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Rain Dance
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校舎の窓から眺めると、翠子と米太郎の小さな赤い傘はまるで、波間を漂う小舟のようでした。
「うわ、大変そう」
雨そのものは
詠坂 紫蓮
も嫌いではありません。いや、むしろ情緒があっていいとすら思います。
けどそれは、あくまで情緒に富んでいる場合に限るのです。
しとしとと降る零雨なら、風情もあってよかろうし、霧のような雨も悪くないでしょう。去り際の残雨だって、なにやら切ないものを感じさせるではありませんか。
ですがこういう風にどばどばっとくる雨には、ありがたみってものがちょっと足りません。
紫蓮は首をすくめました。これは、傘があっても出て行くのをちょっと躊躇するほどの雨量です。ましてや紫蓮の傘は折りたたみなのです。あの赤い傘よりも小さいかもしれません。雨よけとしては頼りないことこの上ないですね。
――困ったなあ。
ぺたっと額に手を当てて彼女は溜息をつきました。
待ってれば多少小降りになるかも、そう期待して学校で、しばし紫蓮は今日の分の勉強にとりかかったのですが、困ったことにあっという間に終わってしまったのです。テキストを繰ろうにもノートを開こうにも、あとの勉強道具は自分の部屋に置いているのでどうしようもありません。
ならちょっと、長めの自由時間が始まったとでも、考えてみてはどうでしょう。
「んー、誰かほかに暇してる人いないかしら……」
紫蓮は校舎内を歩いて回ることにしました。
同じようなことを考えている人は、いるものです。
――そういえばまだ校舎内をちゃんと見て回ったことはなかったな。
そう考えて校内探検をしている彼、それは
篠木 昴
でした。
やっぱり彼も、この雨中出て行く気になれず、なんとなく校舎内を歩いているのです。
同様に学校に残っている生徒は少なくありませんでした。みんな、三人から五人程度で集まって、他愛もない雑談に興じています。
――みんな、知り合いがいるのか。
孤独というわけではないのですけれど、この地に来た当初できた顔見知り以外は、あまり親しく話す人のない昴です。
――まあ、知り合いが少ないのは俺のものぐさと、騒がしい中にいるのが苦手だっていうのが災いしてるのだろうな……。
それはそれでいいはずですし、いまさら直そうと思って直すべきものでもないとは思いますが、それでもなんとなく、ドーナツにあいた穴といいますか、ぽっかりと物足りないものを昴は感じていました。
そんな、考えごとをしていたせいかもしれません。
曲がり角を曲がったところで、彼は紫蓮と正面衝突してしまいました。
どたっと紫蓮は尻餅をついています。
「すまん。大丈夫か」
「こちらこそ、ついぼんやりしてて……」
「いや、ぼんやりしていたのは俺のほうだ。立てるか?」
伸ばされた手を取らずとも、彼女は立つことができました。
「じゃ」
「ええ」
右に避けようとした昴は、紫蓮も右に動いたのを知って左に移動しますが、そのときはもう、紫蓮も左に動いていたのでした。
「すまん、わざとじゃないんだ」
「ごめん、こっちもふざけてるみたいで……」
もう一度同じ右左右左を繰り返した後、昴は苦笑気味に言いました。
「よく考えたら俺はどっちに行っても良かったんだ。先に行ってくれ。邪魔なら引き返してもいいし……」
「それどういうこと?」
「単に暇してるってだけのことだ」
「それなら私もそうよ」
二人は自分の事情を話し、お互い、似た状況なのを確認したのです。
「じゃあ話し相手にならない? 私は普通科3組の詠坂紫蓮」
「そうしよう。おっと、俺は篠木昴、普通科の2組だ」
名乗って二人連れとなり、行くあてもなく並んで歩きます。
話題話題――そういえば、めったに雑談をしない昴なのです。こんなときなにを話したらいいのか迷うのですが、その点、心配することはありませんでした。
「すごい雨だよねー。そういや子どものころとか、台風がきたりすると皆はしゃいでなかった? 昔は私もそんなだったけど……」
話題なら、紫蓮のほうには豊富にあったからです。
「一緒になって大はしゃぎ、というのはあまりなかったが、血が高ぶるようなものはあったな。とくに風が強いと」
「飛び出してやってやるぜー! ……みたいな?」
「そこまでは……いや、そんなこともあったかもしれない」
どうやら長い午後になりそうです。
せっかくできた知り合いです。色々と話そうではありませんか。
紫蓮と昴は連れだって、子ども時代の思い出話など交わしながら、図書室の前を横切りました。
その壁一つ挟んだ向こう……つまり図書室では、
草薙 龍八
がなにやら調べ物をしています。
「雨か……」
この荒天を見て、早々に帰ることを諦めた龍八は、図書室のボックス席に陣取っているのでした。
こういうときこそ、時間をかけた調べ物に費やしたい。
最近彼が興味のあるテーマ、それはずばり『カルト』でした。現代の病巣ともいえるカルト、なかでも、いわゆるカルト教団の危険性やこれが生じた時代背景について考察した資料は、学校の図書室であってもなかなかに充実しています。それだけ社会性の高いテーマといえるでしょう。
これは龍八の個人的見解ですが、カルトの形成される環境と関係を寝子島の現況に当てはめると、最近勃発している怪事件は『信者の暴走』的なとらえかたができそうです。
いつしか彼は、調査に没頭するあまりぶつぶつと独り言を呟いていました。
「……怪人セブンは特に筆頭だが、各事件には隠蔽とも言える情報封鎖があるように思えるな……俺が警察に突き出されてないのが何よりの証拠ではないだろうか……」
ところでその図書室に、腕組しながら入ってくる人物がありました。
大田原 いいな
です。
「彼を知り己を知れば百戦危うからずなのじゃ……」
つまり知るべきは敵、そしてその敵とは、いいなの場合、草薙龍八となるのです。
「む、あれは仇敵草薙!?」
ボックス席にいる彼の姿を発見し、いいなはさっと本棚の陰に隠れました。情報を得るつもりで来ただけなのに意外な展開と言えましょう。
龍八はなにやら熱心に調べている様子、独り言も言っているようです。ですがここからはなにを調べているのかはわからず、なにをつぶやいているのかも聞こえません。
もどかしい思いをしながら観察していると、おもむろに龍八は席を立ちました。こっちに気づいたわけではなく、一時休憩にでも行くようです。
これ幸いといいなは、猫のように音もなく、彼のいた席に行きました。
「かると教団?」
わかったような、わからないような顔になります。
いくつかの本を手にして、いいなは龍八の調べ物のテーマをつかんだとは思うのですが、その意図まではわかりません。
「……ののことやらを信ずるやからに対する、傾向と対策を調べておるのかの?」
まあ、これは『マル秘龍八情報』として記録に残しておくとしましょう。
さっそくメモを取って……。
「いいな……何してるんだ?」
「げ! み、見つかってしもうた」
瞬間、いいなは十五歳ではなく、二十歳前後の妙齢へと成長を遂げていました。これはいいなの『ろっこん』によるものです。
ところが龍八はさして驚きもせず言います。
「図書館では静粛に。それで、何をやっていた?」
いいなは、コホンと咳払いしてトーンを落とします。
「貴様の情報を収集しておるのじゃよ……貴様を調べ上げた上で儂が完膚なきまでに倒す、それが儂の目標じゃからの」
「情報収集ねぇ……悪くない考えだな。戦の基本情報は必須……孫子も力説してるしな」
「お、ウマが合うのう。『孫子』の一節、ちょうど儂も口にしていたところなのじゃ」
「敵とウマが合ってどうするんだ。……続きは外で話そう」
龍八は小銭入れを取りに戻ったのだと言います。かくて二人は、校舎内の自販機のところまで移動しました。
「それで、俺のことを調べていると聞いたが?」
「おう! 聞け、今わかっていることは『さばいばるの技術がある』と『好物が珈琲』、『苦手が辛い食物』ということなのじゃ!」
なんだか得意げに、いいなは胸を張るのです。
「表層的な情報ばかりだな」
「今はこれだけじゃが、いつか貴様の重大情報を握ってやるのじゃ! もっと致命的なのをな!」
「まあ、目の付け所は悪くないだろう……褒めてやる」
龍八は自販機にお金を入れ、
「ほら、ご褒美の珈琲だ。受け取れ」
と缶珈琲をいいなに投げ渡すのです。
「敵に塩を送るというわけか。いいじゃろう」
などと偉そうに缶を受け取り、何気なく開けて一口含んだいいなですが、すぐに顔をしかめました。
「……苦っ!」
「そりゃそうだろう。ブラックだからな」
「香りはいいが、ちと儂には苦すぎるぞ。なにか甘いものあったかの?」
荷物を探って、いいなは駄菓子の棒ゼリーを取り出しました。
「ほれ、貴様も喰わぬか?」
うちひとつ、黄色いのを龍八に渡そうとします。
「俺はいらん」
「そういうな。この時期は生ぬるくなるのが難点じゃが、結構美味いぞ」
やや強引に龍八の手にゼリーの包みをねじこんで、あとはパクパク、嬉しそうに駄菓子ゼリーをいただく彼女なのでした。
仕方ない、と言いながら龍八もゼリーを開けました。
けれど思っているのは、次のこと。
――寝子島にはどこか嘘がある。だが、嘘を塗り重ねた関係には限界があるものだ……それは『フツウ』が致命的に崩壊する……カルトの末路と似ているな。
このことについて見解を問えば、いいなからはどんな回答が返ってくるでしょう?
そういえば、いつの間にかいいなの『ろっこん』は収まり、彼女は元の姿に復していました。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
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定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月01日
参加申し込みの期限
2013年07月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月08日 11時00分
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