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Good Day!!~『somnium』~
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その日、何人目かに訪れたのは、一見すれば初々しいカップルだった。フリルトップスとキュロット、ニーソという可愛らしい装いのサイドテールの少女と、そんな少女をどこか眩しそうに見ながら傍に立つ少年である。
とはいえ今の所はまだ、いわゆる『カレカノ』ではない少女・
白草 朱乃
と少年・
呉井 陽太
なので、カップルと呼称するのはいささか間違いだ。――まあ、デートではあるのだけれど。
そんな訳で気合を入れておめかしをして、もちろん陽太からもらったブレスレットとバックチャームも忘れず身につけた朱乃は、鏡やガラス扉に姿が映るたびに装いが乱れてないかチェックしながら、からん、と店内に足を踏み入れた。内心、先日勢いでしてしまった『お礼』のことを聞かれたどうしようとドキドキしているけれど、今の所、陽太の話題がそちらに向かう素振りはない。
そんな朱乃の内心を知ってか知らずか、ショーケースを見た陽太が「わぁー……」と喜びとも困惑ともつかない声を上げた。
「美味しそうなお菓子がいっぱいあって迷うわー」
良い感じのカフェと小耳に挟んではいたけれど、これは想像以上というか。普通のケーキ屋さんのように、ショーケースに並んだお菓子をその場で注文するというシステムだから、つまりはお菓子が選び放題なのでたいへん悩ましい。
本当に、と朱乃も陽太とお菓子を見て、どれも美味しそうだと嬉しいため息を漏らした。
「私は……ガトーショコラと紅茶にします。先輩は?」
「うーん、うーん……この、季節限定フルーツタルトのコーヒーセット、にしようかなぁ」
あれこれ目移りしながらも、どうにかそれぞれ決めて注文する。そうして、自由に座って良いというイートインスペースで落ち着ける席を見つけて、向かい合って座り。
まずはケーキを一口食べて、無言になる――美味しい。もしかしたら、こうして一緒に食べているからなおさら美味しく感じるのかもしれないけれど、美味しい。
良いねぇ、と自分のチョイスとこの店のことを噂して居た誰かに感謝して、陽太はフルーツタルトを半分に切り、はい、と朱乃のお皿に乗せた。
「半分こ。美味しいから朱乃ちゃんも食べると良いよ」
「わぁ……嬉しいです! 先輩も食べますか?」
「もらって良いの?」
「もちろんですわ!」
嬉しそうに朱乃もいそいそガトーショコラを取り分けて、どうぞ、と陽太のお皿にお裾分けしてくれる。それに「ありがとね」と礼を言ってぱくんと食べる――それはこのケーキのように甘やかな、楽しい時間。
朱乃とこうして過ごすのは何度目だろうと、ふと思う。その度とても楽しくて、嬉しくて、だからこれからもこうして過ごせたらと願いはするけれど。
「朱乃ちゃん。――ちょっと、話ししても良い……? 気掛かりな事があるんだよね」
「……? はい」
ふいに向けられた陽太の真面目な口調と表情に、朱乃はこくり、首を傾げながらも頷いた。ぴんと姿勢を正して、何だろうと言葉を待つ。
そんな朱乃に、それでも幾度か躊躇って、ようやく陽太は口を開いた。――彼女をこうして誘ったのは、こうしてきちんと話したかったからでも、あったから。
「実はね――」
だから陽太は躊躇いながら、これまで何度も脳裏でどう話そうと考えていた事を、ゆっくり慎重に言葉を紡ぐ。高校1年生の時、とある女性と元彼の代わりで付き合った事。けれどもやはり元彼が良いと、別れてしまった事。
その経験は陽太の中に、自分は誰かの代わりにすらなれないのだ、という想いを刻み込んだ。そんな男がこんな風に、朱乃のような良い子と過ごして居て良いのかと――これから高校生になり、きっともっと良い素敵な出会いがあるだろう彼女の傍にいて良いのかと、心配になってしまうのだ。
――そんな事を。話して「急にごめんね」と優しく困ったように笑う陽太に、朱乃はふる、と首を振った。
「そんな事が、あったんですね」
ぽつり、呟く。そんに大切なことを話してくれるなんて、少しは信頼されていると思って良いのだろうか――最初に思ったのは、そんなこと。
きっと陽太はその彼女のことが本当に好きだったのだろうと、思った。だから未だに胸に引っかかっているのだろうと、思えばもちろん胸にチクリと刺さるものはある。
けれど。
「私は、私の意思でここにいます」
陽太の瞳をまっすぐ見上げ、朱乃はしっかりとした口調でそう言った。陽太と過ごしてきた日々が、たくさんの思い出が、両手では足りないほどに重ねた時間が、朱乃の心を勇気づけた。
誰かの代わりじゃない、陽太だから朱乃は会いたいと想い、会って楽しいと想い、もっと会いたいと願ってここにいる。今日だってどんなに会いたくて楽しみだったのか、それは陽太にだって否定できない、朱乃だけの確かな真実。
「良い思い出も沢山あったと思います。思い出したくない事も思い出させてしまったのは……ごめんなさい」
そっと瞳を伏せ、それでも、と朱乃はテーブルの上の陽太の手をぎゅっと握りしめた。そうせずには居られなかった。
この想いが、繋いだ手から伝われば良いのにと願う。言葉に紡ぐことはもどかしくて、何よりとても表現し切れるものではなくて、悔しさにも似た心地になる。
けれどもそんな都合の良い話はないのだから、少しでも伝わるようにと願いながら、朱乃は再び陽太をまっすぐ見上げた。
「先輩の口から聞けて良かったですの」
「――ありがとう」
だからどうか笑顔でいてくださいと、願いのこもったまっすぐな眼差しに、陽太はなんだか泣きそうな心地でそう紡ぎ、精一杯の笑顔を返す。こんな風にまっすぐな眼差しと想いで見てくれる、朱乃だからこそ陽太はちゃんと、昔のことを話したいと思ったのだ。
彼女の前に立つ自分に、嘘や不安を許したくないと願ったのか。それとも、もっと単純に彼女のまっすぐさに応えなければと思ったのか。
それを受け止めてくれてありがとうと、想いを込めて握り返した朱乃の手は、とても小さく力強い。
嗚呼――今日こうして一緒に過ごしているのが、過ごしたいと願ったのが、この人で良かった。陽太と朱乃の胸のうちに、そんな想いが仄かなぬくもりを灯す。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月02日
参加申し込みの期限
2018年03月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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