉛筆を走らせた。
あっという間に描かれたのは、箱に入ったものやホール状のもの、カットされたものなど、様々なチーズの絵だった。
「あら、上手ね。えっと……ウチで逃げたのは、コレ。で」箱入りのチーズを指さし、次いでその隣の絵に指を移した。「そこの斜向かいの喫茶店は、コレね」
「ふーん……箱入りだけじゃ、ないんだ」
旅鴉が、何の気なしに口を開いて、その喫茶店へ視線を移す最中に――それは聞こえてきた。
「はァ~!?」
驚愕。の中にも、やや怒りの入り混じった声音。
それは、紫色の看板が目出つスナックの前にできた、人だかりの中。
頭一つ抜き出た長身の男が発した声だった。
細身の体に纏った黒いスーツ。後方へと撫で付けた髪。
銀縁眼鏡の奥に鋭い眼光を光らせた、ちょっとじゃなくとても悪そうな外見の、いかにも――『そっちの人』と言いながら頬に指を当てたくなるような。
「なんで酒の肴が逃げるんだよ! よりにもよってこの俺が酒を飲もうって時に!」
吐き捨てるように叫ぶその男の言葉は、ともすれば罵倒のように聞こえたが、周囲の人々はやや困った表情の中に笑顔を交え、なだめている。
「まァ、まァ、そんなに眉間にシワ寄せてたらイイオトコが台無しさネ」
人だかりの中に居た水商売風の女が、呵々と笑いながら男の肩に手を置く。
「あのなぁ、いいか。この俺……
神無月 文貴
はな、今から呑もうとしてる酒を邪魔されンのは、どー……したッて我慢ならねぇタチなんだよ」
「知ってるさ。そんなことァね。いいじゃないのサ。別に肴なら他にいくらでも……」
女の言葉を手で遮り、神無月は拳を握りしめた。
「『それ』と決めたら、『それ』で呑む。俺以外の都合でヤること曲げられて、はいそうですか、なんて言えねェよ」
「……相変わらず、真っ直ぐというか頑固というか……難儀な性格だねェ」
「うるせぇ。ってーかよ、何だ。お前んトコ以外にも、やられてんのか」
メガネの位置を直しつつ、辺りを見て目を細める神無月の言葉に、女だけではなく周囲の人間も首を縦に振る。
「この辺の飲食店、軒並みやられてンだってサ……そこまで詳しくは聞いちゃいないけど、恐らく殆どだネ」そこで、女が思い出したように上に視線を送る。「ああ、そうそう。ほら、そこの喫茶。なんか朝からチーズ探してるヒトが集まってるらしいよ」
「ほう……?」
神無月が、興味深そうに喫茶店を見る。
――旅鴉もまた、それを遠巻きに聞き、喫茶店に向かって歩き始めた。
◇
「おー、情報いっぱいなのだー」
すっかりチーズ捜索本部のような状況になっている喫茶店の店内で、後木が『ねこったー』を見ながら声を上げた。
手書きの地図に、寄せられた情報をメモして、チーズの逃走経路を割り出していく。
「むむむ……書いてある情報を集めると、色々なチーズさんが色々な道を通りながら、やっぱり神社に向かっているのだ」
――と、天満と御巫が、同時に立ち上がる。
お互い微かに視線を絡めたあと、高津戸へ向かって会釈をした。
「ありがとうございました。私、神社へ向かってみますわ」深々と頭を下げてから、天満が入り口へと向かう。
「私も、神社へ向かいながら……『友達』に、もう少し話を聞いてみます」
天満が店を出た後、御巫も礼をして、店を出て行った。
それを静かに見ていた逆巻が、後木の纏めた地図を見ながら唇に指を当てる。
「この辺りのチーズは、もう殆ど……逃げたのかな」
「全部が全部、というわけではないだろう。が、恐らく『逃げやすい』チーズは、殆ど逃げているだろう」
逆巻の言葉に、八神が相槌を打つ。
そして、どちらともなくテーブルに置かれたチーズを見る。
「マスターには悪いけど……少しだけなら、いいよね」
「解決のためなら、仕方ない。それに俺も、そうしようと思ってたところだ」
「ぬぬ……? 何なのだー。二人ともー」
早々に話がまとまっていく逆巻と八神を見て、後木が不思議そうに二人を眺めた。
高津戸も、よくわからない、という顔で二人を見る。
「まぁ、つまりこの辺りのチーズは、もう寝子島神社に逃げちゃってるわけで、じゃあ『まだ逃げてないチーズ』……僕が持ってきたコレ。を、囮にしたら」
「犯人の姿が見られるかもしれない……上に、追跡もできる」
交互に口を開いた後、逆巻が「いいよね?」と高津戸に確認を入れる。
「良いも悪いも、頂き物だわ、手伝ってもらってるわで……『どうぞ』以外の言葉は出ねぇなぁ」
高津戸が二人にチーズの箱を差し出す――その時、勢い良く店のドアが開かれた。
「そいつぁイイじゃねぇか。一口乗せろよ、学生ども。ちょうど人手も欲しかったんだ」
現れたのは、漆黒のスーツに身を包み銀縁眼鏡のフレームを光らせた神無月。
ずかずかと入ってきて、チーズの箱を掴むと早々に店を出る。
「おい、タラタラしてっと置いていくぞ!」
店の外から聞こえる叫び声に、八神と逆巻は顔を見合わせ、仕方ない。という空気を醸し出しながら立ち上がる。
「面白そうなのだー! 真央ちゃんも行くのだ!」
「面白……って、あの顔見てよくそんなこと言えるな。絶対あれヤバイやつだぞ……って、おい待てって」
荷物を適度に纏めて店を出ようとする後木達の後を、奈良橋が追う。
慌ただしく店を出て行った学生たち(と怪しげな大人)のいなくなった店内は、先程までの騒がしさが嘘だったかのように、驚くほど静かになった。
「……いやぁ、なんか、大変ですね」
カウンターの隅でポツリと囁く荒井の声が、店内に響いた。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
チーズが逃げました
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
歌留多
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月02日
参加申し込みの期限
2013年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!