夢見る少女｜リアクション

夢見る少女

●ある日森の中

　一方その頃、九夜山に向かった一行は、のののを求めて九夜山の奥深くへと分け入っていた。

　山の緑は濃くなり始め、花も咲き、まさに山登りをするには最適の時期だと言えた。

「のののさんがいるのはどこかなぁ？
　あたしにとっては九夜山の小さな大冒険、だねぇ……」

　夢宮瑠奈はたまのピクニック気分で自然を謳歌するのも良いものだと思いながら山を登っていた。
　途中、情報収集に向かったメンバーから何度か連絡が入るが、のののの出現する位置をピンポイントに特定できる情報はなく、とりあえずは山の奥深くを目指すしかないだろうと、歩みを進めるのであった。

「でも今日は探検みたいだね」

　九夜山には何度か登って慣れていると言う天野が先頭を進む。

「宝探しみたいだねぇ」

　息を弾ませながら瑠奈も楽しげに答える。

「おおーぅい！」

　その時、声を上げながら後から追いかけて、姿を見せたのは街で情報収集をしていた飛鳥や円たちだった。

「やぁ！君が宮司さんのお孫さんだね。
　神社へはよく行くから君の顔は知っていたけど、寝子高に入っていたんだね。
　今日はうまくいくよう、できる限りの協力はするよ」

　ワクワク感を隠せない様子で飛鳥は言う。彼女はこの胸の高鳴りがのののにも通じるに違いないと感じている。

　合流を果たした一行は、そこでもまた各自の得た情報や推論を出し合い、交換を行う。

「のののと遊びたいな。子供もいれば面白そう……呼べたら良かったけれど……」

「そうだねー。島の大人は事件で気が立ってて、子供たちを危険に晒すのには反対だったからね。
　残念だけれど仕方がないよ……」

　天吏の言葉に円も肩をすくめる。