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嘘<ユメ>が現実<ホント>になるセカイ。それが、らっかみ!
嘘<ユメ>が現実<ホント>になるセカイより 蒼蝶の詩
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呼吸が尽きる。喉が焼け付くようだ。
他愛のねえウソだったはずが、こうまで致命的だったとはな。口は災いの元とは、まさしくこいつのことだぜ。
ちッ……声がしやがる。
「如月君? どこに行ったんですかぁ? 逃げても無駄ですよ~」
ずいぶんと楽しそうじゃあねーか、ええ? 相棒。
「私はいます。いつでもどこにでもいます。分かってるでしょう? 如月君、ねえ、如月君。そうでしょう? どこへ逃げるっていうんですか? ……『日本中の、世界中の蝶から逃げ回るつもりですか?』」
ああ、畜生。
目の前を、一羽の蝶が飛んで……。
「……み・ぃ・つ・け・た♪」
肌が粟立つ、ってやつだ。
落ちつけ。落ちつ……落ちつけ。考えろ。
『ウソを上書きすることはできねえ』。ならば別のウソを重ねればいい。そうだ。そうだ……しかし、どんなウソを?
こんな時に効果的なウソは、どんなウソだ? 一体どんな……まったく思いつかねぇなこれ。
「……ならば」
「きーさーらーぎー、くん? どうして逃げるんですか、どうしてですか、どうして食べてくれないんですか、私の……」
「こんな時、如月家には、伝統的な戦いの発想法があってな……『ひとつだけ残された戦法があったぜ』」
それは!
「如月君、食べてくださいよほら早く食べて冷めないうちにねえ早く如月君」
「うおおおおおッ!! 退けぇヤジウマ共ォーーー!!」
『逃げる』
【蒼蝶の詩 ~如月編~】
というわけで、俺の名は
如月 庚
。いわゆる不良と呼ばれて久しいが、拳法とポエムを嗜むナイスガイだ。
今日も相棒の
屋敷野 梢
と中庭で昼飯なんぞつついていたら、通りすがりの男子が漏らした言葉が耳に入った。
「なあ、『ヤンデレ』って良くね? 良くね?」
「ヤンデレぇ? お前マニアックだなぁ。俺はああいうのダメだわぁ、もっと清楚で奥ゆかしいほうが」
「ええー、なんでよ? いいじゃんヤンデレ!」
「……ヤンデレねぇ」
好意が深まりすぎるあまり精神的に病んでしまったキャラクター……とかなんとか、そんな感じだったか。
「何ですか如月君、萌え属性談義に加わりたいんですか? ついに目覚めてしまったんですか?」
「違ぇよ」
いつものように可愛げのねぇことを言う屋敷野をふと見る。こいつはツラは悪くねぇしいざとなりゃ信頼できるヤツだが、何せ裏表があって腹黒いから何を考えてるか分からん。
そこでつい、言っちまったというわけだ。思えばもう少し発言にゃ思慮深くあるべきだったが、今となっちゃあ後の祭りだ。
「ヤンデレっつーのは病んじゃあいるが、それでも好意的ではあるんだろう? 『お前もヤンデレになったら』、ちったぁ可愛げがあるのかねぇ……なんて、そんなわけねぇか。心にもねぇことを言っちまった。そんなことでお前が可愛くなったら苦労はねぇな、いや失言だったすまんすまん」
「……へぇ?」
時に、くぐってきた修羅場の数が物を言う。こんな日常の中にあってもな。一瞬で分かることがありやがる。
『ヤベぇ』ってよ。
「あの……屋敷野さん?」
「いいんですよ? 失言だなんてそんなこと。私、嬉しいです。ようやく如月君が本音を見せてくれたんですから。やっと気持ちを伝えてくれたんですから」
「はあ?」
ゆらりと立ち上がった屋敷野の手には、なぜかハンカチが握られている。俺も見たことがある、あいつのお気に入りだ。
なぜだ? 頭のどこかで、警告ランプとサイレンがやかましく騒ぎ立てている。
「ねぇ……如月君?」
「おう」
「私、思うんです。大切な人のためなら、何だってできるって。大切な人の言うことなら、何だって聞けるって。如月君もそうでしょう?」
「おう。おう?」
「そうですよね、決まってます。当たり前ですよね、だから、はい」
なぜこいつはお気に入りのハンカチを俺に差し出すんだ。手はそんなに汚れてねぇはずだ。
『気持ちを伝えてくれた』? 俺が? こいつに? 何のことだ?
屋敷野は死んだ魚みてぇな目をして、俺にハンカチを突きつける。
「『食べてください』」
「食べ、え?」
「本当は私の髪の毛とか体毛のほうがあなたの身体に溜まっている悪い波動を払ってくれるしとても効果があるんですけど、今日はハサミを持ってきてないので。ごめんなさい。これで我慢してくださいね、はいどうぞ遠慮なく食べてくださいねさあどうぞ」
虚ろな笑顔で無機物を食えと俺に言う。
そうだ、今日は何の日だ?
エイプリルフールじゃあねーか、それも寝子島のヤツだ。決定的だ、なんてこった。なんてウカツだ。
まさに自業自得、とはいえこいつはマズイぜ。
「いやいや待て、屋敷野。ハンカチは決して食い物じゃあねぇ、そうだろう? 俺の好物ってわけでもねぇ。いいからそいつをしまって、まずは冷静に」
「食べないんですか? どうして? どうして食べてくれないんですか? 好きな人が手料理を差し出したら普通は食べるでしょうどうして食べないんですか如月君どうして?」
ヤンデレにもピンキリあるだろうが、こいつはかなり極まったヤツだろう。シームレスに最後まで病み切ってんじゃねぇ、なんかすげぇ自然で怖いわ。
「私のこと……好きじゃないんですか? じゃあどうして可愛げがあるなんて言ったんですか? ウソだったんですか? 本心でもないことを言って私を馬鹿にして心のなかで笑ってただけなんですか? そうなんですか? どうしてそんなひどいことするんですか? 私はこんなにも如月君を愛してるのに如月君如月君ああ如月君」
キサラギクンがリフレインし始めたところで、俺の足は勝手に踵を返し駆け出していた。
背中に届いたひと言が俺の胸を抉る。
「……にがさない」
【蒼蝶の詩 ~屋敷野編~】
如月君如月君どうして逃げるんでしょうね如月君たら私がこんなに想っているのに愛しているのにどうして逃げるのなんでどうして如月君私のハンカチどうして食べてくれないんでしょう如月君のためを思って言ってるのに絶対如月君に必要なことなのにどうしてそりゃあ決まってますけど私の髪の毛とかのほうが食べたいでしょうけどそれは分かってますけど女の子ですからね私もやっぱりちょっと抵抗あるっていうか恥ずかしいっていうかそこのところ分かってくれてもいいのに相棒なら絶対分かってくれるはずなのにどうしておかしい如月君はおかしいですよ食べたくないだなんておかしい狂ってるああそうです分かりました私分かっちゃいましたふふふそうですよね如月君も恥ずかしいんですね男の子ですもんね分かってますよふふふでも好き嫌いしちゃダメですよ如月君の身体は魔界から照射されてる悪い波動に侵されてるんですからだから私にあんなことを言ったりするんです分かってます如月君の本心じゃないって分かってますそうですそうに決まってる間違いないだって本当は私のことが好きで好きでたまらないはず分かってますからああ如月君好き好き大好きだから私が救ってあげますからね如月君ねえどうして逃げるの食べてほらハンカチ私の愛情たっぷりしみ込んだハンカチねえ食べてください待って待ちなさい逃げられると思ってるんですか私を誰だと思ってるんですか蝶はどこにでもいるんですからね逃げられませんよ逃がさない絶対蝶は見ている如月君を見ているずっと見ているいつでもお前を見ている
【蒼蝶の詩 ~間が持たないので如月編~】
あいつはもうダメだ、まともな思考すらできないくらい病んじまってる。
「逃げられませんよぉ? 如月くーん? 恥ずかしがらないで、ねぇ、如月君?」
靴音が近づいてくる。まるで俺の隠れてる居場所が分かり切ってるかのように、真っすぐに。こっちへ。
くそっ、蝶だ。蝶が飛んでる。数え切れねぇ。
これが全部、あいつの目か。逃げられるはずがねぇ。
「ふふふっ。いーいこと、思いついちゃいましたよー」
聞きたくねぇ。
聞きたかねぇが、今の俺にゃあどうしようもない。
「恥ずかしがり屋な如月君の手足を取っちゃって、椅子にでも固定しておくんです。これならいつでも私の手料理を食べてもらえますよね。あーんしてあげますよ、あーん。あ、やだもう、ダメですよ? 口移しはまだ早いですってー。ほかにも考えたんですけど、こんなのどうですか? 私が蝶になって、如月君に食べられるんです。まさに逆転の発想ですねー、如月君とひとつになって、如月君を内側からケアしちゃうんです。どうですか如月君、ナイスアイディアって思いませんか? あれ、どうしたんですか如月君? そんなに青くなっちゃって。顔色悪いですよー」
あいつが俺を見ている。
こんなにも近くで、虚ろな笑みを浮かべながら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
69人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年04月01日
参加申し込みの期限
2018年04月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年04月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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