「ばっひゅーん!」
六月の湿気も何のその、今日も
野々 ののこは元気いっぱい廊下を走る。
紫陽花の咲く渡り廊下への敷居を飛び越え、まっしぐらに走り抜けようとして、鮮やかな青い色にふと目を奪われた。ちょっぴり足を緩めてスキップしつつ、向かうは生徒玄関を出て南校舎をぐるっと回りこんだところにある部室棟。
「もいっちょ、ばっひゅーん!」
衣替えしたばかりの夏の制服の腕には、夏色の太陽に燦然と輝く『B☆Iトリエン実行委員会』の金ぴか腕章。校長先生直々デザインの腕章をきらきらさせる手にぎゅっと握られているのは、実行委員長の
野菜原 ユウから託された寝子高創立記念感謝祭に関する重要文書。
――俺持ってくと失くしそうだし! ののこちゃん、任せた!
――まっかされたー!
任されたからには、間違いなく届けなくてはならない。使命感ちょっぴり、年に一度のイベント楽しみな気持ちたっぷり、ののこはくすくす笑う。
「っと! ここだった!」
部活棟の一角の扉の前、勢いで一度駆け抜けてから慌てて戻る。重要文書である金ぴかカードの宛名と部の名が記されたプレートの文字を交互に見、間違いないことを確かめて大きくひとつ、頷く。
「B☆Iトリエン実行委員からのお届けものー!」
弾けるような声と共、扉をばーんと開く。手にした文書を高々と掲げる。
「寝子高B☆Iトリエンナーレ! 出場おめでとうカード!」
感謝祭の準備に忙しい校内を横目に、
紗雪 幽は校門を目指す。
今日も今日で、アルバイトのシフトが入っている。
(中庭で露店出すって言ってたっけ)
短期バイト先の店長の言葉を思い出す。ウェイターのバイトではあるけれど、今日ばかりは出店のための準備に追われそうだ。
感謝祭の当日は、校舎の中庭に並ぶ露店を出し、ついでに特設ステージで自慢の喉を披露するのだと張り切っていた店長の顔を思い出しつつ、キャットウォークや客席の準備に慌ただしい講堂を横切ったところで、
「つっかまえたー!」
「うわっ!?」
金ぴか腕章をつけて駆けてきたののこに腕を掴まれた。
「え? えーと、……」
ローズグレイの瞳をきょとんと瞠る幽に、ののこは心底楽しそうな笑みを向ける。
「な、何か用っすか?」
トリエンナーレ実行委員会の金ぴか腕章と屈託のない笑みに妙な気配を感じ取り、思わず身を引いても、ののこは腕を離してくれない。
「ふっふっふー」
「ん、んんー……? 何っすかー? 何なんっすかー?」
ののこが差し出そうと片手に持っている金ぴかカードを目に留め、幽は瞬く。後退って一目散に逃げ去るべきか、それとも好奇心に任せて受け取るべきか、迷う。
「トリエンナーレ……ねここー中庭で露店……」
駄菓子屋の入り口に貼られたポスターを眺め、
環 的子は空より淡い水色した瞳を眼鏡越しにキラキラ輝かせる。
「焼き鳥、かきごおり、わたあめ、りんごあめ、各種雑貨、」
出店予定の文字列をきらきらの眼で追ううち、
「かきごおり……」
ブルーハワイシロップにも似た瞳がふわり、和んだ。
ポスターに貼付けられたポケットの中に何枚も入っているのは、パンフレットか何かだろうか。
(パンフは『あたり』つき?)
ポスターの端っこ、走り書きのような文字を見つけて的子は小首を傾げる。『あたり』が何かは分からないけれど、とってもわくわくする響きではある。
「これ、貰って行ってもいいですか?」
礼儀正しく店主に許可をもらってから、パンフレットの一枚を手に取ってみる。
艶ほくろのある口元を綻ばせつつパンフレットを開けば、――さあ、もしかしたら、中からひらり、小さな金ぴかカードが零れて落ちるだろうか。
こんにちは! 阿瀬 春と申します。
ねここー創立記念なシナリオのお誘いに参りましたー!
ガイドには、紗雪 幽さんと環 的子さんにご登場いただきました。ありがとうございます!
もしもご参加いただけますときは、ガイドはお気になさらず、どうかご自由にアクションをお書きください。
寝子高6月のお祭り、学校を開放して地域のみなさんと楽しむ「創立記念 感謝祭」が行われます。
今年は目玉イベントは「寝子高B☆Iトリエンナーレ!」です!
創立記念 感謝祭とは?
寝子高の創立記念日では、学校を開放しての創立記念 感謝祭が行われます。
中庭では、有志の部活やクラス、グループ、そして地域のみなさんによる出店があったり、
特設ステージでは有志による出し物があったり、楽しさいっぱい♪
在校生が中心となって、学校の職員や卒業生、子どもや地域のみなさんが交流する1日だけのミニ文化祭です。
星幽塔の ほしびと がまぎれこむのもオーケー☆
参考:前回の様子「寝子高制服☆トリエンナーレ!」読まなくても大丈夫♪
寝子高B☆Iトリエンナーレとは?
「B☆I」とは「部活(同好会)&委員会(生徒会)」の頭文字です。(そのまんま!)
それぞれの部活(同好会)ファッション、委員会ファッションを着こなして、
講堂のステージに設置されたキャットウォーク(せり出し)を出場者が歩き、ファッションショーを行います!
ユニフォームや腕章を身に付けたり、必要な道具などを持ってフリーダムに楽しもう♪
★出場するのはアナタ!?
【B☆I】
公式・非公式を問わず(同好会も含めて)すべての部活と委員会が対象です。
ある日突然、部室などに「出場おめでとうカード」が配付されて、知ることとなります。
勧誘アピールもOK! 一部の有志だけでも出場しましょう。
※複数のB☆Iに入っている人は、すべてに掛け持ちで参加できます。
ただし、増えれば増えるほど描写が薄くなってしまうので、1~2つに絞ることをオススメします。
【帰宅部】
今回は、帰宅部も立派なB! 部活です!
ある日突然、「出場おめでとうカード」が実行委員によってランダムに渡されてしまいます。
渾身の帰宅部ファッションで出場してください。
(例:帰宅時の制服を着崩したファッションで。「帰宅部」とプリントされたTシャツで。
実は入りたいB☆Iになりきって。部員とのGAで、ムリヤリ着させられて。)
【小中学生、卒業生、地域のみなさん、ほしびと】
結局みんな、油断できません。
入場時に配られるパンフレットに出場おめでとうカードがランダムで入っています。
※学生時代に入っていたB☆I、体験してみたいB☆Iのファッションでどうぞ。
GAを組んで、寝子高生といっしょにステージにあがることもできます。
寝子高のB☆Iからの衣装の貸し出しもあるのでご自由に! 衣装レンタルはGA不要です。
★出場おめでとうカードを受け取った人は、みんな強制参加です。出場を楽しみましょう。
★カードを受け取ったかどうかはアクションで自由に選択できます。
アクションについて
以下の【A】~【C】のうち、1~2つを選んで行動を決め、『キャラクターの行動』の欄に書き込んでください。
【A】寝子高B☆Iトリエンナーレに参加する
【B】中庭で楽しむ(出店を出す。出店めぐりをする。特設ステージで出し物をする)
【C】B☆Iトリエン実行委員になって、スタッフとして頑張る
【A】寝子高B☆Iトリエンナーレに参加する
<ショーに出場する人>
出場者は、イラストを指定して(「あとからイラスト」も歓迎!)、
アクションの「キャラクターの行動」欄の冒頭に【出場】とご記入ください。
その他、自由な発想でご記入ください。以下はほんの一例です。
・B☆Iファッションの着こなしポイント、こだわり
・B☆Iにまつわるエピソード、勧誘アピール
・キャットウォークを誰と歩くか
(例:1人で堂々と。○○と腕を組んで。B☆Iコミュニティ所属のNPCと一緒の出場もOK!)
・どのように歩くか
(例:もじもじしながら。ステージで歌も披露しちゃう。音響や照明などの仕込みもあり!)
・決め台詞(あれば)
<ショーに出場しない人>
ショーに出場する友だちや先輩後輩、大人の姿を見て応援したり、茶々を入れたり、
会場の雰囲気を楽しんだり、審査員にちょっかいを出したり、キャットウォークの下からえっちな視線で……
など自由にアクションを投稿してください。
【B】中庭で楽しむ(出店を出す。出店めぐりをする。特設ステージで出し物をする)
出店を出す場合は、お店の名前を決めてご記入ください。
特設ステージで出し物を行う場合は、出し物の名前もご記入ください。
お客として楽しむ場合は、どういう出店や出し物をどのように楽しむか、自由に書いてください。
特定の出店や出し物でもいいですし、曖昧なままマスターに任せてもらっても大丈夫です。
※コメントページにも、店の名前や出し物の内容を書き込んでくださると、
他のキャラクターが買い物を楽しむアクションを書きやすくなるので、オススメです。
【C】B☆Iトリエン実行委員になって、スタッフとして頑張る
仕事は、会場の設営、司会進行、照明係、衣装や小物の準備、控室で出場者を案内したり等……
持ち場は中庭でも講堂でも、どちらでもオーケー。
いろいろ仕事を作ったり協力しあったりしてみてください。
今年の実行委員長は、野菜原ユウ!
実行委員には他に野々ののこもいます。
ねここー賞
競い合うより楽しむことが第一のお祭りイベントではありますが、
B(部活)部門、I(委員会)部門、・ねこじま部門(寝子高生以外)の
3つの部門でイケてる着こなしは誰か、観客と先生で投票して“ねここー賞”を決定します。
最優秀ねここー賞を獲得すると、賞状とトロフィーが授与されます。
受賞者だけが着ることが許される金ぴかマント(校長のサイン入り)も与えられます。
先生の審査員は、黒崎俊介、浅井幸太、樋口弥生、大柴ツヤ子の4名です。
先生方からはこんな一言が。
黒崎俊介先生:「目立たずとも、フツウが一番だよ。……うん、どれだけ目立たなくてもね」
浅井幸太先生:「部活や委員会がそれぞれどんな特色を出して来るか気になるぞ。
もちろん、帰宅部の子や地域の皆さんの特色あるファッションも!」
樋口弥生先生:「和風アレンジに票を入れてしまいそうね。音楽パフォーマンスがあるのなら更に、ね」
大柴ツヤ子先生:「豪快で個性的な着こなしと決め台詞を期待してますよ、ガハハ!」
実際の審査は、投票とアクションとイラストを総合して、
NPCの思考にあわせながらマスター(&運営部)で選考していきます。
■ねここー賞の審査基準
・着こなしの魅力
・自己アピール(こだわり、エピソードなどのコメント)
■ねここー賞の審査方法
・生徒の投票
・審査員の投票
■アクション内での応援コメント募集!
トリエン参加者に対する応援コメントを募集します。
応援コメントは、ねここー賞審査の投票としてカウントされます。
アクション内に応援コメントを書いて、お友だちを応援しよう!
(例:七夜あおいさんへ「あおいちゃーん! かっわいいよ~!!」)
応援コメントは文字数の許す限り、何人に対して送ってもオーケー。
友だちを応援したり、ツッコミを入れたり、仲良く楽しみましょう。
※NPCでは、桜栄あずさ理事長、ウォルター・B先生の出場が決定しています!(応援よろしく♪)
それでは、寝子高B☆Iトリエンナーレ、いよいよ開催です!