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五月病は恋の始まり
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新調した服で外出すると、それだけで休日は『ご機嫌な休日』へと変わる。
けれども
七峯 亨
が上機嫌マックスなのは、ただそれだけが理由ではない。いやむしろこれは、理由のわずか一端に過ぎないといえよう。
「……結局、誘われるまま来てしまったわけだが」
と、どことなく緊張した様子で正座して、きゅっと口をつぐんだ
矢萩 咲
がこの場所にいてくれること、これこそが最大の理由であった。
「ここまで来るのは結構大変だったんだぞ、これでも」
咲は頬をうっすら赤らめている。たどってきた苦労を思い返しているのか、眉に力がこもってもいた。
「大変だったって、家のこととか?」
「そうとも、具体的には姉さんの説得に難渋した……」
しかし、と言ってふうと息を吐くと、熱されたチーズのように咲の気持ちは溶解したようだ。口元は緩み、目にも笑みが宿った。
「だが断言するぞ……来て良かったと思ってる! やはり温泉はいい! うん!」
性格上、両脚を投げ出してくつろいだりはできないものの、咲はリラックスした様子に戻ったのだった。
このときの咲の着衣は、旅館の名前が入った浴衣なのである。長い髪は綺麗にたばねて、頭の後ろでくくっている。湯あたり寸前まで湯船につかっていたという言葉の通り、白い肌がむっちりと熱を帯びていた。ほのかにジャスミンのような香りがしていた。
場所は寝子温泉にある旅館。たまには泊まりの楽しみもと、亨が企画したミニ温泉旅行に来ているのだった。
咲は色っぽい浴衣姿、亨のほうも慎重のスカジャンを脱ぎ、今は風呂上がりの浴衣着だ。彼の胸元は盛大に開いており、ワイルド分高めといったところも忘れず記述しておきたい。
「そっか、喜んでもらえて俺も嬉しいよ、本当に」
「温泉とあれば断る理由はない。お陰で体の芯まで温もった。やはり温泉に限るな、心が洗われる」
と言う咲の声は明るい。三月からずっとバタバタしていた疲れが、お湯とともに一気に流れ落ちたように感じていた。
「心が洗われる、か。まったくだよなあ。できれば咲と一緒に湯につかりたかったところではあるけれど」
「一緒にか……って、なんと破廉恥なことを!」
なにやら想像したのか咲の顔に赤みが差す。そんな彼女を見ているのが亨は好きだ。ははは、と苦笑して、
「ところでこんなものを用意したのだが」
とん、と卓の上に冷えたラムネの瓶をふたつ置いた。淡い水色のガラスに、電灯の白い光が反射していた。
「ふふ。また酔っちゃおうか、さーき?」
む、と咲は口ごもった。
「恐い?」
まさか、と一笑に付して咲は言う。
「いや……酔っちゃうとかなにを? ラムネで酔うわけないじゃないか……」
咲は自身の体質のことを理解していないのだ。地球は平らで、巨大なゾウに支えられている、と主張する人なみにすごいことを言っているように亨は思うのだが、少なくとも本人は決してそれを認めない。
「それならそれでいいんだ。今ちょうど欲しい頃かと思ってね」
ぽんぽんと栓を開け、水滴の浮く瓶をひとつ、亨は彼女に手渡す。
「うん、風呂上がりのラムネは最高に気分が良くなるからな、頂こう、乾杯」
瓶と瓶が触れあう。ひんやりした響き。
亨は瓶を一口した。きめ細かな炭酸が喉に流れ落ちていく。
しかし咲のほうはそんなトロいペースではなかった。ぐっと口に含んで勢いをつけると、つづいて一息で呷る勢いで、ほぼ垂直に瓶を傾けたのだ。
はふぅ、と熱い息を吐いた咲はもう、普段の咲ではなかった。突然けらけらと笑い出す。
「いやー、このために生きてる♪」
膝をしどけなく崩して、脇息がわりに卓に肘を置く。白い太股も隠す様子がない。変われば変わるものだ。
「すっかり火照っちゃったねぇ」
亨も湯でのぼせていたので、頭がかっかと熱い。辛抱は体に毒とばかりに、咲の両肩に手をかける。猫にそうするように、甘く優しく彼女の背に腕を回した。
咲は拒まない。むしろきゃっきゃと声を上げ、彼の首をかき抱くのだ。
「えへへー♪ 亨君♪ いい匂い―♪」
もはやすっかりご覧の有様、顔を彼の肩口に押し当て、大きく息を吸い込むのだ。石鹸の匂いと亨の匂いがする。
「……今日はこういう悪戯の気分でね」
亨のほうも遠慮する気はなかった。はぐりと彼女の首筋を甘咬みし、やわらかな頬にくちづける。舌だって大胆に使ってしまう。甘え方たるやほとんど飼い犬のそれだ。なあに、と亨は自重気味に思う。狼も飼われてしまえば同じことだ。
「さぁさぁご主人、お返しをくださいな? 今宵は甘いお返しを」
普段求めるスリルより、今日は優しさが恋しい。
贅沢な望みだろうか?
それを認める度量はもちろん、咲のほうにもしっかり存在する。剣尖でつつかれるような彼の唇と舌の刺激に、ひとつひとつ痺れるような感覚をおぼえ「きゃあ!」と声を上げつつも、
「もうワンちゃんみたいな甘え方してきて」
ぐいと亨を強く抱くのだ。体内から、かぐわしいローションが溢れ出るような想いに駆られる。
「仕方ないですねー♪ よしよし、亨君もいっぱい甘えさせてあげますよー♪」
「ふふ。咲には甘えたくなる心地よさがあるよな……と、甘えついでにひとつ……」
はちきれそうな衝動に駆られながらも、亨は懸命に自制して言った。
「言わせてもらっていいか?」
「なあに?」
緩めきった気を、弓引くように締めて亨は告げる。
「恋敵の奴のことさ。咲を幸せにできる男だってことは分かってる。俺も肩を並べちゃいるが。……やっぱ俺の方、選んでほしいな?」
咲の躰が強張るのが判った。
実際、瞬時にして咲は酔いから冷めている。細く長く鋭い鉄の針で、身を貫かれたように感じていた。
「……やっぱり……そうだよね」
できるのあれば我が身を二つに裂いて、愛するそれぞれに与えてあげたい。
しかしそんなことが不可能であることを咲も知っている。
それは肉体に限らない。心も、同じだ。
「……どっちかを、選ばないといけないよね……でも……咲は……」
はからずも眼の奥から、苦い涙がにじんできた。
――わかってる。本当はこんな状態駄目だって。
亨の肌から熱が引いていくのがわかる。きっと自分も同じだろう。
なによりも二人に対して不誠実すぎる。
でも咲は恋の苦しみ……裏切られたときの……悲しみを知っている、から……それを二人に味あわせたくない――。
彼を見ていられなくなり反転して伏せ、咲は畳に爪を立てた。
嗚呼、自分の優柔不断さに嫌気が差す……咲は……駄目な女だ――。
二人を傷つけ続けて、それを己の弱さのせいにしている――。
「自分を責めるのはやめてほしい。苛めるつもりは端からないんでね」
亨は彼女の背に覆いかぶさった。その柔らかな身を味わいながら、
「苛めるより、愛したいから」
やや強引にこちらを向かせ、これまで触れずにきたところ……彼女の唇を吸った。
長いキス。咬むような。
糸を引く舌と舌が離れたとき、ふたたび咲は、酩酊したような瞳に復している。
「……いじわる」
これでこらえられる男はいない。がばっと彼は彼女を畳みに組み伏せていた。
「あぁもう、咲は可愛いなぁ。そんじゃ、俺と寝てくれたらOKってことで♪」
咲はされるがままではない。逃がさない、とばかりに長い両脚で亨の胴をからめ取る。
「意外と大胆だねぇ。それなら此方も、遠慮なく、頂きまっす♪」
今はこれでいい、と亨は思う。
さあ、後に思い出した咲が赤面できるような、熱い一夜にしよう。
その夜、これまでになかったほど彼女は乱れた。
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あとがき
担当マスター:
桂木京介
ファンレターはマスターページから!
桂木京介です。
今回はご参加いただき、誠にありがとうございました。
実はこの話、本来書くべきだったシナリオが書き切れず、苦し紛れにとっさにならべたデタラメなタイトルのひとつでした。ところが「ならそれで」というサジェスチョンを受けまして、こうして実現した次第です。
……と、いい加減な動機で用意したものにもかかわらず、皆様から熱量の高い素晴らしいアクションをいただけて恐縮しきりでした。
もちろん私も五月病にかかることもなく、こうしてリアクションをお届けすることができたというわけです。
面白いところがあれば、それはすべてアクションに起因するものです。逆に、ちょっとこれは……な部分があったらそれはすべて私の力量不足によるものです。楽しんでもらえたら嬉しいです。
それではまた、機会があればお目にかかりましょう。
ご意見ご感想叱咤激励などお送りいただければ、これに勝る喜びはありません。
桂木京介でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月18日
参加申し込みの期限
2018年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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