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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【球技大会】とびきり熱い空の下（後日談）
星幽塔の第一階層にあるサジタリオ城下町は相変わらずの賑わいを見せていた。異形の種がそぞろ歩き、石畳を馬車が行き交う。カメレオンに酷似した御者が見事な手綱さばきを披露した。
喧騒から少し離れた裏道のバーには鬼頭 武がいた。独り、カウンター席に座っている。傭兵を生業として各地を転戦したせいなのか。肌は浅黒く、若さに似合わない目付きの鋭さを備えていた。白いシャツに茶色いジャケットを羽織ったラフな格好で三杯目を飲み干した。
空になったグラスをカウンターに叩き付ける。
「あれは数日前のことだ。俺はぶらりと寝子島に行ってきた。球技大会ってもんをやってたんだ。最初は暇潰しのつもりだったんだが、これが熱いんだよ。チーム戦で仲間と共に戦う。これぞ青春って感じなんだ。マスター、この気持ちがわかるかい？」
全身が鱗に覆われた店主に向かって言った。グラスを磨く音だけが返ってきた。聞こえていないようにも思える。
武は空になったグラスを持ち上げてブラブラと振った。
「おかわりだ」
マスターは速やかに次のグラスを差し出した。受け取った武は一口だけ飲んで手前に置いた。
「俺がガキの頃は毎日が殺し合いだったな。仲間が出来てもすぐに裏切る。ばらされて海の藻屑なんてことも珍しくない。友情は砂漠で見える蜃気楼みたいなもんだ。だからなのか、あいつらの熱い試合が胸に響くんだろうな。寝子島、良いところだ。俺もあそこで普通の生活がしたかった」
悔しそうに口を閉ざし、グラスを呷る。中身は半分程になった。
長々と溜息を吐いた。軽く拳を握る。
「ビーチバレーが眩し過ぎるんだよ！ 露出の激しい水着で跳ぶんだぞ！ もう零れそうなくらいにぷるんぷるんなんだよ、これが！ 若い男女が同じチームってのがあり得ないだろ！ ハプニングを装ってやりたい放題じゃねぇか！」
後方でガタンと音がした。金色の眼の獣人が立ち上がって低い唸り声を上げる。牙を剥いた状態で、ガキが、と悪態を吐いた。
武は無表情になった。瞬間的に振り返り、獣人の目を静かに見据える。相手の全身の毛が逆立った。尻尾を股に挟んでしおらしくイスに座り直した。
武は元の姿勢に戻った。
「どう思うよ、マスター。あんなハーレム状態って反則だろ」
マスターはシェイカーを黙々と振っていた。
「ああ、俺の青春はどこにあるんだ。いつまでカクレンボしてやがる！ さっさと出てきて俺にもぷるんぷるんのサービスをしろよな！」
グラスの残りを一気に呷る。大きな息を吐いた。
「それにしても美味いな！ 見た目は毒々しいが味は良いじゃねぇか。どんな混ぜもんなんだ、って聞いても答える気はねぇよな。わかってんだよ、俺も常連の端くれだからな！ おかわりだ、じゃんじゃん持って来い！」
空のグラスを突き返す。マスターは感情の無い顔で受け取った。言われるがままに新しいグラスを差し出す。
「よくわかんねぇ飲み物がやたらと美味いぜ！ ぷるんぷるんはねぇが、ここには自由があるな！ ぷるんぷるんも欲しいけどな。おい、マスター。聞いてんのかよ！」
マスターは簡単な一品を作り始めた。
武は大袈裟に手を振った。
「わーってるんだよ。聞いちゃいねぇーってな。ああ、ぷるんぷるんが恋しいぜ！」
赤黒い顔となってグラスを傾ける。無くなれば新たに注文した。空のグラスが量産された。
「あたまら、ぷるんぷるんらー」
武は気持ち良さそうに上体を揺らし、空のグラスの前で力尽きた。カウンターに突っ伏して深い眠りに落ちた。豪快なイビキが店内に響き渡る。
マスターは温かそうな毛布を身体に掛けた。一言もなく、武の前で黙々とグラスを磨き始めた。
喧騒から少し離れた裏道のバーには鬼頭 武がいた。独り、カウンター席に座っている。傭兵を生業として各地を転戦したせいなのか。肌は浅黒く、若さに似合わない目付きの鋭さを備えていた。白いシャツに茶色いジャケットを羽織ったラフな格好で三杯目を飲み干した。
空になったグラスをカウンターに叩き付ける。
「あれは数日前のことだ。俺はぶらりと寝子島に行ってきた。球技大会ってもんをやってたんだ。最初は暇潰しのつもりだったんだが、これが熱いんだよ。チーム戦で仲間と共に戦う。これぞ青春って感じなんだ。マスター、この気持ちがわかるかい？」
全身が鱗に覆われた店主に向かって言った。グラスを磨く音だけが返ってきた。聞こえていないようにも思える。
武は空になったグラスを持ち上げてブラブラと振った。
「おかわりだ」
マスターは速やかに次のグラスを差し出した。受け取った武は一口だけ飲んで手前に置いた。
「俺がガキの頃は毎日が殺し合いだったな。仲間が出来てもすぐに裏切る。ばらされて海の藻屑なんてことも珍しくない。友情は砂漠で見える蜃気楼みたいなもんだ。だからなのか、あいつらの熱い試合が胸に響くんだろうな。寝子島、良いところだ。俺もあそこで普通の生活がしたかった」
悔しそうに口を閉ざし、グラスを呷る。中身は半分程になった。
長々と溜息を吐いた。軽く拳を握る。
「ビーチバレーが眩し過ぎるんだよ！ 露出の激しい水着で跳ぶんだぞ！ もう零れそうなくらいにぷるんぷるんなんだよ、これが！ 若い男女が同じチームってのがあり得ないだろ！ ハプニングを装ってやりたい放題じゃねぇか！」
後方でガタンと音がした。金色の眼の獣人が立ち上がって低い唸り声を上げる。牙を剥いた状態で、ガキが、と悪態を吐いた。
武は無表情になった。瞬間的に振り返り、獣人の目を静かに見据える。相手の全身の毛が逆立った。尻尾を股に挟んでしおらしくイスに座り直した。
武は元の姿勢に戻った。
「どう思うよ、マスター。あんなハーレム状態って反則だろ」
マスターはシェイカーを黙々と振っていた。
「ああ、俺の青春はどこにあるんだ。いつまでカクレンボしてやがる！ さっさと出てきて俺にもぷるんぷるんのサービスをしろよな！」
グラスの残りを一気に呷る。大きな息を吐いた。
「それにしても美味いな！ 見た目は毒々しいが味は良いじゃねぇか。どんな混ぜもんなんだ、って聞いても答える気はねぇよな。わかってんだよ、俺も常連の端くれだからな！ おかわりだ、じゃんじゃん持って来い！」
空のグラスを突き返す。マスターは感情の無い顔で受け取った。言われるがままに新しいグラスを差し出す。
「よくわかんねぇ飲み物がやたらと美味いぜ！ ぷるんぷるんはねぇが、ここには自由があるな！ ぷるんぷるんも欲しいけどな。おい、マスター。聞いてんのかよ！」
マスターは簡単な一品を作り始めた。
武は大袈裟に手を振った。
「わーってるんだよ。聞いちゃいねぇーってな。ああ、ぷるんぷるんが恋しいぜ！」
赤黒い顔となってグラスを傾ける。無くなれば新たに注文した。空のグラスが量産された。
「あたまら、ぷるんぷるんらー」
武は気持ち良さそうに上体を揺らし、空のグラスの前で力尽きた。カウンターに突っ伏して深い眠りに落ちた。豪快なイビキが店内に響き渡る。
マスターは温かそうな毛布を身体に掛けた。一言もなく、武の前で黙々とグラスを磨き始めた。
あとがき
担当マスター：
黒羽カラス
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球技大会の後日談はいかがでしたでしょうか。
当日では明かされなかった事実を加えて、
物語に厚みを出す方法は素晴らしいと思います。
大会を振り返り、今を楽しむ方々がいました。
大会に参加していなくても鮮烈な記憶は胸に何かを残しました。
ＰＣによって受け止め方は違い、一つの大会は大きな広がりを見せました。
皆さんのアクションのおかげです。
ご参加、ありがとうございました。
爽やかな青空の余韻に浸りながら「あとがき」を終わりたいと思います。
また別のシナリオで会いましょう。
当日では明かされなかった事実を加えて、
物語に厚みを出す方法は素晴らしいと思います。
大会を振り返り、今を楽しむ方々がいました。
大会に参加していなくても鮮烈な記憶は胸に何かを残しました。
ＰＣによって受け止め方は違い、一つの大会は大きな広がりを見せました。
皆さんのアクションのおかげです。
ご参加、ありがとうございました。
爽やかな青空の余韻に浸りながら「あとがき」を終わりたいと思います。
また別のシナリオで会いましょう。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2018年03月14日
- 参加申し込みの期限
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- 2018年03月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2018年03月21日 11時00分
