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<宝石人形>柘榴石ガネット
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【ここに確かにいた存在】
それからしばらく。館前には、SNSの噂を元に、既に過去『宝石人形』と呼ばれた、神魂の影響で動いた複数の人形について知る者が直接ここへと集まっていた。
玄関前に集まっていたのは
八神 修
、
桜庭 円
、
御剣 刀
、
常闇 月
、
夜海霧 楓
の五人。
そして同時に、
夏神 零
も噂にある九夜山の参道までSNS情報を追ったが、それ以上が掴めず頭を悩ませていたところで、他の顔見知りでもあるメンバーに拾われ、一緒にここまで辿り着き計六人となった。
「お、お帰り下さい……! 何のことか、全く存じ上げない事柄です。お帰り頂けないのでしたら、警察を呼びます──!」
しかし、すげないを通り越し即警察を呼ぶという館側の対応に、その場の全員に動揺が走った。
思えば、使用人の出迎えにあった人物もいたが、実際の館内では殆どが館の主以外の姿を見た覚えがない。
「待って下さい! 俺はルヴィアを預かって──」
「御剣様、誠に申し訳ありませんが、ただ今ご主人様は留守をしております。どうか……どうか今日はお引き取り下さい」
今までずっと、宝石人形のシリーズであったルヴィアの調子を見せるために屋敷に通い詰め、使用人達の顔を唯一覚えている刀までもが、門前払いの様相を見せ始める。
確かに人形が動いた事があるとは、今まで一度も、使用人の口から耳にしたことがないのを刀は思い出す。
それが──館の主である制作者が、混乱を避ける為に取った『原因不明で動く人形』に対して行った、人払いを含め徹底した情報統制の結果だと一同はすぐに気が付いた。
『動く人形』の事を知らない向こうは、こちらの事を全く知らない。
しかも、向こうはこの件に関して余程神経を尖らせている。怪しまれるのは当然の状況だった。
「いえ、待って下さい。
──今回の噂の動く人形は、ルヴィアと同じ『宝石人形』のシリーズですよね。
俺達は、過去同様の事件で、他の宝石人形とこちらの主『トキサダ』さんとお会いしたことがあります。今回の動く人形の件、力になりたいのですが」
修の言葉に、インターフォン越しで僅かにざわめきが聞こえたような気がした。
「……少々お待ちください……」
インターフォンが途切れ、しばらく後に疲労困憊の雰囲気が漂う執事服の老人が、館からこちらへ向かい歩いてきた。
そして格子状の外扉越しに、こちらへいくつかの質問を投げ掛けてくる。
修が執事の問い掛けに答える。主に、知っている宝石人形のシリーズの名前。外見を知りうる範囲でつぶさに伝える。
最後に、修の知らないフローティアの名前を円が事の顛末まで話を重ねると、老執事は安堵とも、これから面倒ごとを抱えることへの不安の両方を重ねて、一つため息をついた。
「──ご主人様は、あまり人に名乗られる事のない方。この場におきましては信用の程をさせていただきます。
しかし、ただ今ご主人様は留守をしております。
──このご来訪はくれぐれもご内密にしていただけないでしょうか。そうでなければお話する事はございません」
そうして、どこを取っても感じが悪い中、門の鍵は開けられた。
だがそれだけに、ここでは今噂で収まらない、日常では収拾の付かない出来事が起きているのだと、その場の全員が改めて認識するには十分だった。
「お宅の人形がまた動き出してるのが噂になってるぞ」
大きな客間に通される。皆が椅子に座り、心なし落ち着かない様子の使用人によって出された紅茶の湯気が熱い間に、沈黙をざっくりと切り裂いたのは楓の一言だった。
「『また』……?」
「やっぱり……!」
使用人達がざわめく。使用人を纏める執事だけが、精神がすり減り驚くことにすら疲れたとばかりに、その気配に疲労を濃くした。
「──と、此処が話題に上がる前に言っておこうと思ったが、制作者当人は今館を開けてるんじゃな。
釘を刺すだけ刺して顛末だけ聞こうと思ってたんだが、対処のしようも出来ないのを放っておいたら刺す意味もねえな」
使用人達一同の、特に老執事の顔を見て楓は軽く言葉を投げて、現状について思案を広げた。
「優れた人形には魂が宿ると言われています。不思議ではありません」
「私の……義姉も人形師ですが、人形に魂が宿ることは、おかしな事ではないと判断します」
その傍らで、修と月がざわめく使用人達を宥めていた。反応は様々だが、伝わって来るのは『よりにもよって制作者がいないときに、このような珍事件が起きた』という不安だった。
その中で、とつとつとながら屋敷に制作者は不在という話をしていた老執事に楓が告げる。
「とりあえず、黙ってようが後でばれる事件なんで、トキサダのじいさんに連絡は必要だと思うぜ」
「ですが、それでは……! ご主人様は責任感のお強い方でございます。今回の商談はそれはとても大切なもの。今後の未来に関わる事柄なのです。
しかし、今のこの現状を伝えれば、それすら放り出して戻ってこられるに違いありません!」
「説得を、するしかないと思う」
刀が、二の腕についていたルビーは砕けたまま、過去『宝石人形』として神魂が宝石に宿り動き出した過去のあるルヴィアを片手に懐いて、覚悟を決めた様子で口にした。
「皆の言うとおり、人形は動きます。そして心もある……だから、ルヴィアは俺の所にいるんです。本当なら、俺とは到底無縁の所にあった『宝石人形』が。
まだお伝えしていないなら、俺が連絡取らせてもらいます」
「──それなら俺が話を通す必要はなさそうだな。率先して取るやつがいるなら、それに越した事はねえ」
この場にいる楓以外の殆どが、事件に介入し何とかしようとする意志に満ちていた。楓とは何度も顔を合わせている存在もいる。その中で、理由もなく我を張る必要もない。
執事の携帯電話から、制作者の電話番号を出してもらい、そちらへ掛ける。
電話はすぐに繋がり、スピーカーにしてある携帯から制作者の声ははっきりと聞こえた。
刀が名乗り、主立って話す。周囲からは使用人から聞いた内容を『これも!』『あれも!』と言う声となり、それらを刀は零さぬよう、重ねるように制作者へと伝えていった。
『では、私は直ぐにそちらへ戻り──!』
予想通りの言葉を、刀は僅かに気を込めて制止する。
「待ってください。
俺は、人形が原因で貴方が被害を被るのは見過ごせない。
貴方の人形達はいつも自分の気持ちにまっすぐで……俺はその気持ちの手助けをしたい。
我儘ですけど今回の件は俺達に任せて貰えませんか?」
『ですが、それでは一般の方に多大なご迷惑を掛けてしまうことに──』
あくまで自分の責として、大切なその場を放り出してでも戻ろうとする制作者に堪えかねて、楓が会話に集中しきっていた刀から、携帯を受け取り代わった。
「電話を代わらせてもらった。
人形の件に関しては、もう噂を聞いて動き出している奴らがいるはずだ。現に、館に来た中で事態を解決しようとしている奴らもいるし、そこと連絡を取ろうって奴らもいるだろう。
結構な数が動いているから、どうにか算段が付きそうだと思っている。後は、こっちに任せておいてくれ。結果は必ず伝える」
──楓は、この件に深く行動を起こすつもりは端からない。ただ結末を見届ける。それが今回における楓のポリシーだ。だが、それで一人の人間の人生が棒に振られるのは目に余る。そして口にした内容にも嘘偽りはない。
それから──長い沈黙ののち。
苦渋に満ちた声で『どうか、宜しくお願いします』という言葉が携帯のスピーカーから聞こえてきた。
携帯の通話が終了する音。
各々が、何を一番に判断し、行動すべきかを思案する。
制作者は、その人形をガネットと呼んでいたのを誰ともなく思い出す。
「先生は人形の特徴を聞いて、ガネットと呼んでいました。それは間違いないですか」
修の質問に、執事は頷いた。
『ガネットとは、現在この屋敷にある宝石人形の、二体の内の一体である』と。
だが、ガネットに関しては、人形が動く訳がないと思いながらも、きちんと一度この館にある事を確認したのだ、と。
「それは──、一回しか確認していない、ということですね?」
しかし、月の鋭い指摘に、執事は今にも消えたいと言わんばかりに肩身狭そうに俯いた。
「館侵入──いえ、もとい。こちらへお邪魔した際に、監視カメラを何台か発見しました。
もし、その動画があれば事態収拾の役に立つと思うのですが」
「監視カメラに写っているなら、確認した後に、どの人形が動いているか照らし合わせて確認すれば早いじゃねえか」
月の発案に、楓が同意を示した。
それにずっと考えていた円がだめ押しで言葉を乗せる。
「監視カメラ、映像ある?
んで、減ってる人形を確認してみればいいんじゃ」
「……。こちらに……」
執事が出来るだけ関わりたくなかった扉を開くように、監視カメラのデータが入ったノートパソコンを持ってきた。
映し出されるのは、人形が全てある事を確認した、真夜中十二時から始まるデータ。しばらく数十倍速で回してみるが、夜が白む時間帯までは何も映っている様子はない。
それから更に数時間──皆が退屈し始めた頃。ふと、裏庭のドアが僅かに開いて、そこから数秒の間だけ『SNSで広まっている人形の外見』そっくりの人型をした存在が、茂みの中へ飛び込んで行くのを、その場の全員が目に留めた。
「……ガネット……!」
まさに信じ難いものを見るかのように、老執事が倒れそうになるのを修が支える。
「驚いたでござる……動いたのは本当に等身大の人形であったとは」
今まで、部屋中のあちこちを気にしていた零が、パソコンの画面を凝視する。
「──っつーか、待て。この映像、今日のだよな? じゃあ、この監視カメラで戻って来ている形跡がなけりゃ、もう既に館に居ねぇじゃねーか!」
「念の為、確認しに行こう!」
そして円の言葉を合図に、ここで人形の部屋を確認しに行く人々と、既にここにはいないと認識し、堪えきれずに外への行動を取る人々との二つに分かれた。
こちらの話を通そうとした執事は、動くガネットのインパクトに余程メンタルが打ちひしがれているのか、まともな反応が見込めない。一秒でも早く。個人で動き始めた刀と月は、その場にいた使用人達との交渉を始めた。
「すみません、短い間で良いんです。
ガネットの──」
刀がガネットへ対するとある提案に、使用人は素っ頓狂な顔をした後一瞬にその顔色を青く変えた。
「え……いえ、それは困ります……!
それは私の一存どころかご主人様でなければ決められない事柄です……!」
使用人では権限はなく、老執事には今回の件は荷が重すぎた。これでは協力は仰げない。
ならば、単独で行うしかないと刀は腹を括ってその場を後にした。
「メイド服を貸して頂きたいのですが。ガネットも見慣れた衣装であれば戻って来やすいものと思われます」
それを見ていた月が、袖が触れる程度ながらも似た提案をはね除けられたのを目にして、とっさに本来の目的から若干異なる提案を行った。
「それでしたら、私の予備をお使い下さい。お客様くらいのサイズでしたら丁度良いものかと思われます」
そして、こちらはあっさりと借り受けられた。
噂から、映像から。月には思うところがあった。
人形──宝石人形にはいつも、想いがあった。今回の件はその感情が一人の老人に向けられている。恐らく、周囲は見えていないだろう。
SNSでの情報は赤裸々だ。少しでも隠蔽しなくてはならない。
月は、そう心に決めるとガネットと呼ばれた宝石人形の目的情報が多い場所を頼りに館を後にした。
「……まさか、まさか本当に……」
「ガネットちゃん、いなかったね……」
震えて顔を押さえる老執事の傍らで、円も少し遠い目をしながら呟いた。あれだけ堂々と抜け出されたのだ。そして、夜の日付が変わる前にガネットは館に戻ってくる。──旧市街を中心に、大量の非日常を振りまいて。
「落ち着いて考えるなら、噂になってるボロアパートに居るか移動中に新しく目撃されてるかのどっちかだ。
今から追いかけるより、誰かに捕まえて貰おうぜ」
楓の言葉に、円がとても難しそうな顔をして呻る。
「んー……情報が異常なくらいに拡散されてるから、捕まえてもらうのにこれ以上リアルな情報を出したら、フツウも危ないけどガネットちゃんの身も危険になりそうかも。むずかしいなー」
「──なるほど。盗まれていたものは、確かにその順番で。そして、バッグの次が現金……
確かに通常の盗み方ではなく、盗む方は殆ど利点がない」
そして傍らでは、修が酷なのを承知で執事に事情聴取を行っていた。何しろ執事しか知らないことが多すぎるのだ。もはや聞く以外の選択肢は無い。
「ガネットは服が今までの宝石人形と風合いが違いました。何か事情があるのですか?」
「……ガネットは、顧客だった方から買い戻したものなのです。
持ち主の方は、若い青年実業家でしたが、投資で失敗したとのことで……財産を全て売り払われまして。その際、その話を耳にしたご主人様が、良く知りもしない人物の手に渡るのであれば、とガネットを引き上げるように買い戻したのです」
修がガネットについて考えるのと同様に、むむむと円の表情が悩みの大きさにしかめられる。
「盗みの内容と順番、生活用品に……現金かぁ。それでSNS情報を纏め上げると、通い妻……」
更に考えを深めていた円が顔を上げた。
「執事さん。刀くんとかもう行動してるひともいるけど、今は執事さんが決裁権を持つでしょ? それなら状況を見て執事さんの手で収めるしかないと思うんだ。実際にガネットちゃんに会ってみないと分からないことも多いし。
執事さんも一緒にさ、例のSNSの場所行ってみようよ」
確かに、このままでは拉致があかない。円の提案に、くたびれきった執事は、それでも主の留守を預かる者として、何とかそれに頷いて見せた。
「もし出会っても、恐らく彼女は善悪が分かっていなかっただけだと思います。だから、どうか会ってもきつく叱らないで欲しい」
修の落ち着いた声も手伝って、出会った当初より雰囲気に活力が見えた執事はこちらにも「分かりました」と言葉を小さく届け返した。
「過去に人形を見に来た女性の客で見に来たものは居ないかのう?
もしや、亡くなった女性の霊や生き霊が今回の変を引き起こしているのやも知れぬ。必要ならばこの場を祓い清めるが──」
他のメンバーがガネットの痕跡を追っている中。零は一人、この屋敷に佇む雰囲気がずっと気になり仕方なかった。
この館には、おかしな雰囲気がずっと取り巻いている。
これならば、善悪問わずに霊が寄ってきてもおかしくはない。そう思い行った提案に、
「お願いします! 事情が全く分からないのです!」
先程まで紅茶を淹れていた使用人の一人が、執事の言葉を待たずに追い詰められた表情で口にした。
どうやら、今回の件に関しては『心霊現象』で括った方が使用人達には理解が近いのだろうと認識する。その為、零は屋敷に残って、土地から屋敷、部屋の浄化浄霊を行うために残る事になった。
同じく、楓も館に残ったままに、携帯のSNSを目にしながら様々な思考をそちらに向けていた。
人形はやはり動いていた。それを理解した使用人達は、話の様子からその現象を見続けてきた楓へと、人形が何故動くのかを問い掛けた。
「奴らの共通点には大体動き出すほどの理由があって。
それを叶えりゃ事態は収まる」
楓は答える。自分が、人形達から受けた観察眼から来る感想を交えて。
「──ま、成功例も失敗例もあるから、叶うどうかは別として、な。
無茶な願いだったりすることもあるし」
「あ、あのそちらは、現地へは向かわれないのですか……?」
「忠告と顛末だけ聞きに来ただけに人間にそこまで期待されても困る」
こうして零と楓以外の面子は、目撃のあったという古いアパートに向かうことにした。
SNSでは住所こそ載っていないが、画像を見れば旧市街を知っている者にとってはそこが何処だかは一目瞭然だった。
分かり易い──逆に言えば、日常では知られることもないフツウの場所を、非日常の怪異が浸蝕している。
──フツウ崩壊まで、到底時間が残されているとは思えなかった。
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2018年04月03日
参加申し込みの期限
2018年04月10日 11時00分
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2018年04月10日 11時00分
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