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五月病は恋の始まり
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伏見真は黒いコーデュロイキャップを目深にかぶって外に出た。
目的もないまま歩く。といっても、なるだけ賑やかなほうを選んで足を向けた。『音』を拾いたかったからだ。
内側から出てくるものがないのであれば、外側から吸収すればいい。
新しい音楽のヒントは、やっぱり音の中にあるはずだから。
いつの間にか寝子高に着いていた。ところが、期待していたような音がない。
グランドを眺めるも、今日は陸上部やサッカー部は休みらしく閑散としている。耳を澄ませるも、吹奏楽部の奏でる音も漏れ聞こえることはなかった。
タイミング悪かったか……?
と思いきや、真の背後からリズミカルなかけ声が聞こえてきた。
「お?」
剣道部だろう。紺の袴姿の一団がランニングをしているのだった。真は道をあける。
剣道着集団の先頭が、ぺこっと真に頭を下げた。そしてまた、均一の音律でかけ声をかけながら学校内に吸い込まれていったのである。
ふっと相好を崩した真の頭上から、溌剌とした声の雨が降ってくる。
屋上に生徒の集団が出てきたようだ。「あ」「え」「い」「う」「え」「お」「あお」! とはじめたところからすると演劇部だろうか。
歌のようで歌ではなく、「あめんぼあかいなあいうえお」というように独特の言葉を読み上げる発生練習にすぎないものの、これを一斉に、あるいはかわるがわるソロで行う構成が、真にはとても心地よかった。
しばし聴き惚れる。許されるのなら、ずっと聴いていたいくらいだった。
やがて真は学校を離れ街に足を伸ばした。
そこでも沢山の音が真を迎えてくれたのだった。バスのエンジン音、信号機のガイドメロディ、せわしない雑踏、それどころか犬の鳴き声や小さい子の駄々だって、注意して聴けば音楽になる。
この世は音楽で満たされているのだ。
からっぽやったから、いっぱい詰めて帰ろ。
もやが晴れた気がする。
帰宅しようと来た道を戻り始めたとき、ぱたりと真は足を止めた。
こんなライブハウスあったんや――。
何度か前を通ったことのある雑居ビル、その地下入り口に告知の看板が出ていた。
ブルース中心のライブがあるという。いくつかのユニットが出演するようだが、どれも真は名前を知らなかった。
お母はんが心配するから生でライブ見にいったことあんまなかったしなぁ……たまにはええかもしれん。
と思ったときにはもう、真は階段を降りていたのだった。
「高校生でも入れますか?」
アルコールを注文しなければ大丈夫、と聞いてチケット代を払いワンドリンクのトークンを受け取る。
「え~っとオレンジたのんます」
バーカウンターで100%オレンジジュースを受け取り、真は席を探した。開演直前の店内はほどほどに埋まっている。首尾良く空いているテーブルを見つけてスツールを引く。テーブルは古いウイスキー樽を加工したものだ。大人っぽい、と思う。無闇にドキドキした。
「ここ? 相席いいカ?」
女性に声をかけられ、慌てて真は「大丈夫です」と返した。
モノトーンのシックなAラインドレス、すらりとした綺麗な女性だった。丁寧に引いたアイラインが印象的だ。
女性は、ハイボールと思しきグラスを一口すると樽に置いた。
「よく来るノ?」
言葉に中国語っぽい訛りがある。
「ええと……初めてです」
「こういう音楽好き?」
「音楽なら何でも。でも、ブルースは詳しないです」
詳しくない、ではなく、『詳しない』になるのが関西風である。
「そうか。あなたラッキーヨ。今日、最初に出るコンビがとても良いネ。すごく古いデルタ・ブルース。私、この人たち見たくて来たヨ」
私、古い音楽好きネ、と彼女は笑った。
「そら楽しみですね」
まばらな拍手が鳴った。ユニットが出てきたのだ。
音楽が始まると真はたちまち、手にしたグラスも、隣の女性のことも忘れてしまった。
シンプルな音楽だ。メンバーは二人、楽器もアコースティックギターが2本だけ。ブルー・ノート・スケールと呼ばれる独特の音階に、しなやかなヴォーカルが乗る。無駄な虚飾は一切ない。
それなのに、真は震えるほどのショックを受けていた。
体に直接、音叩きつけられとるみたいや――!
ギターのテクニックたるや息を詰めて見つめたくなるほど巧みで、歌がこれに加わると、力強いグルーヴを生み出す。スパイスのように強烈で、びりびり震えるような瞬間もあった。弦の弾ける音、ヴォーカリストの息づかいすら音楽なのだ。歌詞は英語なのでほとんどわからないが、いずれの楽曲も郷愁について歌っていることは真にもわかった。
「はぁ……最後まで一滴ものまんと終ってしもたわ」
ユニットが演奏を終えると、真は力の限り拍手をしていた。
なんやいい曲書けそうな気ぃすんなぁ、と思って隣の女性を見る。
ところがもう、彼女の姿はそこになかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月18日
参加申し込みの期限
2018年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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