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【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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試合前の時のように、バスケットボールを小脇に抱えて深呼吸を繰り返す。
(どうして私……)
栗色の大きな瞳を緊張気味に瞬かせながら、
羽生 碧南
は深呼吸に紛れさせて溜息を吐いた。
所属するバスケ部に例の金ぴかカードが届いたまではいい。
『出場しろ』とのお達しであるのも、拒否できないのも、とりあえずはいい。イベントごとが盛り上がるのはいいことだし、それになんであれ参加するのは楽しいことだとも思う。
そう思いはするものの、いざ舞台に立たされるのが自分となれば、そこはできればご遠慮申し上げたかった。そもそも普段はのんびりおっとりほんわり、舞台で派手なパフォーマンスが出来る性格には見えないだろうにと思う。
なのに先輩方は出なさいと言った。後輩たちも応援しますとはしゃいだ。
頼まれては断れない性格が仇となって、碧南は今、トリエンナーレ舞台の袖にひとり、ユニフォームに身を包みボールを手に出番待ちをしている。
「屈んで」
百八十センチの長身を誇る彼女の前、波打つ碧の黒髪を揺らし、人形じみた容姿の
三宅 葉月
先輩が立った。
両手に化粧道具を持つ彼女は、衣装・メイク担当の実行委員。
森の妖精のようなエメラルド色した瞳に見惚れている間に、舞台メイクが終わる。汗でも崩れないようにしたから、と告げられ、手早く鏡で確認させられる。
鏡に映る、ナチュラルでありながらけれど確かに彩られた己の顔に目を瞠るうち、
「行ってらっしゃい」
抑揚のない声に背を押された。行ってきます、と素直にひとつ頷き、碧南はボールひとつを小道具に舞台へ飛び出す。
パフォーマンスの参考にしたのは、外国のバスケットパフォーマンス集団。バスケのハンドリングやドリブリングにダンス要素を取り入れ、
(よりストーリー性や芸術性を意識した……)
小難しく考えるうちに分からなくなって来て、とりあえずボールを床に叩きつける。跳ね上がったボールを相棒に、碧南はドリブルを合図に流れ始める音楽に合わせ床を蹴った。
(要するに!)
鍛えられた身体能力を存分に発揮し、高く跳ねる。自分よりも高くボールを投げ、キャットウォークを駆ける。落ちてきたボールを的確に掴み、今度は身体を低く構えてドリブル。足の間にボールを潜らせ、踊るようにボールと共にその場でターン。
(見た目かっこよくて派手で、でもそれだけじゃなくて)
長い手足と長身を活かし、生き物のように自在にボールを操る。ボールと戯れる。
(美しさとかそういったものを表現――)
(できたらいいな!)
それが出来れば、普通にボールを持って歩くよりは印象的だろう。
キャットウォークの最後の数歩を全力で踏み、高く高く跳躍する。上を見据え手足を柔らかく伸ばし手に乗せたボールを放とうとして、瞬間、悪戯っぽく笑い両手の中にボールを引き戻す。と同時、しなやかな動きで着地する。
百八十センチの長身に、ふうわりとして柔らかな童顔のアンバランスさを逆に魅力に変えて、碧南は楽し気に息を乱しながら客席を見渡した。ユニフォームの襟を持ち上げ、無防備な腹をちらりと見せつつ少年のような仕草で汗を拭う。
「碧南先輩かっこいいー!」
正面の席で見ていてくれた部の後輩たちが声を揃えて応援をくれた。ふわりと頬を薄紅に染め、碧南は乱れた息のまま笑う。
「みんな、楽しんでる? 私はめちゃくちゃ楽しんでるよー!」
笑顔で絶叫し、手にしたボールを大好きな友達のように抱きしめる。そうしてから、くるり、ダンスのようにターンする。
行きと同じにアクロバティックな動きで戻る背に、もう一度後輩たちの黄色い歓声が飛んだ。
(……うん)
キャットウォークから外れる最後の一歩を踏み出しながら、碧南は唇を綻ばせる。
(やれるだけのことはやった)
入賞できるかどうかはともかく、今はとても、晴れやかないい気持ち。
「高校の頃はね、」
言いつつ、講堂の入り口で貰ったパンフレットを広げる。
「あの子みたいに赤いユニフォームを着て……」
髪も短かった、と思い出話に興じようとして、
城山 水樹
はパンフレットから零れ落ちた金色カードを拾い上げた。
「『出場おめでとうカード』?」
傍らに立っていた
ヒュー・ヒューバート
が優しい灰色の瞳を細める。
「……学生でなくてもステージに上げられるのね」
強制参加、と書かれたカードの裏の説明書きに目を通し、水樹は思わず苦笑する。こういうところは水樹が通っていた頃から変わらず、いかにもこの高校らしい。
くすくすと笑い、水樹は木天蓼市の老舗フォトアトリエに忙しく勤務する恋人を見遣る。自身もモデル兼大学生であるために滅多と休みが重なることのない、大好きなひと。珍しく休みが重なったからと母校の創立記念祭に誘ってみて、正解だった。ふたりでステージに立つ経験なんて、この先ないかもしれない。
(私にとっては職場みたいなものだけど)
フォトグラファーである恋人は、ステージではなくその下からカメラを向ける仕事を生業としている。
「バスケは二年生の時に怪我して引退しちゃったけど、ヒューは何してたの?」
「高校時代は写真部だった」
楽し気な水樹の笑顔につられて笑みを零し、ヒューは応じる。運動選手からモデルへと転身を遂げた彼女と対照的に、
「高校時代の部活がそのまま職業になってしまった」
照れたように笑う童顔の恋人が無性に可愛く思えて、水樹はその肘に抱き着く。美しい写真を撮るこのひとに、この機会にどんな衣装を着せよう。自分は何を着よう。
さっきの背の高い女の子みたいにバスケ部のユニフォームを着てみようか。それとも何か別の衣装を貸してもらおうか。
頭の中でシミュレーションをしていて、ふと目の前の恋人が目に入った。客席の半分以上を埋める学生たちの姿が目に入った。
「ヒュー! 閃いた!」
「……ん?」
トリエン出場について静かに思案する恋人の肘を引き、水樹は意気揚々と講堂端に設けられた出場者受付へと向かう。
受付の学生に金ぴかカードを差し出し、水樹は恋人の背をぱたぱたと叩く。
「ヒューの制服姿が見たくなった!」
「え……」
「私も制服着ちゃおう!」
大学三年生の水樹の言葉に、社会人一年生のヒューは戸惑う。正直なところ、彼女のバスケ部ユニフォーム姿を見てみたい気がするけれど、
「帰宅部カップル」
水樹にそっと囁かれてしまえば、彼女の意見を尊重するしかない。
「では、更衣室へご案内します」
『佐藤』の名札と『B☆I実行委員会』の腕章をつけた穏和そうな少年に案内され、舞台裏の一部を使った更衣室に通される。更衣室の前に立っていた大人しそうな、こちらは『佐和崎』の名札をつけた大人しそうな少女が案内を引き継いだ。
「衣装は一通り揃えていますが、もしご希望のものが見つからない場合は、中庭で美術部が開いている『クラフトスペース』に行ってみてください。個性的な衣装も見つかるはずです」
ドアを開けつつ、佐和崎 皐月は落ち着いた声で説明をする。
「お化粧が必要なときは舞台袖で待機している係の者へどうぞ」
更衣室にふたりを通し、皐月は丁寧に一礼してドアを閉める。どこかであの女の人を見かけた気がするけれど、一体どこでだっただろう。
(なにかの雑誌? 化粧品の広告だっけ……?)
小首を傾げていて、ふと浮かんだのはグラビアモデルでもある恋人の華やかな笑顔。同じ高校に通う彼女は、今日はどこで何をしているのだろう。
ここにいない恋人について思いを巡らせる間に、更衣室のドアが開いた。照れくさそうな顔で出てきた男性と、やっぱりどこかで見たことのあるモデル体型の女性を舞台袖に案内する。
「じゃあ、この後にお願いします」
突然の飛び入りによる順番の変更にも動じず、『御剣』の名札をつけた凛々しい少年が短く頷く。
後輩たちの頼もしさに、水樹はなんだか嬉しくなった。
「頼りにしてるよ」
人懐っこく男子学生に笑いかける女子高生姿の水樹がひどく斬新で、別の人を見ているような気がして、ヒューは瞳を細める。
「ヒュー、ネクタイ曲がってる」
チェックのスカートを踊るように揺らし、水樹が襟元にひょいと手を伸ばして来る。冬服のネクタイを少し緩めに結び直してもらいながら、ヒューは少なからず照れた。
(制服を着ても似合う)
成人していても、少し大人っぽい印象の女子高生で通用するところは流石だと思う。童顔な自分と並べば、下手をすれば先輩にも見えかねない。
(大人びた美貌の先輩、か)
女子高生姿の恋人にネクタイを直してもらうのがひどく照れくさくて、照れ隠しに話を逸らす。
「ブレザーを着るのは初めてだ」
「そうなの?」
「通ってた高校は詰襟だった」
「そっちも見たかった」
てらいもない笑顔で言われ、余計に照れた。
舞台袖に立ち、出番を待つ。バニー姿の司会の女の子が堂々とした様子で一般飛び入りのふたりを紹介してくれる。
「それでは、どうぞ!」
闊達な声と拍手に迎えられ、ふたりは舞台へと踏み出す。並んで歩き始めてから、水樹は恋人の名を呼んだ。
「ヒュー」
胸を張り背筋を伸ばし、本物の女子高生のように溌剌と歩き始める。モデルである水樹にとって、人目を浴びるキャットウォークは『職場』と同義。どう歩けばよりよく自分を見せられるかは心得ている。けれど、今回は隣に恋人がいる。
「……手を、繋ごう?」
初めて手を繋ぐように水樹から乞われ、ヒューの胸が知らず跳ねた。手なんて今まで何度も繋いできたはずなのに、疑似的にとはいえ高校生として歩いているからだろうか。ひどく新鮮な気持ちに胸を満たされ、心臓が無闇にどきどきし始める。
水樹の言葉に無言で応じ、ヒューは淡く微笑んだ。
触れてくる冷たい指先を掴み、指先を絡める。うっかりぎこちなくなってしまった仕草にまた心臓が跳ねた。どうしようもなく恥ずかしくなって伏せた瞳が、こちらを一心に見上げて来る水樹の視線とぶつかった。
絡めた指に響く鼓動は、自分のものか、水樹のものか。
ほとんど同時に赤面するふたりに、客席のこちらから冷やかしの声が飛ぶ。あちらではふたりの初々しい雰囲気にあてられた何人かが同じように頬を赤くする。
(帰宅部のアオハルね)
ふわり、頬を上気させて歩きながら、水樹は笑う。今までも何人かと恋をしてきたけれど、
(こんな思いを抱き続けられるのは、ヒューが初めて)
絡めた指に力をこめる。髪をなびかせキャットウォークを歩きながら、
(ねえ、ヒュー)
水樹は恋人に心で囁く。
(……好きよ)
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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