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<宝石人形>柘榴石ガネット
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【少しでも、少しでも目を逸らして】
「こ、これで……!」
家を飛び出した
恵御納 夏朝
は、その時と同じ勢いで戻ってきた。
手には大小を問わない大量のビニール袋。中には百貨店にまで足を伸ばして手に入れた、仮装用の人形風仮面と、球体関節ストッキング。そしてフリル付きのドレスワンピースと、それに色調と意匠を合わせた帽子と靴。
夏朝は急ぎそれらに着替えると、ストッキングでは補えない、半袖の服から見える関節部分をじっと見つめて思案する。
「このままじゃそれっぽく見えないかな……
でも、もう手段は選んでられない!」
覚悟を決めたように、夏朝は意を決して地肌にそのまま、球体関節を模した形状へと油性ペンを滑らせた。
青山 絢
が、クローゼットを探すことしばし。
出てきたのは、SNSで流れていた動画や画像にあった人形が着ていたものと形状の似た、肩のよく見えるオフショルダーのニット服。
それに急いで着替えながら、着替えると同時に今度は家中から目当ての物を家捜し状態で漁り始める。
そうして出てきたのは、過去にSFを舞台にした衣装で使用していた、プラスチック製の肩パッド。
「透明じゃ駄目かしら……いえ、この際」
──構ってはいられない。そう絢は心に決めると、それらを切り貼りし、関節に合わせ黒い油性ペンで線を引いた。
そして、あまり大きくはないがイミテーションの宝石を見つけ、それを目立つ胸の中央に貼り付ける。
「後は──」
今度は舞台で使用するメイクアップ道具。ドーランを取り出し、人肌の色とは若干遠い陶器をイメージさせる色を作り、がっつりと肌に塗り込んで人形らしさを出す事だけに集中する。
それからしばらく、
「これで……!」
「これで──!」
完成──そう叫ぶ間もなく。
二人は全く別々の場所から、自分達がそれぞれの可能な限り近づけた『宝石人形』の姿をして、今回の人形目撃場所付近へと、急ぎ家を後にした。
それから、しばしの間を経て。
絢は今、宝石人形の目撃情報の多かった参道商店街の入り口へと立っていた。
「(私は『宝石人形』……橄欖石ペリドットなの……)」
人の目を浴びながら、そう自分に言い聞かせた。
そして、入り口から商店街を歩き始める。
自分がもう一体の宝石人形である、と念じて、その役柄を演じきる──演じきる事で──
「うわ! あれじゃね!? 噂の歩く人形!」
若い少年達が集まってきて、不躾なまでにじろじろと絢を見る。
「……違くね? なーんだこれ人じゃん」
「………………」
「あの噂も、これなんじゃね? もう、すっかり騙されちまったし」
触れてこそ来ないが、相手が人にしては心ない言葉を吐いて立ち去っていく少年達。
「……」
──当然、釈然としないものはある。
絢は現役で演劇に身を置く立場だ。隔たりのない空間で、無機物を演じても近くでは絶対に人である事が分かる。絢が自分の意志で生体活動を止められない以上、こればかりは演技力の勝負を超えている。
それでも。
「(私は『宝石人形』──生きているかのように、動く人形……)」
それは、可能な限り人目を引き付け、一瞬であっても人形だと思わせなければならない。
そう立ち振る舞うことで、少しでも今実際に動いている宝石人形から、人々の目を逸らし。
他の人々がその事変を解決するまでの時間を稼ぎ出す為に。
「目撃情報は、ここの公園──」
夏朝が向かったのは、SNSで動画が流れていた公園だった。
幸いにして。投稿時間と同時刻、そこには動画に映って実際に遭遇したであろう老人達が集まっていた。
「……」
夏朝は躊躇った。これから自分の行う行動は極めて水際であり、もはや大々的な詐欺の領域にも近い。
だが、夏朝には確信があった。これをやらなければ、この『フツウ』は壊れてしまう。
今ですら『人形が毎日動き回っている』という怪異は、あの老人達のフツウを浸蝕しているのだから。
「やるしか、ない──」
──ほんの少し、ぎこちなく。人形らしく夏朝は歩き始めた。
そうして、老人達の側を通り……
「あ、おい! また、人形が……!」
夏朝にその場の全員の視線を集まり……そして、正体が認識される前にわざと転ぶ。
音を立てて、人形の仮面が落ちた。
それは見事に、視線を一点に集中させていた『人形』という認識から、一気に『人間』である事を理解させることへと成功させた。
「──あの人レベルの『仮装』なんて無──
あ、ごめんなさい、これは……」
先程の反応から、老人達は確かに動く人形を知っていた。
夏朝は語り始める。
SNSの企画で『人形等の仮装をして皆を手伝う・楽しませる催し』を計画していた最中。
まず少人数で個々に試す事になっていたのだが、その告知をする前に仮装で動き始めてしまった人が現れたこと。
「あれは……」
そして、公園の横を横切った絢が、場に不釣り合いなゴシックドレス姿の夏朝を見つけ、もしやと思い人形の演技をしたままに、そっと近づく。
「あ──!
そ、そう! 彼女も、今回の催しの仲間で!!」
絢と夏朝は宝石人形の制作者の屋敷で顔を合わせた事がある。その姿を見れば、今回の件で似た見識を持ったことを理解し合った二人は、演劇の練習項目の一端にもある『即興劇』の要素で即座に互いの話をすり合わせた。
絢は、人形として『橄欖石ペリドット』だと名乗り、言葉少なに夏朝の側に立つ。
「皆さんが見たあの人は、計画を知って乗った海外の人。
質感や音まで拘った凄腕の仮装と演技を見せてくれたけど……
彼女と同じで『一度没頭すると、数日はその役だと思い込む』欠点があって」
夏朝がそう言って絢を示せば、一気に老人達への説得力を増した。
「彼女、そのまま人を好きになっちゃったみたいで。
一度惚れると一途だし、迂闊に止めるとすごく怒る。でも、力尽くで止めて仮装を傷付けたら、後々弁償させられるかもって、彼女の友人から後で聞いて……」
「人を楽しませるのにそこまでとは、お嬢ちゃん達も大変なんだなぁ」
老人の一人が安心したようにのどかな様子で口にした。その言葉に、夏朝は少しだけ落ち着いた様子で言葉を続けた。
「それで、勝手な話で申し訳ないんですけど、説得や彼女の方向修正はするから、数日の間だけそっとしてあげてほしいんです。
どうしても、の場合……何とかしてみますから」
十分後。
また人形を見掛けた場合など、何かあったら連絡をしてほしいと、夏朝はその場の老人達に自分のスマホの電話番号を大きめの数字でメモして渡して。絢と共に、公園内の遠く離れた物陰で、お互いの認識のすりあわせを行った。
「では、私はこのまま、人形役を続けた方が都合が良さそうね」
「うん、僕も一緒に行こうかな。一人より説得力があるかも知れないし」
そして、夏朝はスマホを取り出し、今まで老人達に話した内容を『事実である』ようにと、SNSでネットに上げて、関係者にその意図を伝達して顔を上げた。
今、自分達に出来ることは、噂を誤認させて消失させることである。他に噂を消す為に、目を眩ませる為に、ここまでやる人物がそうそういるとは考えられない。
噂の火を無理やりにでも消すことは、自分達しか出来ない──
その共有した認識と共に、二人は改めて、人形の目撃情報のあった場所へと歩き始めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月03日
参加申し込みの期限
2018年04月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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