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Rain Dance
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悲劇のヒロインぶりたいわけではないのですが、
剣崎 エレナ
はつい、芝居がかった姿勢で手の甲を額に当て、ふらりと倒れかった我が身を、背を柱に当てることで支えるのです。
「……私には……無理!」
次期生徒会長の座をうかがうエレナとしては、その栄冠に輝く先代、海原茂には見習いたいところなのですが、だからといってその勇ましさとまでは到底、模倣し尽くせるものではありません。
つまり、あんな雨降ってるのに傘も差さず歩いて行くなんて無理! ということです。
だからといって、雨が止むまでここにいろというのは酷、でもぜいたくは敵、悩ましいものです。
そのとき、ちょうどそこに通りかかったのは
天馬 ひびき
でした。
「剣崎先輩♪」
ひびきのその明るい口調、輝ける目に笑顔、これは期待していいかもしれません。
「まさかあなた、傘の心当たりが……!」
エレナの顔に血の気がさしました。特殊効果として、ぱあっとエレナの背景に、薔薇の花が咲き乱れているところを想像してください。
「……ごめんなさい。私も傘を持ってないの……」
「そう……」
でもあからさまに「がっかり」なんて態度を取らないのがエレナの良いところです。
「どうかしたの? そんなに嬉しそうな顔をして」
「ええと、実は、真面目に相談したいことがあって……」
人望、それは人の上に立つ者に絶対不可欠なもの――エレナは気をよくして、
「私でよければなんでも相談してね」
「今度中間テストが有るんだけど、私勉強があまり……得意じゃなくて」
「得意、不得意で語ってしまうものではないわ。努力することが大切よ」
「いや本当、先輩の言う通りなんだけど……でもお友達と教えあうことになったの。一寸だけでも分かる科目をって」
「なるほど、それはいい考えね」
「で、私は生物と地学なの。友達のためにもちゃんと教えたくて教科書と参考書開くんだけど、分かんなくて……雨が上がるまでの中の少しでもいいので、先輩っ、私に勉強教えてくださいっ!」
「ふふ……その程度ならお安い御用というやつよ」
頼られるとか褒められるとか、そういう風にしてプライドをくすぐられると、とことん弱いエレナです。現代文のみは苦手ですが、他は優等生な彼女のこと、「手伝わせてもらうわ」と二つ返事で請け負いました。
「ほ、本当!」
ひびきの眼には尊敬の表情が浮かびまくっていました。
そんな眼で見られることがまた、エレナにはゾクゾクするほどの快感なのです。もう雨のこととか、茂にはかなわないとか、そういった悩みのためは消し飛んでいました。
「ええ、任せなさい」
このとき、
「剣崎先輩」
エレナは前方から声をかけられました。
そこにすっくと立つ青年は、見まがうはずもありません。
市橋 誉
です。
「あら? 市橋くん」
ですがこのときほぼ同時に、エレナはまた声をかけられていたのです。
「おっと、そこにいるのはエレナ先輩ですにゃあ? ごきげんよう先輩ー」
「ひゃっ!」
エレナはゾクゾクしました。背筋が。さっきとは別の意味で。
なぜって、
青物 といき
が音もなくエレナの背後から急接近し、つんつん、背中をつついたからです。
「ちょ、ちょっと青物さん! あなた、それびっくりするからやめてよね!」
「にゃーにゃー、そんな先輩の反応が可愛くて……つい」
「いやもう普通でいいから! 普通でも私は可愛いから! ……いや、これちょっと失言かしら? まあ人間、普通で自然なのが一番ということよ」
目の前でエレナがジャンプしたので、誉は多少驚きつつ、
「ところで先輩、なにかお困りの様子でしたが……もしかして、帰宅したいのに傘がないということではありませんか?」
彼は、エレナが額に手を当てていたところを見たようです。
「ええそうなの。傘がなくてね……」
「それは意外。先輩のことですから、雨の中迎えにきてくれる馬車でもお待ちかとー?」
といきが言いますが、エレナは肩をすくめました。
「馬車はさすがにないわね。タクシーを呼ぶという手もあるけれど、近ごろ思うところあって、贅沢は控えているの」
「……ふうん。私は別にい贅沢いんじゃないかなって思うんですけどね」
といきは不服げです。底知れない深い笑みを浮かべつつ続けました。
「だって先輩はお嬢様、浪費と贅沢が許されている人じゃないですかぁ……そういうのって謙虚を超えて嫌味ととられるかも? ふふ」
されどエレナは動じません。
「謙虚、と受け止めてもらえるのは感謝はしておくわ。でもどっちかというと、これは『意地』みたいなものよ。
生徒会長になるのなら実力で、と私は思っているの。つまり、家柄とか生まれとか、そんなものに頼りたくないということ。贅沢を減らそうとするのはその一歩ね。
もちろん、私の社会的背景が私から完全に切り離せるものではないくらいわかっているわ。でも、できる限りは試してみたい……それって無意味なことかしら? こういう態度だって『嫌味』とか『思い上がり』と受け止められかねないとは思わないでもないけれど、だからといってやめるつもりはないわ」
言いながらなんとなく演説調になり、身振り手振りすら壇上っぽくなるエレナです。これって、エレナ生来の性質かもしれませんね。
「先輩、格好いい!」
ぱちぱちぱち、とひびきは手を叩きました。
「ご立派です」
誉もうなずきます。
「いやあ、なるほどにゃあ……」
納得したのかしないのか、といきは眼をぱちくりしていましたが、
「先輩の趣味に合うかは分かりませんがお嬢様にふさわしいものを」
と、レースの刺繍が入ったガーリーなデザインの折りたたみ傘を取り出してエレナの手に握らせると、
「ではー」
片手を挙げ敬礼みたいなポーズを取るや颯爽、リュックを背負った状態からレインコートをはおって、トレーニングの一環のかのように雨の中を走って姿を消しました。
あっというまの展開で、エレナはあっけにとられたように立ち尽くしていましたが、慌てて、
「ありがとう!」
小さくなるといきの背に声を上げたのでした。
「そうなると俺は出しづらいのですが」
と前置きして誉が取り出したのも折りたたみ傘でした。
「俺は教室にもう一個、置き傘があるんで……と、お渡しするつもりだったのですけれど」
それなら、どうぞ、と誉はこれを、ひびきに手渡したのです。
「これでお二人とも帰ることができますよね」
「えっ!? いいの!?」
「事情は、さっき言った通りですから」
「じゃあこれお礼ね。先輩にも」
ひびきは二人に、寒天グミはちみつレモン味の小袋をひとつずつ渡しました。
「私の手作りだよ♪ 一個ずつアメみたいにセロハンに包んだんだ。寒天だからカロリないし甘さ控えめだし、くみくみって食感も楽しいの」
「これはこれは」
とエレナは喜色をあらわにしてひびきに言いました。
「じゃあテスト対策の続きは、私の部屋でしようかしら?」
「えー!? ほ、本当にー!」
照れるやら嬉しいやら、この申し出には感激のひびきなのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月01日
参加申し込みの期限
2013年07月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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