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チーズが逃げました
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各々適当な場所に座った面々の前へ、高津戸が紅茶の満たされたグラスを置く。
「んで、だ。まぁそこの姉ちゃんにも話したんだが……」
改めて増えた来客に、高津戸はこれまでの経緯を説明する。
既に二度三度と話をしているうちに、曖昧だった情報は削ぎ落とされ、内容はより具体的になっていった。
「あれだ。冷蔵庫を開けて材料を出してる最中、チーズが床にあってよ。最初は落としたかと思ったんだが、そいつがひょっこり『浮い』て、とっとこ走り出してよ、んで、追いかけてる最中に気付いたら、下から足が……っていう、な」
「生えていたのは、足だけなんですの? いわゆる『漫画の鼠』が抱えたような形ではなかったんですの? 本当に?」
天満が追求していく横で、後木は変わらずカリカリと音を立てながらノートにメモを取っている。
と、そうかと思えば突然、携帯を取り出して操作を始めた。
「ん……最近の取材ってのはハイテクなんだな」
その言葉を聞いて、店内を見回していた奈良橋が、高津戸を真正面から見つめた。
「ね、マスター」
「ん?」
「その、逃げたチーズだけど……どこから、どっちに逃げたの? あの、ドア?」
「いや、裏口だな。たまたま開けっ放しにしてた隙間から」
店の入り口を指さしながら問う奈良橋に、高津戸は真逆――キッチンを指さしながら応える。
カウンターに身を乗り出しながら店内の奥を覗く奈良橋の横で、水面の揺れるグラスを見ていた御巫が顔を上げた。
「あの……もし、出来れば、その逃げたチーズ、絵に描いていただいたり、できませんか……?」
「あぁ、難しいなぁ……生憎と、そっち方面は、からっきし駄目でよ」恥ずかしげに笑いながらペンとペーパーナプキンを手に取り、何かを書き出す。「……ほれ」
カウンターに置かれたペーパーナプキンに描かれていたのは、球体に三角が二つ、直線が十本、小さな丸が二つ塗り潰されたもので構成された、謎の記号。
天満がそれを丁寧に持ち上げ、見つめる。二度三度と瞬きを繰り返しては高津戸と、手にしたペーパーナプキンを交互に見た。
「……オニ、でしょうか」やや眉根を寄せて、天満は自信無さ気に口を開く。
「きっと向きが逆なのだ。これは、お化けなのだ」後木が、絵をクルッと回して周囲に見せる。
「いや、豚だろ」奈良橋は自信ありげに頷いた。
「………………ネコだ、ネコ」
半眼で肩を落としながら溜息をつく高津戸をよそに、猫(と思わしき何か)を見ながら、一同は視線を絡めあった。
――この人に、絵は、無理だ。
無言のうちに集約、決定付けられた思考に、その場の全員が頷きあう。
「……っと、まぁ、それはともかく、さ」奈良橋が、パシンと掌を打ち合わせて、場の空気を改める。「逃げたチーズって、この店からだけじゃなくて、他にもたくさん居たんだよな?」
「お? おう。らしいな。俺ンところだけじゃねぇみたいだ」
「それって、時間は同じ? 逃げた方向も?」
「時間は、ちぃとわからねぇが……逃げた方向は同じみてぇだな。寝子島神社の方だ」
つい、と天満が天井に視線を送る。
「向かっているのは寝子島神社の方? ……はて、あちらにチーズを祀っている場所はありましたでしょうか? 私は見たことがありませんわ?」
「チーズを祀ってる神社なんてあったら、間違いなく有名なのだー」
後木が、広げたノートに『隠されたチーズ神社の怪!』と小見出しを書いて、二重線で消してから唇を突き出した。そして、小さく呟く。「誰のろっこんか想像もつかないのだー」
ノートの隅に小さく『ろっこん』と書いて、それをグシャグシャに塗りつぶす。
「でもチーズが神社に行ったなら、神社に本人さんか、その手がかりくらいあると思うのだ」
「……手がかりなら、ここにだってあるはずだ」
開かれた入り口から現れた小さなアタッシュケースを下げる学生――
八神 修
は、そう言うと、静かにカウンターへと歩み寄った。
「いらっしゃい、と。どうも……まぁ、アレだな。ポスターの」
「はい。宜しければ、調査に協力させていただければ」
真面目な顔で口を開く八神に、高津戸は中途半端な笑みを浮かべる。
「調査……って、また大袈裟な。いや、気持ちは嬉しいけどよ、うん。……まぁ、好きにやってもらっていいぞ」
その言葉を待っていた。と言わんばかりに、八神が手にしていたアタッシュケースを開けた。
中は、ルーペに始まり、小さなプラスチックケース、ピンセット、スポイトなど様々な道具の形に添って繰り抜かれたウレタンフォームが敷き詰められている。
「……では、失礼」
カウンターの端からキッチンの中へ入り込み、冷蔵庫の手前で屈む。
「チーズが入っていた冷蔵庫は……」
「あぁ、それだよ」八神の言葉の意味を汲み取って、高津戸が指をさす。
ふむ、と小さく鼻から息を漏らし、八神はルーペで冷蔵庫の下部――床面を覗き込んだ。
胸元からライトを取り出し、様々な角度から照らす。
暫く観察を続けていた八神が、スッと立ち上がり、アタッシュケースから小さなビンを取り出した。
再び屈み込み、ゆっくりとフタを開けると、ビンを夢に近づけ、側面を指で小さく叩く。
ビンの口から、白い粉末が舞い、床に薄く降り積もる。
そして顔を近づけ、軽く息を吹きかける――すると、床に小さな『足跡』が浮かび上がった。
「おぉ……本格的だな」
てきぱきと進む作業を見て驚く高津戸に、八神が微笑む。
周囲に散った余分な粉末を布で拭い、小さな足跡をデジカメで撮影。さらに残された足跡に幅広のテープを貼り付け、剥がす。最後に、足跡の転写されたテープを、黒い上に貼り付ける。
この間、僅かに五分。
満足気な表情を浮かべる八神に向けて、店内に居たメンバーが拍手を送った。
「さて……と。これは……?」
キッチンから出てきた八神が手にした黒い紙をカウンターに置いた。
粉末が浮かび上がらせたのは、小さな裸足の跡。いくつか折り重なっているものもあれば、はっきりとその形がわかるものもある。
「動物、というよりは……これは……」
顎に手を当てて思案を巡らせる店内に、再び軽やかなドアベルの音が響き渡った。
「で、チーズを届けに着ましたよ……っと?」
片手にチーズを携えた男――
逆巻 天野
は、注がれた視線を一身に受けて、片眉を僅かに上げる。
チーズ泥棒の話をそれとなく耳にして、お世話になっている寺の住職が貰い受けたチーズを譲るつもりでの来店だったが、店内の様子を見て逆巻は小さく息を吐いた。事の内容は、店に入る前にポスターで一応確認はしている。と、なれば。
「それで、何故チーズが盗まれてるんだい?」
チーズの箱をテーブルの上に置き、逆巻はカウンターに置かれた黒い紙に視線を移した。
表情を変えずに、暫くそれを眺めたあと、キッチンを見て、そしてまた黒い紙に視線を落とす。
「なるほど……現場は、もう調べてあるんだ」
「事件発生時の状況もバッチリなのだ!」
後木が意気揚々と、びっしりとメモが記されたノートを広げた。
エクスクラメーションが数多く踊るメモの内容を見て、逆巻は瞼を細める。
「チーズが、床に、あると気付いたら、浮かんで、逃げて、よく見たら、足が……と」
メモの内容から必要そうな文を抜き出し、声に出す。
なるほど、と口中で呟く逆巻の表情が、よく見てもそうとわからないほどに、ほんの少しだけ曇った。
「ところで」何か思考を切り替える弾みを含ませて――逆巻は店内に居る人間をくるりと見渡す。「チーズ……誰か、盗んでる様子を絵に表せる?」
その言葉に、奈良橋が一枚の紙ナプキンをおもむろに差し出した。
「…………蚊取り豚?」逆巻が見たままの所感を口にする。
「今回、唯一の目撃者が画力を振り絞って描いたネコ……らしい」
「目撃者……と言うと」逆巻が高津戸を見る。
当の唯一の目撃者は、カウンターの中で顔を赤くしながら、腕を組んで壁を見つめていた。
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担当ゲームマスター
歌留多
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月02日
参加申し込みの期限
2013年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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