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【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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「こういうお祭りっていいっすよねー!」
舞台裏の一角、白シャツに鮮やかな紅を基調とした着物に牡丹の刺繍入り袴姿、派手ではあるもののいわゆる書生姿に中折れ帽姿の
紗雪 幽
がはしゃいでいる。手には矢絣模様の布地が掛けられた銀盆、中にはお茶会用のお菓子が満載。
「そうだね、楽しいよね」
紅い瞳をふうわりと細める
サキリ・デイジーカッター
は模造刀を腰に差し、墨染の桜の描かれた袴に刺繍の龍が舞う白い羽織を肩に掛けた武士姿。
「よろしくな」
軽やかな笑みを浮かべる
千種 智也
は千歳緑色に麻の葉柄の着物に暗色の袴姿、足元はブーツと然程目立たぬ衣装。ただし被った帽子の両端からは白兎の耳が垂れている。
「よろしくっす、楽しいっす!」
屈託なく笑い、幽は茶道部の先輩たちを見遣る。この日のために用意したのは、和風ゴシックな衣装。
「サキリ先輩も千種先輩も、和ゴスの着こなしやばいっすねー! かっけえ~!」
お客に配る用の個包茶菓子をかさかさ言わせつつ、幽は先輩たちを交互に見る。トリエン対策会議で決まった衣装コンセプトには驚いたけれど、準備された衣装を目にしてその派手さにまた驚いたけれど、
(うんうん、楽しそう!)
舞台に立つにはこれくらいが映えるのかもしれない。
それに、コンセプトに合わせて幽は銀盆で、サキリは椿と牡丹で飾ったスチールワゴンで茶菓子をお客に配る。
(茶道部っぽいし、喜ばれそう!)
「そろそろ出番っすけど、部長まだっすかねー」
「まあ、……あれは準備大変そうだしな」
幽の言葉に、ふわふわと笑顔を続けていた智也がふと真顔になった。幽から視線を逸らし、逸らしたその先、更衣室からちょうど出て来た茶道部部長の
シグレ・ナイトウォーカー
の姿を見つけて更に視線を逃がす。
「待って。まだよ」
「このリボンも飾ろう」
更衣室から出てくるなり、メイク係の
三宅 葉月
と
遠野 まほろ
に捕まり、手早く素早く化粧と更なる飾り付けを施された部長の姿は、――
黒髪ロングヘアウィッグには、鈴のついたリボンの髪飾り。
モダン柄の華やかな着物風ドレスにフリル付きエプロン。
足袋のようなデザインの白いニーハイソックスには水引き風の装飾つき。
足元は可愛らしくもきりりとしたデザインのぽっくり。
百八十センチに迫る長躯痩身の男性骨格をフリルやパニエの布の多さで誤魔化し、顔に薄化粧を施してしまえば、
「部長! 部長女装メッチャ似合いますね、マジで美少女じゃないっすかー!」
大興奮の幽が目を輝かせて言う通り、そこにはモデル体型な品のある美少女が佇んでいた。
「うわ、すっげ! 美少女爆誕!」
幽と一緒になってはしゃぐ智也を青い瞳で一瞥し、シグレは動く度にどこかしらがひらひらふわふわと揺れる衣装で一歩踏み出す。
(祭りを盛り上げる為なら吝かではない)
そもそも寝子高茶道部部長のシグレが活動目標として掲げているのは、『日本の伝統的な茶道だけでなく、広義で茶を楽しむ』というもの。それを宣伝すると共にイベントを盛り上げるためにと今回のアピールを皆で考えた。
そこまでは良かった。
女子部員が挙手しなかったため、部長の責任という謎理論のもとに主人公の役を引き受けざるを得なかったのがシグレの誤算。けれどそうなってしまえば、むしろ闘争心が湧き上がった。
(むしろ完璧にこなしてやる!)
幽と智也に向け、シグレはうっかり見惚れて悔しがるといいとばかり、唇の弧を魅惑的に描いてみせる。
「うおお、まぶし! なんだその完璧な笑顔!」
部長の笑顔に目元を覆い、智也は悶絶する振りをする。
そうしながら、
(シグレ……マジかよ……ウソだろ……)
内心では低く低く沈んだテンションで呻いている。
(まぁ……シグレは顔綺麗な方だしましだ)
そこまでダメージはないと信じたい。シグレ本人にも、傍で見ている自分たちにも。
(……頑張れよ……)
正直なところ、茶道部でトリエンナーレに出場すると聞いたときもそれほど興味はなかった。やる気もなかった。コスプレをすると聞いて抵抗さえ覚えた。
――だりぃ……
心底そう思った。
けれど、企画があるのであれば、本心はどうあれ『ノリよく明るい普通の男子高校生』っぽく振る舞い続けるためには、他の皆と浮かないようにするためには、参加しておかなくてはいらない。
(賞とかも狙えんなら狙ってみてぇしな)
あまり目立たなさそうな役も何とか勝ち取れた。うさ耳はあれど、女装よりは大分ましだ。役的に、一人きりで舞台を歩くようなこともなさそうだ。
(トリエンナーレかぁ……)
もうそんな時期か、と智也は舞台裏で忙し気に楽し気に動き回る実行委員や茶道部の面々を少し離れた場所から冷めた瞳で眺める。
一年生の時から変な行事だと思っていたけれど、
(三年にもなると慣れてきたな)
そう思うと、ほんの少し笑えた。
(……一年もあっという間だな)
今までちゃんと着る機会のあまりなかった着物の裾を脛で跳ね上げてみる。準備段階で試着したときは慣れねぇ、と内心呻き、本番までに慣れるといいんだけどな、と願ったものの、結局本番になっても身体中に纏わりつく衣装の違和感を拭い去ることはできなかった。
(慣れねぇ……だりぃ……)
内心でうんざりと呟きながらも、智也は顔に笑顔を貼りつけ茶道部の人々のもとへと向かう。三月ウサギな自分は、急げ急げと跳ね飛んでいればいいだろう。その間に、アリス役のシグレや白騎士役のサキリや、帽子屋の幽がうまいこと盛り上げるはず。
――茶道部のテーマは『和風の国のアリス』。
和風アリスの部長に促され、イカれ帽子屋の幽は舞台袖から弾む声を上げた。
「マッドネスティーパーティーの始まり始まりーィ!」
掛け声に併せ、琴と尺八を主旋律に使った音楽がキャットウォークに流れ始める。
先陣切って舞台に飛び出すのは、三月ウサギの智也。袴の腰に下げた銀色懐中時計を忙し気に揺らし、跳ねるような足取りで、客席の歓声と拍手に怖じることもなく堂々と軽やかに歩く。
三月ウサギを追いかけるかたちで、ぽっくりの音も華やかに和風アリスが舞台へと歩み出る。淑やかに歩を進め、時折立ち止まっては愛らしく小首を傾げ、一切の声は発さずにとびきりの笑顔で微笑む。
客席へと視線を向ければ、見知った顔ももちろん多く確認することができる。
(楢木、神嶋)
アリスの正体に気づいて驚きのあまり挙動不審になっている
楢木 春彦
と、その近く、物珍し気な眼差しで笑いを噛み殺している
神嶋 征一郎
の姿を見掛けながら、けれどシグレは微塵も動揺しない。むしろますます華やいだ笑顔を浮かべ、友人たちをまっすぐに見つめる。愛らしい仕草を見せて挑発さえしてみせる。
煌びやかでありながら上品さも併せ持つ美少女の登場に、客席から男子たちのどよめきと、事情を知る茶道部女子たちのざわめきが巻き起こった。
アリスに付き従う格好で、色鮮やかな花と翠の蔓で飾ったスチールワゴンを押して続くは白騎士のサキリ。
(何の部活かちょっと怪しいけどね)
心の中でちらりと笑いつつ、白騎士はアリスを衛るように先に立つ。腰を落として構え、模造刀の鞘を払う。刃のない刀で風を切り、数秒ながら華麗鮮烈な剣舞を見せて衆目を集める。そうしてから、ぱたぱたと駆け寄ってきてまとわりつく三月ウサギを一刀のもとに切り伏せ刀を納める。
倒れ伏した三月ウサギのもと、銀盆満載のお菓子を大切に抱えて近寄るはイカレ帽子屋の幽。
「どーもーイカレ帽子屋でーす」
にこにこと笑顔で切られて倒れた三月ウサギの傍らにしゃがみこみ、
「お茶はいかがですかー?」
個包を解いた茶菓子をその口に押し込めば、三月ウサギは見る間に息を吹き返す。ぴょこんとおどけて立ち上がり復活を遂げる。ついでに銀盆のお菓子を両手いっぱいにもらい受け、
「新入部員いつでも募集中でーす!」
人懐っこい笑顔を浮かべ、客席に向けてお菓子を撒く。
(営業スマイル、ってとこか)
心の中は誰にも見せずに。
「お菓子もいかがですかー?」
豪快にお菓子を撒き散らす智也と共、幽もお菓子を手にする。こちらはひとつひとつ、客席の人々に配って行く。
キャットウォークの間近に陣取り、なんだかライバルを見るような審査員のような瞳でステージを見つめる美人なお姉さんに。
こんな日にも白衣を着こんだ化学教諭の隣で嬉しそうにしているお姉さんっぽい髪型とお化粧をしている女子に。
がんばれー、と可愛い声で応援してくれた石灰色の髪の大人しそうな女子に。
(女子に! 可愛い女子に! いっぱい!)
うきうきとお菓子を配る三月ウサギと帽子屋を背景に、シグレはワゴンに用意された茶器一式を使って優雅にお茶を淹れる。スカートの裾をふわり翻し、とびきりの笑顔で審査員の面々にお茶と茶菓子を振る舞う。
「此度の衣装テーマは和風アリス。イカレ帽子屋の宣言の通り、マッドネスティーパーティーにて御座います」
ステージの央に仁王立ち、サキリが懐から取り出した和紙を開いて声を放つ。先にシグレが手書きで用意していた衣装テーマやPRポイントを読み上げる。
気合いの入った凛とした声を放ち、サキリは舞台から客席を見晴るかす。文科系の部活は、こういう機会でなければなかなか見せ場は作れない。
(頑張ろう)
背筋を伸ばし、清廉な一礼を見せるサキリに優雅に甘く微笑むシグレが並ぶ。
「我らが茶道部に於きましては、『日本の伝統的な茶道だけでなく、広義で茶を楽しむ』を信条に活動して居ります次第」
サキリの口上に合わせ、シグレはスカートの裾を両手につまみ、片足を斜め後ろの内側に引く。もう片方の足の膝を軽く曲げ、頭を深々と下げる。カーテシーと呼ばれる礼儀正しい挨拶を見せる和風アリスに、客席から大きな拍手が上がった。
「いえーい、お疲れー!」
舞台裏に戻るなり、智也は大はしゃぎで茶道部の面々にハイタッチして回った。
「お疲れっすー」
「お疲れさま」
明るく笑う幽と物静かに笑うサキリと手を打ち合わせたところで、
「写真か、いいとも」
舞台裏で待機中の他の部の女子たちに囲まれ写真撮影を強請られる部長に気づいた。途端智也は目を輝かせる。
「よし行くぜ、デイジーカッター、紗雪!」
「いいっすねー」
「あ、僕は撮影係で」
幽とサキリの肩を抱き、半ば強引に女装部長の両側に並ぶ。きゃあきゃあ笑う女子たちに囲まれつつ、
「じゃあ、撮るね」
トリエンナーレの記念の一枚を、パシャリ。
「先輩……」
茶道部のパフォーマンスが終わって後も未だ笑いの収まらない
神嶋 征一郎
の脇を、
呉井 弦月
は肘で小突く。
(まあ、まさか女装で現れるとは思ってなかったけど)
征一郎の友人のまさかの艶姿につい何度も目をぱちぱちさせてしまったとは言え、
「あなたも今日化粧をしていたし、他人事じゃないですよ」
弦月に小突かれても、征一郎は込み上げる笑いをなかなか納めることができない。
「いや、まさかウォーカーが女装して出てくるとは」
化粧で薄く色付いた目元を笑みに歪めながら、征一郎は小さな笑みを漏らし続ける。舞台から降りたシグレに会ったら、なんと声を掛けてやろうかと画策する。
(和風アリスとは洒落てるな)
そう皮肉ってやろうかと思うも、舞台上で彼の見せた一分の隙もない完璧な笑顔を思えば、
――見惚れただろう?
余裕の笑顔でそう返してくるのは想像がついた。
「楢木さんも、……楢木さん?」
一緒に征一郎を咎めてもらおうと傍の春彦を見遣り、弦月は首を捻る。いつもは頼りになる兄の友人は、今はなんだかぼんやりと舞台を眺めてばかりいる。
「楢木さん?」
「え、あっ、お菓子食うか、弦月」
三日月ウサギの撒いたお菓子を手に、春彦はぎこちなく笑う。以前から妄信的な憧れを抱く『シグレ先輩』が茶道部としてトリエンナーレに出場すると聞き、これは是が非でも応援しなければと来たはいいものの、
(いや、似合ってたけど……)
まさかあのシグレ先輩が女装して出てくるとは思ってもいなかった。
(神嶋先輩と笑っとくべきか? いや、でも、……)
「楢木さん、しっかりしてください、楢木さん! 神嶋先輩もいい加減笑うのやめてあげてくださいっ」
心に受けた衝撃のあまり頭を抱えてしまう春彦と、笑いを殺し過ぎて目元に涙さえ滲ませる征一郎を交互に見、弦月はちょっぴり途方に暮れる。
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阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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