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【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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寝子高の制服に、手には閉じた状態の旗。
舞台の左右に現れた
オルカ・ヴィヴァルディ
と
獅子目 悠月
は、俯き加減に舞台の央までほとんど足音も立てずに進む。歩幅は同じ、速度も同じ。鏡映しの如く、間近に向かい合う。合図もなしにふたり同時に顔を上げて互いに視線をぶつけ合う。
――どうせなら普段やらないようなことしたいよね
僅かに高い位置にある海色の瞳を見据えた途端、受け取った金ぴかカードをひらひらさせながら笑ったオルカの楽し気な声が耳朶に蘇った。
オルカの纏う制服が視界に入る。客席から遠目に見れば、寝子高の制服に見えるだろうが、
(器用だな)
悠月は榛色の瞳を瞬かせる。
今纏っているのは、本物の制服ではない。オルカが今日のために作成してきた、『特製の制服』。
睨みあうように視線を絡めて後、ぴたりと揃った動きで踵を直角に向きを変える。正面を向く。手にした旗の先端を交差させ、歩幅を揃え、キャットウォークを歩き始める。
(……ハハ、)
瞳に映すまでもなく悠月の優雅な足取りを感じながら、オルカは表情は一ミリたりとも動かさずに心中で破顔した。
(始まる前まであんな渋い顔してたのに)
動きには微塵も迷いがない。客席からの視線を受ける横顔は楽し気でさえある。
(ノリノリじゃん)
例えば若き王の優雅さで、結い上げた赤銅の髪をなびかせて歩く悠月に肩を並べ、オルカは堂々と背筋を伸ばす。片割れが王であるのならば、己は王の剣たる騎士となろうか。
肩を並べキャットウォークの端に辿りつくなり、ふたりは視線も合わせず同時に旗を開く。音楽ユニット『Re』としての本番は、これより始まる。
ばさりと開く、悠月が赤でオルカが青の旗には――デカデカと、『帰宅部』の文字。予想を裏切る旗の文字に、客席から明るい笑い声が起きた。
笑い声をなぞって、音楽が流れ始める。
(この旗はダサいだろうと)
準備段階であれほど主張したのに、と悠月は心の中でぼやく。とはいえ、これで行こうと押し切られてしまったからには、こうして舞台に立ってしまったからには、
(手を抜く気は更々ない)
前奏に合わせ軽快に旗を振る。隣でほとんど動きを合わせるオルカとちらりと笑い合う。いつものように完璧を求めて限界まで練習をしたわけではないけれど、いつも一緒に散々レッスンを繰り返している影響か、なびく旗の動きも息も常と同じに重なる。
それが少し、むず痒かった。
客席の笑い声がいつしか音楽に合わせた拍手となる。その反応が嬉しくて、悠月はサービスとばかりに旗を一回転させた。
(なんだか悪くない様に思えて来るな)
練習にない相棒の動きにも惑うことなく、傍らのオルカが同じ動きをしてみせた。いつもよりはずっと気楽な表情で、ふたりは悪戯っぽい笑みを交わす。そうして、リズミカルで軽い音に合わせ、キャットウォークを縦横に動き回り歌う。踊る。
今日この場は、失敗してもいい。賑やかに明るくいこう。それがふたりの、言葉には交わさぬまでも共通の認識。
審査員席の前でオルカが入念なステップを踏み、キャットウォークの端から端まで駆けながら悠月が澄んだ声を響かせる。声が弾み、足音が弾む。客席の拍手が弾む。
『帰宅部』の旗を掲げつつ、悠月は笑う。
(そうだ)
今このときの舞台はまるで、
(今までの、とんでもなく何でもアリで、)
何だかんだで楽しい学校生活を身体ぜんぶで表現している。そう思ってから、悠月は気づいた。
(ああ、そうだ)
客席に溢れる笑顔を見渡す。
同じ舞台に立つオルカを振り返る。今までも、今も、
(すごく、楽しい)
楽曲の一番が終わり、間奏に入る。普段ならばステップの見せ場ではあるものの、今回はその間、舞台を照らす照明が全て落ちる。僅かの暗転の後、音楽が変わる。音楽ユニット『Re』の代表曲とも言える強い決意の歌を背景に、再び光が灯る。
スポットライトの中に姿を現したのは、制服ではなく、揃いのライブ衣装を纏った『Re』のふたり。
足元に散らばる『特製の制服』を視界の端にちらりと映し、悠月は瞳を細める。
(……うまい事考えるものだ)
シャツもベストもジャケットも一体化させた、いわば張りぼての衣装は、ボタンに見せかけた面チャックで簡易的にくっついていただけだった。引っ張れば簡単に脱げ、その下に纏った華やかな衣装を一瞬で表せられる。
(……確かにこれが『俺たちらしい』帰宅部表現だ)
帰宅部であるからこそできる、『好きなこと』もある。
制服から瞬く間に『Re』に変身できる。
瞬きの間の早着替えに客席がどよめいている。
歓声さえ音楽に変えて、ふたりは声を重ねる。ただし、歌うのは楽曲の一番のみ。
ふつりと音楽が途切れ、不思議そうなざわめきを見せる客席に向け、オルカは悪戯が成功したこどものように楽し気に笑った。かと思えば、旗を構え直し騎士のように礼儀正しい一礼を魅せる。
「特設ステージでもライブしま~す」
卒なく宣伝する。
「さっきの曲フルで聞きたい人は聞きに来てね~」
(寝子島高校……)
手拍子のしすぎで熱を持つ掌を開いたり握ったりしながら、
嘉渡洲 稀跡
は緑柱石色の瞳をそっと瞬かせる。
(こういう催しが、あるのね)
今のふたりの音楽はとても楽しかった。歌い手のふたりもとても楽しそうだった。
音楽に合わせてうっかり跳ねたせいで少し乱れた石灰色の髪を熱帯びた手櫛で整えつつ、歓声に見送られて舞台袖に引っ込む男子ふたりの背中を見送る。
この六月に本土から転校してきたばかりで、部活にも委員会にも入っていない帰宅部で、だからこその今回の創立感謝祭は見学であったのだけれど、
(帰宅部も悪くない、……のかしら)
でも、とキャットウォークを見上げる。ショーはまだまだある。ということは、部活も委員会もまだまだあるということ。
(……どんな所があるのかしら)
どの部活に属するのかさえまだ決めていないけれど、賑やかなお祭りの雰囲気はとても楽しい。キャットウォークを歩く誰もがきらきらと輝いて見える。
「ゆづきくーん! オルカくーん!」
傍で懸命に手拍子を打っていた女子が声を張る。応援も要るのかしら、と稀跡は視線を巡らせた。周囲の誰もが拍手をし、気持ちよさそうに歓声を上げている。客席があってこその舞台なのだろうと思い、稀跡は深呼吸をする。
表情が顔に出ない自分は盛り上げには適さないけれど、それでもちょっとでも、目立たずとも、賑やかしくらいはできるかもしれない。
「頑張れー」
胸ポケットに挿した造花を視界の端に口にしてみれば、さっきよりも少し大きな声が出た気がして、稀跡は口元をほんの僅か綻ばせた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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