夢見る少女｜リアクション

夢見る少女

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「のののさんは誰かと一緒に遊びたいんですよね？　なら皆さんで会いに行きましょう！
　『腹が減っては戦はできぬ』と言いますし、お弁当を作ってきましたよ」

　と、御鏡聖は早起きして作って来た山のような弁当を持って御機嫌だったが……

「どうして山へ行くのに巫女服なの？」

　聖の紅白の姿に舞を始めとする一行の疑問ももっともである。

「えっと、のののさんは神様や山の精霊様みたいな存在のようですし、
　この服装の方が良いのかな？　と思ったんです……わ、笑わないでください！」

「ええと……そうだね、のののは遊びたいんだろうね。一緒に遊んで友達になれたらいいな」

　照れる聖に天野は話を変えた方がいいだろうと、携帯電話やスマートホンで連絡を取り合えるようにアドレス交換や連絡用アプリの設定などをレクチャーし始めた。

　寝子島神社によく出入りしている御剣刀も『ののの』探しに助力を買って出ていた。

　刀は『野々ののこ』がフツウでいるために切り離されたのが『ののの』なのではないかと一つの仮説を立てていた。それが真実なのかどうかは今のところ分からないが、とにかくのののに会って一緒に遊べば何かわかるのではないか。そう思っての捜索参加だった。

　情報を探しに先行している草薙龍八からの連絡がないかと、刀はときおり携帯をチェックするが、今のところはまだ何も成果はないのか、メールボックスに着信が来る気配はない。

　のののが山の奥に入って来た子供達に接触しているのは、フツウとは違う自分を受け入れて一緒に遊んでくれると思える相手だからだと刀は考えていた。

　フツウの感覚である大人ではのののと性質が合わないのではないか、だから自分達ものののを受け入れる気持ちで、『遊びたいんだ』と伝える事が出来れば、彼女の方から表れてくれるんじゃないだろうか？　そう考えていた。

「ところで神楽は、のののをどう思う？」

　携帯の設定をしながら、天野は舞に聞いてみた。もしかしたらどうして舞が夢にのののを見るのか、そのヒントが得られるかもしれないと思ったのだ。

「夢の中で会っただけだし、正直良く分からないわ……
　でも、とっても純粋で人懐っこい可愛い子で、悪く思う事は出来ない感じね……」

「そうか……仲良くなりたいね」

　一行が山へ向けて出発しようとしたまさにその時、
　
「軽装だと危ない、わ」

　天吏が『ずい』とポータブルGPSとメモ帳を差し出す。
　鬼に金棒、備えあれば憂いなし。
　万全の装備を整え、一行は子供達がのののと接触をしたという九夜山の奥へと出発した。

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