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【創立記念】B☆Iトリエンナーレ!
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「うえぇマジかよ……」
舞台袖の影から客席を覗き、
滝原 レオン
は家庭科同好会の誰よりも高い長身をその場に蹲らせる。
(人いっぱいいる……)
いやだ怖い恥ずかしいおうち帰りたい、呪詛じみた言葉を口から零しつつ、周囲を見遣る。
「う、……」
「大丈夫ですか、錦織先輩」
緊張しすぎて蒼白な顔をしながらも必死で立つ
錦織 彩
を支えて、同じくらい緊張した顔の
水上 桜
がいる。
「うん、よく似合ってます」
「綾花ちゃんもとっても似合ってる」
七夜 あおい
の制服のリボンをレースのリボンに換えてやりながら
綾辻 綾花
が華やかに笑い、あおいが照れくさそうに笑う。お揃いで色違いの猫の刺繍入りの鞄からは、猫のぬいぐるみがやっぱり揃ってちょこんと顔を出している。
「後はこれをつければできあがりです」
青いダリアのコサージュを自分の胸元とあおいの胸元につけ、綾花は緊張も見せず花のように笑う。
「うぅ……」
他のメンバーの、少なくとも自分よりはよっぽどしゃんとしている姿を目にして、レオンは呻いた。
(ここで男の俺が弱音言っててもしゃーねえよな)
それに、と瞼の裏を掠めるのは、つい先ほどキャットウォークで見事なパフォーマンスを見せた幼馴染の妹の姿。
両手で顔をばしっと叩く。それは奇しくも、レオンが本当の妹のように思う彼女が舞台袖でしていたのと同じ仕草。
「……よし! やるぞ!」
気合いを入れ、出番前に衣装を確認する。とはいえ服装はいつもの制服、いつもと違うのは胸につけた自作のコサージュ。それから家から持って来た自分が手掛けたぬいぐるみのうちで一番のお気に入りなうさぎのましろ。
お揃いのコサージュをつけたうさぎのましろを両手でぎゅっと抱きしめる。それでもやっぱり緊張がどうしようもなくなってしまい、カチンと固まる。
「うさぎさん、可愛いね」
軽やかな声を掛けられ、ぎくりとする。強張っているためにいつもより鋭さを増した瞳で見遣れば、声を掛けてきたあおいはほんの少し躊躇うような仕草を見せた。
目つきを気にするレオンは慌てて瞬きを繰り返す。
「か、かわいいだろ?」
せめて引きつった笑みを口元に滲ませる。
「お揃いなのもいいね」
人懐っこく笑うあおいに、レオンはなんとか頷き返して見せる。外面はやっと落ち着いたように見えても、内面は緊張でがちがち、
「がんばろうね」
「お、おぉ、ががが頑張ろうな!」
喋ってしまえばすぐに極度の緊張が発覚してしまう。
とはいえ、緊張している間に舞台の順番は容赦なく回ってくる。スタッフの合図を受けて、レオンの心臓は一瞬止まりそうなくらい跳ね上がった。それでも黒一点の一番手、思い切って半ば駆け足で薄暗い舞台袖から眩しいキャットウォークへと飛び出す。
長身に鋭い眼光の男子が可愛らしいぬいぐるみを抱きしめて歩く姿に、客席の視線はおのずと集う。
(う)
集まる視線に即刻引き返したくなる気持ちを抑え、ましろを抱きしめて歩くうち、
(……く)
緊張が頂点を突破したせいか、なんだか少し笑えて来た。
「あー……」
舞台から迫り出した道の果てで立ち止まり、自分に集まる視線を跳ね返すように客席をぐるり、見渡す。
「こんなナリだが、家庭科同好会だ。このコサージュも、ましろ……ぬいぐるみも、自分で作った」
僅かに口ごもりながらも同好会や自分の作品の紹介を始めるレオンの後ろ、続いた綾花とあおいが手にしていたにゃんこ刺繍の鞄を開く。中身はいっぱいの手作りにゃんこ型飴。
(ちょっと緊張して照れますね)
同じように思っているのか、ふわりと上気した頬で笑うあおいと顔を見合わせ、背中合わせにポーズを取って見せる。そうしてから、
(同好会に興味を持ってもらえたらいいな)
そんな願いを込めて、女子ふたりは手作り飴を客席へと撒く。
「あおい、凄く似合ってるぞ」
客席から聞こえた声は、腕章をつけて取材のカメラを回す新聞部部員の隣、同じ腕章をつけた
八神 修
の全力の声援。
ありがとう、とばかりあおいが撒いた飴のひとつをしっかりと受け取り、修はふわりと心底嬉しそうな笑みを見せた。
――天使かな
先ほどキャットウォークで見せたクールさとは真逆の表情を見せる修の心の声を聞いた気がして、綾花は思わず笑みを零す。
(そうですよね)
天使のような友達と、家庭科同好会の皆と舞台に立てるのがとてもとても楽しくて、くすくすと笑う。
「錦織先輩」
舞台袖に立ち尽くし、俯いて動けない彩に向け、桜はそっと手を差し伸べる。
「ごめ、……なさっ……」
「大丈夫です、行きましょう」
緊張のあまり一歩も動けず、彩は涙目になる。後輩が気を遣って笑いかけてくれているのに、どうしてこの足は動けないのだろう。
「っ……」
せめて、とみんなで一緒に作ったダリアのコサージュを見下ろす。制服の胸に飾った、みんなとお揃いでみんなそれぞれに違うダリア。同じ部員で、仲間のしるし。
今手を伸べてくれている桜の髪にも、ダリアの花がある。今まで作った中で一番上手にできたと思う、と嬉しそうに笑っていた。うまくできたのなら、きっとみんなに見せたいはず。そのためにも、自分が舞台にあがらなくては。優しい後輩と一緒にキャットウォークを歩かなくては。
(せめて……)
両手に握りしめた、いっぱいの花束を見つめる。手作りのにゃんこ型飴を作って撒くという綾花に倣い、客席のひとにあげられればと思って作った、たくさんの造花。
(わ、私の花も、……みなさんに、持って行っていただけたら)
せめて、せめて。花を渡そう。ショーを見に足を運んでくれたひとたちに、心づくしの花をあげよう。
「――興味があったらぜひ、作品を見るだけでもいいから来て欲しい」
緊張しきって硬い声で、それでもレオンが口上を終える。軽くお辞儀して引き返して来る。
振り返ったレオンと、目が合った。
手を引きながら振り返る桜とも、目が合った。
引き寄せられるように一歩、花を渡そうとして一歩、ゆっくりとでも確実に、彩は舞台を歩き始める。キャットウォークの先を目指して歩き出す。
客席からの視線が一気に集まる。固まって立ち止まりそうになるけれど、傍らの桜が逆に煽られるように手を振り、鮮やかな笑みさえ浮かべていることに励まされた。足はまだ、動く。
迫り出しの半ばで待っていてくれたレオンと並び、その先で待っていてくれた綾花とあおいと並び、彩はとうとう道の果てに行きついた。キャットウォークの先端に立ち、そっと膝を折る。震える手で差し出した花を、客席に居た石灰色した髪の女子が最初に受け取ってくれた。
「……頑張れー」
小さく囁かれた言葉は、彩の耳に確かに届いた。
飴が撒かれ、花が配られる。綾花とあおいの鞄の中が、彩の手の中が空になったところで、家庭科同好会のパフォーマンスは一段落する。
レオンを先頭に、手を繋いで帰るあおいと綾花、桜と彩に、あたたかな拍手が降り注いだ。
拍手に見送られて舞台袖に戻るなり、
「き、きき、緊張したぁぁぁ……!」
まずはレオンが涙目でへたり込む。
「緊張、しました……」
彩が続けて尻餅をつく勢いで座り込む。
「お疲れさまでした、先輩!」
桜が安堵したように笑い、
「お疲れさま、みんな」
「お疲れさまでした!」
あおいと綾花が緊張のとけた顔で笑い合う。
拍手はまだ、続いている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
92人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月09日
参加申し込みの期限
2018年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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