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ゼリンといっしょ
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青い空に綿飴のような雲が浮かび、緩やかに流されていく。凪の海は空を映す鏡のように穏やかであった。
城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
は寝子ヶ浜海岸の砂浜を仲睦まじく歩いていた。声で求めることはなく、両者は気持ちを重ね合せるように指を絡め、手を繋いだ。
水樹は目を細めて海を眺める。薄桃色のブラウスはゆったりとして海風を通す。白いパンツの裾が軽く巻かれ、サンダルの先は静かに打ち寄せる波に濡れた。蹴るような仕草で朗らかに笑った。
ヒューは黒い長袖シャツを羽織っていた。開いた胸元から青いTシャツが覗いている。茶色いスラックスにカジュアルな靴で寄り添って歩く。水樹の反応を優しげな眼差しで見て、密かに幸せを噛み締めているようだった。
ヒューは歩く先を眺めた。陽光を受けた砂浜は白く見える。
「あれは……何だろう」
「ヒュー、どうかした?」
波と戯れていた水樹が長い髪を掻き上げながら聞いてきた。ヒューは遠方を見るような目で指差した。
「あの先に青い物があって、最初はシーグラスと思ったのだが……微妙に動いているように見えないか?」
「ああ、あれね。どうかな。もう少し近づかないと、わからないかな」
二人の足が自然と速くなる。等しく困惑の表情となり、水樹はヒューの背後に回った。
「あれってファンタジーで定番のスライム……なわけないよね? ラムネの瓶のシーグラスかと思ったら、ぷるんっとした……よくわからないわ」
「水樹はここにいて。僕が見てくる」
歩き出そうとすると腕を掴まれた。水樹が心配そうな顔で聞いてきた。
「危なくない?」
「危険だと思えばすぐに離れる。大丈夫だ」
相手の不安を取り除くような笑みを返し、ヒューは物体へと近づいていく。
丸い水色の物体は波打ち際にいた。円らな目を海へと向けている。口のような切れ目があり、口角を少し上げた。
「笑ったのか? 君は何者なんだ。言葉は理解」
言葉が途絶えた。耳を澄ますような表情で立ち止まる。
不審に思った水樹が声を掛ける。
「ヒュー、本当に大丈夫?」
「……ああ、ごめん。急に声が聞こえたから」
「私には何も聞こえなかったわよ」
髪に隠れていた両方の耳を出して聴覚に意識を集中させる。
「……波の音しかしないわ」
「頭の中に響くような声だった。話によると、この水色の丸い物体は天界のペットで、ゼリンという名前らしい」
「まあ、この島にはいろんな物が降ってくるから、そんなこともたまにはあるのかもね」
「一日、遊んで欲しいって話なのだが、どうしようか」
ヒューは水樹に話を振った。
「デートの最中だけど、少し気になるよね」
「そうか。事情を知った手前、放置するのも気が引けるし、遊んでみるか」
ヒューはゼリンに目を向けて笑顔を作る。
「ということでゼリンと遊ぶことになった。今日はよろしく」
声を掛けられたことを理解しているのか。目だけを動かした。ヒューの姿を一瞥して再び海と向き合う。
ヒューは苦笑いを浮かべた。
「身体の色と性格が一致しているのかな。クールというのか」
「今度は私が試してみるわ」
水樹はヒューの前に出た。前屈みとなってゼリンに優しい声音で話し掛ける。
「ゼリン君、一緒に遊ぼう。海を眺めているよりも、きっと楽しいと思うわ」
ゼリンは声に反応した。ヒューの時のように横目をやる。
瞬間、水色の全身をプルンと震わせた。片方の口角を上げてゆっくりと近づいてきた。
「言葉がわかるみたい! 男の子が背伸びしている感じが、ちょっとかわいいかも!」
側にきたゼリンの頭を撫でる。驚きで目が丸くなる。
「濡れてないのにしっとりして、凄いツルツル!」
「どんな感じなんだ」
ヒューは頭部と思われるところに触れた。
「本当に滑らかだ。弾力もあるね」
「そうよね。本当にそう。もう少し感触を味わいたいかも」
水樹はしゃがんだ。両方の手でゼリンを持ち上げ、胸に抱いた。
「この表現できない柔らかさと弾力。癖になりそう」
腕に強弱を入れて抱き締める。ゼリンはやや蕩けたような姿となった。目の動きがちぐはぐで口が中途半端に開いた。
目にしたヒューは納得したような表情で言った。
「確かに水樹が言うように男の子っぽい反応だ」
「あー、堪能したわ。なんかじっとしていたら急に動きたくなったわ」
ゼリンを下ろすと水樹は立ち上がった。即座に笑顔で走り出す。
「こっちこっちー!」
大きな弧を描きながらゼリンに手を振る。
ヒューは笑って言った。
「そんなに速いとゼリンが付いて、いけるのか!」
青い空に吸い込まれるような勢いで跳んだ。着地すると透かさず次の跳躍に繋げる。水樹との距離を一気に縮めた。
「えー、速いよ」
笑って逃げる相手にゼリンは飛び掛かる。肩口に当たって跳ね返り、見事な着地を決めた。
「今度はヒューの番だね。しっかり逃げないと追い付かれるよ」
「急に言われても」
声を無視してゼリンが突っ込んできた。ヒューは慌てて逃げ始める。
全速力で砂浜を走った。息が荒くなってきた。頃合いと後ろを窺う。
「え、追い付いて来ない!?」
ゼリンは親指の先程の大きさになっていた。側には水樹がいて散歩を楽しんでいるような状態であった。
正直な態度にヒューは笑った。
「それなら今度は僕が追い掛ける番だ!」
ゼリンに向かって駆け出した。水樹は子供のようにはしゃいだ。
「こっちに来るわ! ゼリン君、急いで逃げないと!」
その言葉を受けて跳躍を開始した。ヒューは本気になって後を追う。
距離が詰められそうになると左右に跳んだ。狙いを絞らせない戦法を駆使した。
「実に頭脳的だ」
ヒューは直線の動きに終始した。無駄な距離がなく、最短の道をいく。
「これで決まりだ!」
手を伸ばした瞬間、ゼリンは直角に跳んだ。海へと方向を変える。
「その先はないぞ!」
波打ち際まで追い詰めたヒューは姿勢を低くした。両手を広げて左右の逃げ道も塞ぐ。
瞬間、ゼリンが消えた。戸惑いの表情となり、左右に視線を飛ばす。
「ヒュー、ゼリン君は上よ!」
「上か!」
見上げた時には遅かった。背後に着地したゼリンはヒューの背中に体当たりを食らわした。前に押されて踏み出した足が波に呑まれた。
「やられたよ」
ヒューが振り返ると、ゼリンは喜びを表現するかのように小さく飛び跳ねていた。
「元気な男の子だ」
柔らかい笑みで歩いていった。
二人はゼリンと一緒に砂浜で過ごした。途中、ヒューが抜けた。飲み物を胸に抱えて戻ってきた。
赤く蕩けたような太陽が水平線の彼方に沈んでいく。空には幾つかの星が見えていた。
二人は揃って空を見上げていた。
水樹が明るい声を出した。
「あっという間だったね。ゼリン君、ちゃんと天界に帰れたかな」
「帰れたと思う。最後のあれは、別れの挨拶に聞こえたよ」
急速に辺りが暗くなる。
水樹はヒューと腕を組んだ。とても優しい声で囁くように口にした。
「……もし、私とあなたとの間に子供ができたら、あんな感じになるのかな?」
「男の子なら、そうかもしれない。女の子だと少しお転婆が過ぎるかも」
ヒューは笑って答えた。水樹は微笑み、そうね、と一言で返した。
静かな波音が聞こえる。
その中、二人の影は重なった。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
動物・自然
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年05月02日
参加申し込みの期限
2018年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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