携帯戦記カプセルギア　外伝　『ミッドナイト・ダンサーズ』｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　外伝　『ミッドナイト・ダンサーズ』

（……あら？　いまのおとはなにかしら？）
　ふと聞こえた音に反応し、リタ・カルネイロは目覚めた。音が聞こえたほうをみると、机がある。だが……、彼女の相棒であるギア、『ヴァネッサ』の姿はなかった。
「えっ？！」
　驚き、慌てて周囲を見渡すと、ヴァネッサは八本の足を器用に使ってドアから部屋を出ようとしていた。
「まって、ヴァネッサ！　リタもいっしょにいくわっ！」
　リタは白いネグリジェの上に、近くにあったクリーム色のカーティガンを羽織るとかさかさと進んでいくヴァネッサを追いかけた。

　その頃、白真白は丁度浴室から出たところだった。
「ふぅ、いいお湯だった……」
　と、白い絹のような髪を乾かしながらそろそろ寝ようかと考えていたときの事である。真白は四足の相棒たるカプセルギア、『ネージュリェーツ』（以下、ネージュと表記）が動いたような気がした。
「あれ？」
　最初は目の錯覚かと思ったが、やはり僅かな音を立ててネージュはこっそり、という具合に動いていた。だが、意外と早い。あっという間に外へ出かけてしまった。
「外に出て行っちゃった……。追いかけないとっ」
　と、寝巻にしているベビードールの上から上着を羽織り、夜の街へと向かうのだった。

　その夜。
　こんなふうに、いくつものカプセルギアが、月光降り注ぐ夜の街へと繰り出していたのである……。

　――Midnight Dancers――　　　

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