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<宝石人形>柘榴石ガネット
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【愛の一端】
噂のアパートに到着した
桜庭 円
と
八神 修
、そして気後れが目に見える館の執事が、質素なチャイムを鳴らすと、すぐにドアが開かれた。
真っ先に目に入ったのは、何故かメイド服に身を包んでいるが、それ以外はSNSの情報通りの髪色髪型をした女性の姿。
広くはない部屋の奥には、ドア前の二人が知っている
御剣 刀
に
常闇 月
、そして話こそはしないが顔は知る
大天使 天吏
の姿が見えた。
「きみが、もしかしてガネット……? なんで、メイド服着てるの?」
「ええ、月さんに『人に奉仕をするのであればそれにふさわしい恰好があります』と用意して下さったの。今は少し早いけれども、ダーリンに夕食の準備をしていましてよ」
円の言葉に、ガネットが誇らしく説明をする。
「ガネットちゃん、知らない人と話はしない方がいいと言っただろうよ? そこの月ちゃんが言った通りなら、いつ変なのが来るか分からないんだから」
恐らくケンであろうその言葉に、ガネットは一言謝罪を述べてドアを閉めようとした。
「あ、待って待って。
ケンさん、ボクはガネットさんの身内の者達です。
彼女の制作者が、ここにいる執事さんの雇い主さんなんですよ」
「驚いた……まさか、本当に人形が動いているとは……」
「え──執事、さん?」
楽しそうだったガネットの顔が凍り付く。そして、動く人形の実際を目にした執事の顔を見ると、弾けるように扉を離れ部屋の中へと飛び込んだ。
「ガネットどうしたんだい。
まあ、知り合いならそこの三人もお入りよ。ボロアパートだけれども、人が座るくらいのスペースはあるからなぁ」
「──確かに、周囲は噂で大変なことになっています。
ですが、貴方達を裂くつもりはありません。
よろしければ、お二人の出会いを話してもらえませんか」
今までの状況を明確にする為、修がそう促せば、ケンは「そうさねぇ……」と思い出しながら話を始めた。
──聞き始めたそれは、世界の終わり規模で面白可笑しく騒いでいる周囲の噂とは、全く風合いの違うものだった。
話によると、ケンは日々の生活費も尽き掛け、孤独死もやむなしと思い、最後に『寝子島神社への参拝を』日課にと決めた。
神社に通い始めてしばらく、そこへ突然、ガネットが現れたのだという。
そのまま、ガネットはそのままこのアパートへ押し掛けるようになったのだと。
ガネットは生活には困らない程度のお金を所持しており、それで食事を作ってくれて以来、ケンはそれを『寝子島神社のお陰』と思い、ずっと世話になり続けていた事。
孤独の最中、ケンはそれを奇跡と思った。
このような奇跡があるならば、相手が人形でも全く構わなかった、と──
「つまり、その『愛』は、自分の劣化した命を繋ぐための方便だったと」
天吏が、全てに納得した様子でそれを断じた。
ショックを受けた様子でガネットが瞳を大きく見開かれる。
しかし──ケンは困ったように天吏の言葉に同意し、そして否定した。
「最初は、確かにそうだったかもしれないけどよ……話しして、一緒に過ごす内に、なんつーかなぁ。少しずつ変わっていったんだよ」
「変わったとは──」
「ん~……」
「──あ、ああ! 次はガネットちゃんの方、聞きたいな! ガネットちゃん、執事さんに説明できるよね?」
円は『ケンの言葉が期待出来ない』と顔に書いてあるガネットの表情を押し留めるように、今度は彼女への言葉を促した。
同時に、この場で怪異に慣れていないのは、ケンを除外すれば円が連れてきた執事だけだ。
彼は、今回の件の社会的責任者でもある。ガネットの姿を見てから絶句に近しい沈黙をしているが、放置して話を進めれば発狂されてもおかしくない。
「執事さんには、月さんから聞いて……。申し訳ないとは、思っていますわ。
でも、ケンさんは『動けるようになって初めて目にしたひと』なのに、よれよれで、衰えていて、痩せこけていて……!
せっかく動けて初めて目にしたひとなのに『また』消えてしまうんじゃないかって!」
今度はケンが驚きを露わにした。それもそうだ。天女のように、追い詰められた現実を回避してくれるかのように現れた存在が、今見たこともないほどに、必死に訴え掛けているのだから。
「彼女は……ガネットは、一人だったんです。前の持ち主とは、離ればなれとなって……」
その様子を察した修が、館で知ったガネットの身の上をケンに伝えた。
ガネットの元の持ち主は、負債により彼女を手放した。それからガネットはずっと元の館に戻り一人であったのだと。
ケンはますます想像だにすらしなかった様子でガネットを見つめていた。その目には、相手が『ただの自分の辛苦を、無条件に払う存在』だけではない、確かな情の色が浮かんでいた。
「ガネット……」
そして、切に訴える、無機物であるはずの目の前の存在に、執事はようやくそれを認識の内に収めるようにその名前を呟く。
「こ、今回は、私が動けますもの……! 人間にはお金が必要なのでしょう? お金があれば『今回のひと』は……ダーリンとは一緒にいられるのでしょう!?
私には要らない物でも、このひとに必要な物でしたら、私何でも用意できる!
『二人』であっても、私には不要だから、私が頑張ればこのひとにいくらでも渡せる!
皆、私を迎えに来たのでしょう!?
ですが、やはり私は帰りたくない! 私はダーリンを愛していますの! このひとと共に居たくてよ!!」
ガネットの鬼気迫る言葉が雪崩のように迫り来る。周囲は差し迫るそれに思わず息を呑んだ。
一人、天吏がその言葉に疑問を問い掛ける。
「あなたは、どうしてそこまでするの?
この関係は、あなたに利益はない。非生産的で利益どころか、搾取されるだけ搾取される。不毛の極みで『愛』以前にあまりに愚か。それはどうしようもないほどに滑稽だわ。
そこにどれだけの意味があるというの?」
瞬間──ガネットの片手が畳を強く叩き打き、そこまで告げた天吏の眼前を手指が払った。
「それでも、私はこの感情を知っていてよ! これは、まごうことなき『愛』だと!!
確かに、この想いに利益なんてない、生産性なんてあるはずもない! そんなこと分かっていてよ!
でも、でも愛には『想いがある』ではなくて!?
この想いは『動けなくなった後の最後に残る想い出』に変わる! そこに、愛は確かにありますわ!
私はたとえ砕けようとも、この愛を完遂して見せてよ! 私には、ダーリンしか……『それ』しかないのだから!!」
──露わになった、ガネットの感情の発露。
それは場の存在に声の高鳴り以上に、生き様が根無し草に等しいケンにとっての『その感情』は、轟雷を体で受け止めさせるに近しいものだと即座に悟らせた。
人形という怪異にこんな感情が向けられていると知れば、ケンに限らず一般人が這々の体で逃げ出したとしても、一体誰がそれを責められよう。
「ケンさん」
即座に、修が呆然としているケンに声を掛けた。受け止めようによっては恐ろしさすら含む彼女の感情にフォローを入れる。
「彼女に、人としての世界と幸せをあげてほしい。
あなたにしか出来ない──彼女の成長に、力を貸してほしい」
その言葉に、完全に腰の抜けていた様子のケンが我を取り戻した。
頭を振り……そして、何度か頷いた。
「は、は……そりゃ、そうだ。
驚いちまったが……そりゃ、ガネットちゃんは、もう終わりのおれに望んだものをなんでもくれたんだ、これくらいの思いは覚悟しなくちゃなぁ。
おれも……理由なんて、ガネットちゃんと似たようなもんだからよぉ。
……おれが、しっかりしてないとなぁ」
告げられる──自分に言い聞かすように。
促されながらも出した、優柔不断な一人の老い先短い老人が、決意をした覚悟の言葉。
無事に受け入れられた。拒絶されることはなかった──苛烈を極めたガネットの想いが、何事もなくケンに受け止められたというその安堵に、場の殆どの存在が思わず大きく息をついた──
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担当ゲームマスター
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月03日
参加申し込みの期限
2018年04月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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