this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
五月病は恋の始まり
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
19
つぎへ >>
伊賀解理と北風貴子が出てきたスーパーマーケットに、入れ替わるように入ってきたのは伊崎朔秀だった。
ここまで、広告やレストランのメニュー表を見て思案してみたものの、それが激辛インドカレー店だったりしたのであまり参考にならなかった。
迷い惑って、朔秀はここにたどり着いたのだった。
タマネギの袋を持ち上げつつ、思う。
栄養価無視していい加減なものにしても、一日くらいいいような気もする。正直、栄養なんてサプリメントで十分ではないか、と。
しかし朔秀の職業意識はそれを許さなかった。
――あぁいや、育ち盛りの方がいるのだからそういうわけにもいかないですよね。
ふるふると首を振ると、彼はまたタマネギの選定作業に戻るのだった。
といっても、別にタマネギを買いたいわけでもなかったのだけれど。
ふぅ、と溜息が漏れてしまった。
ところがその溜息の主は、朔秀ひとりではないのだった。
カーボン紙で複写したように、音程もタイミングもそっくり同じ溜息を、彼の真横でついた者がいた。
つい、視線がそちらに向かう。
「あ……」
恥ずかしいところを見られた、というように少女は口元を押さえた。
高校のものと思わしきジャージ姿上下、サンダルよりは『つっかけ』と呼びたくなるものを素足に履いて、起き抜けの猫のようにもっさりとした表情で、茄子の袋を片手に握っている。
「あの私……『今年のなすびは出来が悪いなー』とか失礼なことを思ったんじゃないですよ。てか育てたことないし。うん、いいなすび、いい茄子! グッド!」
照れ隠しのあまり意味不明なことを口走りながら、高校生らしき少女は慌てて茄子を売り場の山に戻した。そして彼女は朔秀から視線を外さず、ポンと隣の野菜に手を置いたのである。
「どっちかというと私はなすびよりこっちが好きです!」
訊かれてもないのにそんなことを言う。面白い子だ。
吹き出しそうになったが、朔秀はこらえて優しく告げた。なぜって少女が手を置いていたのは、大きく固く丸いものだったからである。
「でもそれ、ココナッツですよ」
「うん。すごく好きなんだ……ココナッツ……ヌゥ~……じゃなくて! なんで普通のスーパーのこんなとこに椰子の実が丸ごと!? あっはっは、ごめんなさい間違えちゃった!」
少女の様子があんまりおかしいので、とうとう朔秀も笑ってしまう。
「じゃあ、何が好きなんです? たとえば、料理とか」
「え-? 今日私あまり食欲なくて……あれ? お兄さんと話してたらそんなにダルくなくなってきた。なんでだろ?」
ひょ、と眼をぱちくりさせて彼女は言った。
「そうそう、料理ですね。……麻婆豆腐とか、食べたいかもです。そうだ私も買って帰ろっ!」
ありがとうございましたー、と言い残すと、少女はぱたぱたと、つっかけ履きのまま小走りで去って行った。
やっぱり面白い子だ。元気がないと言っていたが、朔秀との出会いでスイッチが入ったのかもしれない。(ちなみにあの少女は
野々 ののこ
という名前なのだが、このときの朔秀には知るすべもなかった。)
まさか天使でもなかろうが、彼女はヒントを与えてくれたのだと思うことにする。
「じゃあ俺も、中華にしましょうか」
麻婆豆腐を中心とした中華のコースを作るとしよう。あとは蒸し物と麺類、五目チャーハンとサラダでもあればいいだろうか。
皆様のお口にあえばよいのですが――。
豆腐、豆板醤、餃子の皮と挽肉、生麺、ハムそれに野菜類を用意してレジにならんだ朔秀は、あの少女が店を出て行く後ろ姿を見た。
少女のレジカゴには、総菜の『麻婆豆腐』(レンジで温めるだけで食べられる)が入っていたのであった。
朔秀は、口元をほころばせた。
◆ ◆ ◆
七枷陣と『紅』はデュエルを繰り広げた。
もちろんゲームは『TOS』、このとき店が空いていて他に人の姿はなかった。遠くから店長の娘こと千絵が見ている。
千絵はその父親と違い、カードゲームにまったく興味がないという。だからなにが行われているか、とんと理解していないだろう。
ただカードを引いたり並べたり回転させたりするその動きは単なる見かけだ。実際は焔が炸裂し刃の雨が降り、絶対零度の氷塊が炸裂するという、烈しいバトルが繰り広げられているのである。
紅は得意げにカードを叩きつけた。
「デバフカード〈雨の日無能〉が来たっ! これで炎属性の魔術士の攻撃は無効化よ! 3ターンの間は攻撃力0のデクノボーね」
「ちょっと待て! さっきからそれ、僕を想定したデッキ構成になってないか?」
「さあね」
紅はとぼけてみせたが、まず間違いないだろう。
これで形勢は不利となったが、紅サイドの猛攻をしのぎきった陣にチャンスが訪れた。
「永続デバフ〈仕組まれた奸計〉! 種族を指定し、その種族は全て特殊能力を封印、1ターンに1体しか攻撃できない! もち指定はメイドロボな」
「そんなのヒキョーじゃない!」
「どっちがや! メイドロボ軍団なんぞ組んできおって! うちの炎の魔術士はな、メイドロボには攻撃したくないヤツなんや」
「うわ、キモ」
「キモとか言うな! はい、これで僕の勝ち、と」
わかったよ、と紅は腕組みしてむくれた。
「……私の名前は『
紅美(くみ)
』、言っとくけど本名だからね」
「フルネームって約束だったと思うけど」
がたん、と紅……紅美は立ち上がった。
「言っとくけど、バカにしたら殺すから」
「しないよ」
「『いもに』、『芋』を『煮』ると書いて『
芋煮
』、芋煮紅美!」
「ああなるほど、紅い芋を煮るといいあんばいで……」
「
帰る
」
バン! 強い音を立てて〈マザーコンピュータの暴走〉をその場に置き、紅美は自分のデッキを握って店を出て行ってしまった。
「いや、バカにしたんちゃうで! ちゃうって! マジで!」
慌てて追いかけようとした陣だが、ドアが開いた拍子に風が吹き込んできて、飛び散りそうになったカードを押さえたせいで間に合わない。
仕方ない……次会ったときに謝ろう。
きっとまた会える、そんな気がする。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
19
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
五月病は恋の始まり
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月18日
参加申し込みの期限
2018年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!