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【球技大会】とびきり熱い空の下(後日談)
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陽光が真上から降り注ぐ。
「思い出すだろ」
如月 庚
は晴れ渡った空を見上げて文句を垂れる。青いジャケットの前をはだけた。中の白いシャツの胸元を摘まんで前後に動かす。
――球技大会の時のように空が青いぜ。
黒いズボンの後ろのポケットから財布を取り出す。中身を開いて紙幣をざっと数えた。
「足りるだろ」
旧市街の通りを進んで参道商店街に入った。
漂う香りの元を追い求めるように目を動かす。横手の高級和菓子店のショーケースに意識が向いた。
――相棒が無類の甘党じゃないことを祈るしかねぇな。
青みがかった黒髪を弾ませて先を急ぐ。
赤い丸型ポストの前に
屋敷野 梢
が立っていた。ダークブラウンのおさげの三つ編みで白いワンピースを着ていた。何かの気配を察知したのか。顔をこちらに向けた。
オリーブ色の瞳を細めて柔らかい笑みを見せる。
「如月君の大好きな白いワンピースですよー」
「嫌いじゃねえが、その言い方はやめろ」
早足で詰め寄る庚の前で梢はくるりと回る。白いスカートが広がった。
「ほら、可愛いですよねー。モンシロチョウみたいに、今日はどこにでも飛んでいけるのでーす」
「……まあ、蝶に胸はないからな」
「んー、なんですかー。胸がどうかしたのですかー。私の胸が見たいってことなんですかー。こんなところで!」
梢は笑顔で迫る。庚は相手の両肩に手を置いた。押し止めるような格好で顔を近づける。
「今日は奢ってやる」
その一言は全ての不満を抑え込んだ。一瞬、口を閉ざした梢は警戒するような表情になった。
「おやおや、如月君。殊勝な心掛けですねー」
「義務を果たす為だ」
庚は両肩から手を離した。梢に対して自然体で向き合った。
「大層な理由ですねー」
「まあ、字面ほど、重いもんでも無いのだが。まぁ、バスケットボールで負けたのは事実なんで、あれだ。言いたいことはわかるよな?」
「あー、そういうことですかー。まあ、私の力だけで勝ったわけでないですけど、据え膳食わぬは、ってやつですよね!」
梢は舌なめずりして言った。
「屋敷野、何を食べるつもりなんだ?」
「昼時ですよ。もちろん、ごはんに決まってるじゃないですかー。私が勝負に負けてたら、お嫁にいけないカラダにされていたかもしれませんけどねー」
「すっとぼけた調子で俺を追い込むな」
「軽いメンタルトレーニングですよ。また対戦することになるかもしれないじゃないですかー」
梢は笑って離れる。早速、目にした精肉店を指差す。
「如月君の出番ですよー」
ショーケースに並べられた品々を眺める。梢は見つけた一品に微笑むと元気な声で注文した。
「すみませーん、国産黒毛和牛A5肉使用の特製メンチカツを一つ、お願いしまーす!」
「おい、何だそれは」
駆け付けた庚がショーケースの中身を食い入るように見詰めた。一瞬で鼻筋に皺が寄る。
「おま、それ、一番高ぇヤツじゃねぇか」
「まあまあ、いいじゃないですかー。私は小食なんですしー。あ、メンチカツが来ましたよ。支払いはこちらですー」
紙の容器に入ったメンチカツを梢は笑顔で受け取る。その隣で庚は急いで財布を取り出す。
「あ、俺は唐揚げを四つで」
「揚げ立てがあるよ。ちょっと待ってね」
「はい、どうも」
軽い音が横から聞こえてきた。横目で庚が睨む。梢は笑顔でメンチカツを味わっていた。
「んー、小龍包のように甘い肉汁が溢れて、お口の中を幸せにしますねー」
「胃に穴が開くような食レポはやめろ」
「本当に美味しいですよー。あ、唐揚げが来ましたよ。そっちも美味しそうですねー」
「全部、俺のもんだ」
支払いを済ませると庚は梢に背中を向けて食べ始める。
「そこまで私は食い意地が、あのパン屋さんに行きますよ!」
「な、なんだ急に。袖を引っ張るな」
「早くしないと一日限定五十個のカレーパンが売り切れてしまいますよ!」
「いや、俺はまだ唐揚げが」
「お財布がいないとカレーパンが買えないじゃないですか!」
「おま、俺を…危ねぇ!」
袖を強引に引っ張られ、唐揚げを取り落しそうになる。梢は甘い匂いが漂うパン屋に突入した。
間もなくして梢は笑顔で飛び出してきた。勝ち取ったカレーパンを掲げる。
「やりました! 限定品を手に入れました! 大勝利なのでーす」
「俺のおかげだけどな」
庚は財布の中身を開いて渋い顔となった。
「あー、カレーの風味がたまらないのですー。やはり三日間、煮込んで作られたカレーは味が別格ですねー。この辛さがコクを引き立てているのですねー」
「そうなのかもしんねぇが、手加減ってもんをだな」
「あー、あそこの野菜ジュース屋さんのミックスを、まだ試したことがないのです! 突撃するのでーす」
梢はカレーパンを持った姿で走り出した。庚は唐揚げに齧り付く。ガリガリと噛み砕きながら口にした。
「とんでもねぇ、モンシロチョウだ」
「お財布、お財布ー」
店の前で梢が飛び跳ねる。全力の手招きで呼んだ。
「どうにでもしてくれ!」
「まあ、これが最後ですよ。私も鬼じゃないですしー。ミックスでお願いしまーす」
「ご注文はミックスですね。サイズをお聞きしてもよろしいでしょうか」
「LLサイズでお願いしまーす」
店員に梢は笑顔で言った。
「やっぱり鬼じゃねぇか」
「可愛いモンシロチョウです!」
「翅の生えたピラニアだろ」
「今日の如月君は冴えていますねー」
梢は親指を立てる。
「それなら、いつもと同じじゃねぇか」
庚は笑って返した。
二人は飲み物と食料を買い込んだ。並んで人混みを突っ切って海岸線の道に出た。堤防に作られた石段を上がり、適当なところに座り込む。
胡坐を掻いた庚は海に向かって笑みを浮かべる。
「こんな近場にいいところがあるじゃねぇか」
「悪くないですねー。カモメの糞も落ちていないですしー」
「俺、お握りを食べているんだが」
隣に座っていた梢に不満気な顔を向ける。
「そんなことよりも如月君、あそこを見てください!」
「なんだよ、何かいるのかよ」
「あの岩の上のところですよ! ほら、チョコチョコと愛らしく走るフナムシがいますよー」
「海のゴキブリじゃねぇか!」
「違いますよ! フナムシはゴキブリ目ではなくて甲殻綱等脚目なのです!」
鼻息を荒くした梢を見て、そうか、と口にした。直後に庚は急いで残りのお握りを平らげた。自動販売機で買った緑茶を一気に喉に流し込む。
「乗り切ったぜ」
「あらー、食べられてしまいましたかー。まだネタはあったんですけどねー」
「そうだと思ったぜ」
にやりと笑った庚はゆっくりと後ろに倒れた。仰向けになって青い空を眺める。後頭部で両手を合わせて足を組んだ。
「五月も終わって、もうすぐ夏か」
「夏ですねー」
梢は上体を後ろに傾けて両手で支えた。
「クローネがいなくなって平和になりましたねー。カミサマの気紛れもありませんし、多くの生き物が安らかな日々を送っていますねー」
「ま、そうだな」
梢は庚の横顔を覗き見る。ぼんやりとした目で空を見ていた。
「平和もいいのですが、どーにも刺激が足りませんねー。大変な時をなんだかんだで、楽しんでたんでしょーねー」
「なに言ってんだ。これが普通の学生ってもんじゃねぇか……なんてな、正直に言えば退屈だ。何か起きれば良いとは思わねぇが、何か起きたら、その時はまた頼むわ」
「まー、こちらこそ、フツツカモノですがー」
「そうだな」
その一言に梢はカッと目を見開く。握り拳を作って顔を寄せてきた。
「必死になって可愛いフナムシを掴まえてきますよ!」
「海のゴキブリはいらねぇよ! それより、残っているメンチカツをくれ。喋ってたら腹が減ってきた」
「ダメです! なんたって特製ですからね! カレーパンならあげますよー」
梢はビニール袋の中から手付かずのカレーパンを取り出した。手で二つに割ると片方が小さくなった。
「はい、半分こですよー」
「お、悪いな」
庚は仰向けの姿でカレーパンに齧り付く。その側で梢は二口で食べ終えた。
二人は穏やかな表情で青い空を眺めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
4人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
スポーツ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月14日
参加申し込みの期限
2018年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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