ダーク・ネコジマシティ・ウォーズ｜リアクション

ダーク・ネコジマシティ・ウォーズ

【おっぱいは正義】

　ライブ会場は、サン・魔・サンシャインで、めちゃくちゃになっていた。
「ぐわはははははー！　ダーク・ネコジマシティのサンマは世界一なんだぜー！　このまま世界を滅ぼすぜー！」
　サン・魔・サンが、尻尾をびちびち言わせながら、ご機嫌に叫ぶ。
　だが、チユチユの視界に、もはやその青魚は入っていない。
　彼女の意識にあるのは、自分をかばって、致命傷を負った、ラブ・ヒーローティーチャー、ただ一人だけだった。
「……先生、先生、しっかりしてください！」
　チユチユは涙目で、ティーチャーの肩を揺さぶった。
　もしかすると、もう二度と目を覚まさないのではないかと思った。
　だが、その次の瞬間。
「……う……きみ、は……？」
　うっすらとティーチャーが目を開けた、その刹那――。
「ぶほあっ……！？」
　ティーチャーが新たに多量の出血をした。主に、というか、全部鼻から。
　というのも、サン・魔・サンシャインの余波で、チユチユのスーツは破かれ、その豊かな胸が丸見えになっていたからである。おっぱい。
「きゃああああ！？　先生、どうしたんですか！？　しっかりしてください！？」
　と、そのとき、チユチユはあることに気づく。
「はっ……！　私の胸に、力が……！」
　チユチユは、自分の豊満なバストにとても凄い力が宿るのを感じていた。
（……これはきっと先生が私にくれた『力』！）
　チユチユは、そう直感し、パワーアップした胸部をサン・魔・サンに向けた。
「……これで終わりです！　サン・魔・サンさん！」
　今回は、ちゃんとキレないようにさんをつけることも忘れない！
「ふははは、わかってるじゃねーか、お嬢ちゃん……て、何じゃこりゃあああああああああああああああああ！？」
　次の瞬間、チユチユのおっぱいから放たれた『おっぱいサンブラスター』により、暗黒邪神の子はこんがりと焼けたサンマになった。
「……凄い。これが私の本当の力……」
　これが、もしかすると、愛の力というやつだろうか？
　そんなことを思いながら、チユチユはひとまずティーチャーとアイドル、そして観客たちの危難が去ったことに、ほっと胸をなでおろすのであった。