シナリオ「レディ・ロゼッタの未来観測」

レディ・ロゼッタの未来観測

　迷っている人に不思議な手紙が届く、という話が聞こえるようになったのは最近だった。手紙に招かれた場所へ行くと、シーサイドタウンの街並とは不釣合いな色とりどりの花畑があり、そこに小さな小屋が立っているのだという。

　あなたの元にも、その手紙が届いたのはどのような理由であったのか。ふとした拍子に覚えのない薄紫色の封筒がはらりと落ちる。表面には薔薇の紋章、裏は古風に赤いロウで閉じられている。ロウの上には剣のマークがつけられていた。不思議に思いながら封を切る。中には封筒と同じ色の便箋が2枚。上の1枚には流麗な黒い文字でこう記されていた。

あなたの次の一歩はどの道につながるのでしょう？
選択の力をいっそう確かなものにするために、
魔女ロゼッタがお手伝いします

2枚目の便箋には『レディ・ロゼッタの未来観測』の場所を示す小さな地図。

――こんなところに占い屋なんてあったっけ？
行ってみようか、どうしようか……

地図の下には小さな文字が。危なく見落としてしまうところだった。

お代はお気持ちで結構です。お金でなくてもよいのです。
あなたの気持ちを表してくださるなにか、をおひとつお持ちください。

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

清水るね

マスターコメント

【シナリオ概要】

　皆さんのところに、いつの間にか届けられた不思議な誘い。本シナリオに参加する方は、占い屋『レディ・ロゼッタの未来観測』を何らかの目的を持って訪れることになります。占いを希望される方をメインターゲットとして考えていますが、それ以外のアクションももちろん可能です。今回はあまりに過激な（暴力的、破壊的）アクションは採用されないことがありますので、ご注意ください。

ロゼッタの店はシーサイドタウンの『どこか』にあり、招待状の届けられた方だけがたどり着くことができる、という話なのですが、どうやら神魂の影響を感じたことがある人にはばっちり見えるようです。なぜかロゼッタのお店は、あなたが気が向いた時、そこに向かえば開いています。

【場所】

シーサイドタウンの『どこか』にあるロゼッタのお店とその周辺です。色とりどりの花が咲き乱れる花畑と童話のような小屋の取り合わせは、まるで絵本の一シーンのようです。

【ロゼッタについて】

　レディ・ロゼッタ、あるいは魔女ロゼッタと名乗る女性である以外はわかっていません。招待状を持っていない人に聞いてみても、知らないという答えが返ってくるだけです。

【未来観測（占い）について】

　ロゼッタの占いは、タロットカードを用いて実際に行ったものをそのままリアクションに反映します。用いるのは『The Next Step』と呼ばれる、カード二枚から読み取る非常にシンプルなスプレッド（占い方）です。これは、『ある選択（行動）をした場合どうなるだろうか？』を問い、一枚のカードはその選択をした場合の結果、もう一枚は選択をしなかった場合の結果の暗示がカードとなって現れるとされる占い方です。占いにはシンボリックな絵柄の描かれた大アルカナ22枚とトランプによく似た小アルカナ56枚の、計78枚を使用します。

　読み取るのはあくまで『キャラクター』に関わる暗示です。彼または彼女の未来はプレイヤーの皆さんのアクション次第でどんどん変わっていくもの。当たるも八卦、当たらぬも八卦（タロットなのに八卦とはこれいかに、ですが）の気持ちで気軽に体験してみてください。暗示を知った後、どうするかを選ぶのはあくまで本人です。この暗示が他のシナリオに影響を与えることは、基本的にはありません。

【明記していただきたいこと】

・いつ、何を目的としてロゼッタの場所を訪れるか？
・占いをするか、しないか？
・占いをする方は、何を占ってもらいたいか
・お代を払う？払わない？
・払わない人は気持ちを表す「なにか」をどうする？
・占いをしない方はどんな行動をメインとするか

ロゼッタがどんな人物なのかは、出会ってのお楽しみ。
ご参加お待ちしております！

サンプルアクション（1）

プレイヤーの目的・意図: 占いなんて信じないと言いながら、興味を隠し切れずに行ってしまって、結局本音を丸出しにしてしまう話を。
キャラクターの目的・理由: 占い？　くだらない！　で、でも誰にもばれずに済むなら、占ってほしいことがあるんだけど……
キャラクターの行動・手段: 「バリバリの理論派で通っている自分に占いのお誘い？　くっだらない！　どうせ実態はセールスかなんかで、絵とか壷とか売りつけるつもりなんでしょ……」
「で、でもちょっとは気になるかな……」（なぜか顔を赤らめる）
誰もいない隙を見て、占い屋にコソコソ入るわ。同級生の姿が見えたら回れ右して隠れちゃうのを何度か繰り返す。

「あっ、あのっ！　私は占いなんて全然信じてないけど、でもせっかくだから来てみただけなのよ！」

「なにか」はねぇ……実は今月、お小遣いピンチなのよね。だから故郷の歌を、感謝の気持ちを表す「なにか」としてロゼッタさんに捧げるわ。懐かしくて、あったかくて、寂しくて……帰りたい。でも帰らない、今はこの島が私の場所だから。そんな気持ちを込めて歌うわ。
「ど、どうだったかしら。先に歌ったんだから占ってもらわなきゃこまるんですけど」（もじもじ）
「あの、その……私、本当は歌手になりたいの！　歌の道を進んだ先にある未来を、見せてください！」
「ほんとは占いを信じたいんです！」この辺からですます口調になったりして。狭い占い屋の中では、普段の虚勢を脱ぎ捨てた様子で頼みこみます。

サンプルアクション（2）

サンプルアクション（3）

プレイヤーの目的・意図: フツウの中に現れたフシギにはいつも惹かれる。新たなフシギであるロゼッタの人となりや目的を知りたい。
キャラクターの目的・理由: 突然占いに魔女だって？　果たして本当なんだろうか。
まさか彼女ももれいびなのか。確かめたいな。
キャラクターの行動・手段: 占いにも興味がないわけじゃない。招待された占い目当ての客として店に行く。占ってもらっている間に、ロゼッタの表情や手さばき、店の内部などをよく観察して、何かおかしな点はないか調べる。
「占いなんて、どうも胡散臭いな。本当に占い師かどうか、怪しいもんだ。ふむ」（癖で眼鏡のつるに指を押し当てながら）
例えば、彼女の目をずっと見ていると朦朧としてくるとか、水晶玉（あれば？）は水晶じゃなくてどうもただのライトっぽい、とか。

占うのは自分の将来について。縁あってこの寝子島にやっては来たが、このままの暮らしを続けて行っていいのだろうか。
「漠然としすぎている質問だが、時々、これでいいのかと思うことがあるんだ。自分のことは自分で決めるつもりだが、予想できない占いというものからアドバイスを得るのも悪くない」

「気に障ったら申し訳ないが……あなたは本当に『ただの』占い師なのか？　その力……」
多分彼女はもれいびだ。占いが終わってからそれとなく聞いてみる。追求したいんじゃなくて、ただ興味があるんだって言うことを伝える。もしそうなら俺たちはある意味仲間なわけで。
気持ちは家で栽培している花を持っていく。

サンプルアクション（4）