――最近、カプセルギアを嗜む子供たちの間で、
こんな噂が流行っている。
『月夜に、カプセルギアがひとりでに動き出して外に出るらしい』
その噂を、寝子小の4年生である牛瀬 まことは学校で聞いていた。
(そうだったら、何のために……?)
首をかしげながらも、まことはその噂に興味を持っていた。
旧市街に暮らすまことの家では、家族でカプセルギアを楽しんでいた。その中でも、まことが一番熱心で、暇さえあれば戦略や改造について考えていたほどだ。
その夜も眠れず自分のカプセルギア、『ブルズ』を見つめていた。青と白を基調とした、雄牛の角を持つロボットタイプのそれは足にキャタピラを起用している。
その姿をまじまじみながら、まことはそっと問いかけた。
「君も、月夜に出かけるんか? 俺も一緒に行ってええ?」
「何言うてん。まことは寝る時間やで」
父親である
牛瀬 巧にそう言われ、まことは渋々二段ベッドのはしごを上り、布団に潜り込む。下の段ではすぐ下の弟が既にすやすや眠っていた。
(カプセルギアが、ホンマに月の下で動くん? せやったらおもろいやん。俺も一緒に出かけたいわぁ)
まことは『ブルズ』を指で撫でると、静かに目を閉ざした。
ところがまことが寝入って数時間後。
カーテン越しに月光を浴びた『ブルズ』が、キャタピラをきゅらきゅら動かしながら部屋の外へと出て行った。
*:*:*
「……?!」
源 竜世は妙な物音で目を覚ました。嫌な予感を覚えて身体を起こすと、机に置いたはずのカプセルギア『
スターライトナイト』がない。
「おかしいな。寝る前は机の上にあったんだけど……」
不思議に思い辺りを見渡す。と、カーテンに見覚えのある龍のようなシルエットが浮かんだ。それを見るなり、不思議とそれが自分の相棒ではないか、という予感がする竜世。
「嘘……だよな?」
そう呟きながらカーテンをあけると、確かに月光の降り注ぐ中を泳ぐ『スターライトナイト』の姿があった。
「あの噂って、本当だったってことか?」
竜世は息を呑みながらも、相棒が何処に行くのかが気になった。
少年は急いで身支度を整え、そっと家を出る。そして月が輝く道を歩き、己のカプギアを追いかけていると……。
「わあっ!?」
「……っ! なんだ、竜世か」
ライバルとも言える友人、
タイラ・トラントゥールと出くわした。彼もまた、ひとりでに動き出した自分のカプギア『
バルティーグル』を追いかけていたのだった。
「それにしても、一体何がおこっているんだろうな……」
タイラがぽつりと呟き、竜世が頷いているとかしゃん、かしゃん、と乾いた音がする。その音のほうをみれば、鳥居の先、今にも朽ちそうな社が見えた。そして、そこへむかっていくつかのカプセルギアが向かっている。
「確かここは落神神社だったか? それにしても、他の人間はいないよ、な?」
タイラは竜世と共に辺りを見渡すが、人の気配はない。2人は息を飲んで落神神社をみつめた。
菊華です。
今回はなんと、真夜中に君のカプセルギアが動き出す! というシナリオ。
とりあえずは概要をどん! とご覧ください。
概要
月光が降り注ぐ真夜中。
君のカプセルギアがひとりでに動き出し、外へと飛び出した。
彼らは一体何をしにいくのだろうか?
*注意*
このシナリオに参加されたPCさんのカプギアはもれなく1人でに動き出し、外にでます。
>何処に向かっているの?
カプギアたちは皆なぜか落神神社を目指しています。
後を追っているといつの間にか他のマスターさんと合流する可能性も。
彼らはそこで自主練をしたり、ギア同士で模擬戦をしたり、仲良く遊んだりしています。
このシナリオでは
・カプギアの様子を眺める
・自分や友達のカプギアと交流してみる
・カプギア同士の会話(?)に耳をすまして見る
などできます。
なお、今回は『A.I.C.O.』が機能していないようで、自分でカプセルギアを動かすことはできません。
リアクションはアクションになにも記載がなければ落神神社到着からとなります。
よろしくお願いします。
登場NPC
・牛瀬 まこと
寝子島小学校に通う4年生の男の子です。(牛瀬 巧の次男)
おとなしく、口数も少ない方ですが最近はカプギアのことになると饒舌になるようになりました。
リアクションではパジャマの上にパーカーを羽織った姿で自分のカプギア『ブルズ』の様子を伺っています。
・牛瀬 巧
寝子高で生物を教えている先生でまことの父親です。
異変に気付きこっそりと自分のカプセルギア『蹄壱号』(二足歩行の牛が和風の鎧を纏っているような姿)とまことを追っています。
※参加PCさんの中に高校生以上の方がいない場合保護者代わりに確実に登場します。参加PCさんの中に高校生以上の方がいる場合はアクションに記載がない場合登場しません(影で見守る具合となります)。
カプセルギアの遊び方
1.カプセルギアの作り方
2.購入や操作の方法
3.アクション提出の手順
参考:くわしい情報の紹介
それでは、よろしくお願いします。