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寝子島高校
【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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講堂からの歓声と拍手が初夏の風に乗って聞こえている。
「素敵ですね、創立記念日……!」
どこまでも落ちて行けそうに青い空を仰ぎ、
アケーチ・タッマーキ
は紫の薔薇色した瞳を眩し気に細めた。
痩身を包む淫靡にさえ見えるスーツの襟を正し、実行委員本部に用意してもらった小さな天幕を見回す。
涼しい蔭には、座り心地のいい椅子が一脚、向かいに小さな椅子が一脚。
その他にあるのはさまざまの化粧道具の入った箱の乗せられた机が一台。
シンプルな構えの店を彩るのは、自身の身一つ。
「ふふ……!」
アケーチは花の色した唇に怪しげな笑みを溢れさせる。寝子島において世話になっている人物も多い『寝子島高校』の、最高に素敵な記念日を祝うために使うのは、もちろんこの自分の身体。
(ええ、それはもう存分に……!)
まずは、己よりも先にこの場を訪れる人々を寿ごう。そのために使うのは、記憶のない己の持つ特技のひとつ。
(お祝いをいたしましょう!)
天幕の柱には、小さな看板がひとつ。キュートなピンクの兎の顔が描かれた看板には、『化粧屋たまちゃん』の文字。
記念日なお祭りの今日は、
(メークに髪結い、ペイントタトゥー……素敵な皆様にドレスアップを!)
お客様に心を込めてメークアップに尽力することを誓いつつ、アケーチは通りがかる人々に艶やかな笑みを振りまく。
「せっかくのお祭り、更に素敵な貴方になりませんか? ふふ……!」
興奮のあまりちょっぴり怪しい笑みが零れてしまうのはご愛嬌。そんなアケーチの耳に、
「……まあ、バニースーツよりはましだが……」
「バニー! スーツ!」
興奮をますます高める言葉が届いた。届いてしまった。満面の笑みで声の主を振り向けば、そこに立っていたのは紅が裏地の黒マントにひらひらレースのシャツにスリーピースの黒スーツを着込んだ
響 蒼留人
。
「これ着てステージだと……」
「ドラキュラ衣装も素敵ですよ、タルトさんの弟様……!」
複雑そうな表情で眉をしかめるドラキュラ蒼留人の後ろには、ミントグリーンも涼し気な生地に白いフリルのついた中世ヨーロッパ貴族風ドレスを纏った
マーガレット・ライカー
と、鹿撃帽にインバネスコートにパイプに天眼鏡のシャーロック・ホームズ四点セットを纏った
高杉 かよう
。
(吸血鬼はイギリスというよりルーマニアですけど……)
筋肉質な体格の蒼留人に合うサイズの衣装がそれしかなかったとは、真面目で繊細そうな本人には言うまい。万が一突っ込まれたときは、アイルランド人のブラム・ストーカーの怪奇小説を基にしたドラキュラ像なのだとか適当に言い繕ってしまおう。何せ今日は『BL同好会』としてキャットウォークを歩く。
(ブリティッシュライフです、ボーイズラブの略じゃないです)
心中で誰かに言い訳しつつ、マーガレットは『化粧屋たまちゃん』の豪華な椅子にあれよあれよと座らされる蒼留人の背を見遣る。何であれ本人もドラキュラ衣装を気に入っているように見えるし、この際BLだろうがBLでなかろうがいいとしよう。
「張り切ってメイクいたします、ふふ……!」
明智と名乗った化粧屋は、鼻息も荒く蒼留人の顔に顔を近づける。
「ああ、いい……! この化粧乗りの良さそうな瑞々しい肌!」
食べてしまいたい、とでも変態チックに口走りそうな勢いで蒼留人にドラキュラの化粧を施す美貌の男に、マーガレットの胸は思わずときめいた。
化粧を施す男と施される男、これはちょっとどころではなくBL的ではあるまいか。
「おいおい、カッケーな」
(そこは俺の蒼留人に触れるな、ではありませんかっ)
明智の手によって唇を蒼く彩られる蒼留人の傍にしゃがみこみ、興味津々に覗き込むかように、マーガレットはこっそりやきもきする。
「牙すげえ、これでマガレの首筋噛み放題じゃん、よかったな」
マーガレットの心中にはお構いなしに、かようは青く塗られた蒼留人の唇から覗くにせものの牙を眺め、投げやるように適当に言い放ったりしている。
「女の子の首筋に牙とか、そんな趣味はない!」
「じゃあ胸か」
「いや胸も関係ない!」
「マガレはそのひらひらスゲーよな」
挙句、化粧中で動けぬ蒼留人とのやりとりに飽きて、BL的空間の邪魔にならぬよう壁と化しているマーガレットに話しかけてくる。
「……」
「いや、かっこいいよ、ランニングホームラン的にイけてるよ」
話しかけて欲しくなくて黙り込んでいるのを気分を害したとでも思いこんで訳の分からない褒め方までしてくる。本人にすれば最上の褒め方なのかもしれないが、いかんせん野球にそれほど興味のないマーガレットにはランニングホームランが凄いのかどうなのかもよく分からない。
「俺のホームズもカッケーよな。いいね、探偵英国紳士」
鹿撃帽の縁を目深に下げ、かようはシニカルな笑みを浮かべてみせる。かと思うと堪えきれずにくつくつと笑う。
「最初はさ、探偵ってーとあれだ、あー、子供になって蝶ネクタイして、じっちゃんの名にかけてとか言う奴かー、とかって思ってた」
適当なことを適当に言い、コートの端をつまんでおどける。
「ドラキュラのがカッコよさそうだなコンニャロメ! ってな」
びしり、と蒼留人を犯人のように指し示し、犯人ではない蒼留人の鋭い視線を受けて小さく肩を竦める。
「ドラキュラより目立つのはネス湖のネッシーとかかと思ったけどな。あれもイギリスだろ?」
なんだかんだ言ってもかようも楽しんでいるのではないかとマーガレットは推測する。そうこうするうちに蒼留人の化粧はできあがったらしい。マントを翻して立ち上がる蒼留人は、蒼白い顔にこけた頬、鋭い瞳に長い睫毛とひどく艶っぽいドラキュラ伯爵へと相成っていた。
「メイクってすげえな……」
うっとりとした顔つきで鏡をこちらに向けて来る明智にありがとうございますと礼儀正しく頭を下げて、蒼留人は少し安堵する。ドラキュラの派手な衣装がむず痒くて仕方なかったけれど、この化粧の顔であればもしかすると他の誰にも自分が自分だと気づかれずに済むかもしれない。
そう思ったところに、
「あ、でも女の首に噛みつき放題な分、やっぱ響のが得かな?」
かようの茶々が入った。
「だからそんな趣味はない!」
いつも通りに生真面目に言い返す蒼留人がやっぱりいつもの蒼留人で、マーガレットは小さく笑う。
「おふたりも宜しければぜひ……!」
さあさあと椅子に座らせようとする明智をステージの時間が迫っているからと断り、三人は講堂へと急ぐ。
「ふふ、皆様楽しそうで何より」
賑やかなBL同好会の面々を見送り、明智は次のお客さま候補に声をかける。
「少し、私の戯れにお付き合いいただけませんか?」
艶やかに張りのある声を掛けられ、
神嶋 征一郎
は足を緩めた。
「化粧屋ですって、神嶋先輩」
講堂を出た途端に道に迷っていたところを拾った
呉井 弦月
が悪戯を思いついた子供の顔で笑う。
――来るなら来い
来た道を戻るかこのまま進むか、何でもない顔をしながら一人迷っていた弦月を偶然見かけ、そんな言葉で助けたのが気にくわなかったのか。
――先輩、また上からな言い方ですか
その割に応じた言葉と苦笑気味な顔は、征一郎がそういう物言いしかできないことを読み取っているようにも見えた。
――はい。ご一緒させてください
素直に頷き、中庭まで大人しくついてきたかと思えば、
「さあ、征一郎さん……!」
「どうします、神嶋先輩?」
揶揄える理由を見つけた途端に心底楽し気な表情を見せて来る。
「自分に紅をひいても気色悪ぃだけだろ」
「ふ、ふふ。一目見た時から、征一郎さんのその肌に筆を走らせたかったのです……!」
罵声じみた言葉にも全く動じず、ウェルカム、とばかり両手を広げるアケーチに、征一郎は根負けする。興味は微塵もないが、断るのも面倒になった。渋々とジャケットを脱ぎ、勧められるまま椅子に身体を沈める。
「さあ、何処を彩りましょう」
「やりたいようにやれ」
背もたれに頭を預け、溜息じみて肩の力をぬき、瞼を閉ざす。途端、待ってましたとばかり顎にアケーチの細い指が添えられた。滑らかな筆の感覚が唇に触れる。甘い紅の香が鼻先をくすぐる。
「ふ、ふふ、やはりお美しい……!」
「世辞はいらねぇ」
アケーチの恍惚とした言葉を切り捨てる。もういいかと瞼を持ち上げようとして、そっと掌の暗闇に覆われた。もう少し、と睦言のように囁きかけられ、仕方なく瞼を閉ざす。目元に触れる筆の感覚に眉を寄せつつ、征一郎は隣で見ているだろう弦月に声をかけた。
「てめぇも野外音楽祭を見に来てるとはな」
思いがけず声を掛けられ、弦月は緩みかけていた口元を引き締める。この先輩は、頼まれると断り切れない。今だって、渋々付き合う態を保ちながらも大人しく席についている。
「行きましたけど、……何か?」
征一郎が口にするのは、少し前に寝子ヶ浜海浜公園で行われた野外フェスのこと。
海を望んで夜通し執り行われた音楽祭に、征一郎は後輩とともに出演した。ふたりでヴァイオリンを演奏した。
「……聴いてて何か感じたか?」
天才的とも言える演奏をするヴァイオリン演者に問われ、同じようにヴァイオリンを弾きながらもまだ遠く及ばぬ弦月はしばらく口を閉ざす。そうしてから、
「曲を通じて先輩の別の一面を感じられたのはよかったです」
素直な気持ちを言葉にする。
「あの時は自分の為に弾いた訳じゃなかったからな」
返って来た征一郎の言葉に、確かに、と肯う。あの時、このひとは誰かに向けて弾いていた。観客全員に向けて、というよりもたぶん、特定のただひとりに向けて。
そのただひとりが自分ではないことだけははっきりとしていて、弦月はだから殊更意地悪な口調を装う。
「先輩は頼まれると断り切れないところ、ありますよね」
今だってほら、と指摘してみせる。
「音楽祭のときも、そうだったんでしょう」
「綴……一緒に弾いてた奴の陰謀だ」
「否定しても無駄ですよ……?」
複雑そうな顔をする先輩が思いがけず可笑しくて、笑いそうになるのを堪えようとした時、ぐいと手を引かれた。目を瞠る間に、征一郎の膝の上、羽交い絞めにされる格好にされる。
「おや、……ふ、ふふ……!」
目の前にアケーチの心底楽し気な瞳を見、
「道連れだ」
耳元に征一郎の笑みさえ含んだ声を聞き、
「……この野郎」
弦月は思わず低く罵り声をあげた。抵抗しかけるも、すぐに諦める。わくわくと化粧道具を用意するアケーチに、丁寧な口調で頼む。
「あ、僕はアイラインだけで口紅無しでお願いします」
ちょっぴり残念そうにしながらも注文に従う化粧屋にされるがままに化粧されつつ、
「先輩は顔が良いから化粧をすると更に際立ちますね」
腹立ちまぎれに放った言葉は、
「……あんま見るな」
返された征一郎の言葉の弱さからして、もしかすると案外効いた、のかもしれない。
「お二人とも、とてもお美しい……!」
先に椅子から降りた弦月は困ったような顔つきで頭を下げ、次いで地面に立った征一郎は、ジャケットから一枚の金ぴかカードを取り出した。ついでのように差し出されたカードを受け取り、アケーチは首を傾げる。
「無視したければ無視しろ」
ひとこと言い残し、征一郎は弦月の後を追った。
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阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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