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五月の風に吹かれて
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部屋から青空を見た瞬間、
御剣 刀
は行動を開始した。切れのある動きで着替えに取り掛かる。
「悪くないな」
手鏡に自身の姿を映す。黒いシャツに濃い赤紫色のジャケットを羽織っていた。下は薄墨色のストレートパンツを合わせた。ボサボサの髪は適当に手で撫で付ける。
部屋を出る間際、机に目を向けた。黒いドレスを身に纏った人形に声を掛ける。
「ルヴィア、留守番を頼む。お土産に期待してろよ!」
刀は白い歯を見せて笑うと、滑らかな足運びで部屋を出ていった。
見慣れた旧市街を颯爽と歩く。極端に狭い路地に放置された三輪車を軽々と跳び越えた。速度を維持したまま、参道商店街に向かう。
人々で賑わう通りに出た瞬間、鼻は匂いを感知した。
――甘い匂いは和菓子か。それとは別に鼻をくすぐる、これは焼き魚か。
瞬間、定食屋を目が捉えた。良い感じに古びた暖簾が食欲をそそる。老舗を思わせる佇まいにも引かれた。
「決めるのは早い」
刀は軽く頭を振った。通り全体に目を向ける。
――あの小さな店舗はタコ焼き屋。あっちは和菓子屋で、洋食屋もあるな。最初は軽めの物からいくか。
考えが纏まった。刀は最初にタコ焼き屋を選んだ。二十個を注文して食べながら歩く。
濃厚なソースを楽しみつつ、和菓子屋に立ち寄った。小ぶりの酒饅頭を十個、食べ易い紙袋で受け取った。
空になったタコ焼きの容器は近くの屑籠に入れる。紙袋を胸に抱えた姿で先を急ぐ。早足の状態で酒饅頭を口に放り込んだ。
「美味いな」
味の感想を口にして空を見上げる。とても青かった。雄大な海を思わせる。
――メリーさんはどうしているんだろう。
刀は足を止めて、ぽつりと口にした。
「呼んでみるか。ん、あれは……」
少し離れたところに金髪の少女、
トワ・E・ライトフェロゥ
がいた。店の前で項垂れている。赤いリボンとピンクのドレスまで精彩を欠いて見えた。
刀は気さくに声を掛ける。
「何かあったのか」
「カタナ、sad storyなのデス! トワが楽しみにしてたice daifukuがナイのよ」
「あー、あれか。確か冬季限定商品だよな」
「そう、ソレ! かーなーしーいーストーリね!」
トワは地団太を踏んだ。タップダンスを踊っているようにも見えて愛らしい。刀の目が自然と優しくなる。
「日本には四季があるからな。仕方がない」
「日本にあるマス。four seasonコロコロ変わるデスネー。ネコジマがクルクル変わって見えてwonderlandデス」
「そうかもしれないな。それでこれからどうするんだ?」
「食べ歩きツアーするデス! メリーも呼ぶマス!」
元気よく答えた。刀は少し驚いた目をした。
「そうなのか。俺もメリーさんを呼ぼうと思ったところだ」
「元気にcome on メリー!」
トワは笑顔で跳び上がる。
「はしゃぎすぎなの」
艶やかなおかっぱ頭の女の子が着物姿で忽然と現れた。突然の呼び出しに少し唇を尖らせている。
トワは笑顔で突撃した。
「メリー、ようこそデス!」
「メリーさんが来てあげたの。目的は何なの」
「目的がナイと北極にご招待されるマス?」
トワは頭を傾けて尋ねる。女の子は落ち着いた様子で口にした。
「一生分のかき氷が食べたいのなら連れていってあげてもいいの」
「俺は遠慮したいな。さっきの話にも出たが、食べ歩きツアーをするならシーサイドタウンに行かないか」
「その案は即採用なの」
女の子の唇が柔らかい笑みに変わる。
「トワも賛成であるマス! そーれーとー、ネコジマの春を探すのも良いと思うマス」
「どんな春なの」
話を振られたトワは小難しい顔で頭を揺らす。
「少し前はー、sky fishがー泳いでたデス。大きいのがオトーサンで小さいのが、えー、オトコタチ! ガチのオトコノムレらしいのデス? デントーのはだかフェスティバル!」
「鯉のぼりなの」
トワの話に冷静に返した。蚊帳の外となっていた刀は顎を摩る。
「これがリアルのガールズトークなのか」
関心と困惑を綯い交ぜにした表情で言った。
三人は並んで歩き出す。目付きの鋭い刀に周囲の視線が集まる。
「あれって大丈夫なの」
「どう見ても兄妹じゃないよね」
囁くような声を耳が拾う。刀の表情が強張った。夏の日差しに照らされたような汗が額に滲む。
二人が気にする様子はない。トワは弾むようにして歩いている。
「春を見つけたのデス!」
トワは突然、走り出す。古びた家屋の前でしゃがみ込んだ。遅れてきた二人に笑顔を向ける。
「ここにcloverがあるマス。ヨツバーだとgood ruck デスケドー、春がとてもsmallデス」
僅かな土の部分にクローバーが身を寄せ合っていた。四つ葉がないことは一目でわかる。
「たくさん生えている場所を知っているの」
「どこであるマスカ?」
「連れていってあげるの」
女の子は近くにいた刀の手を握った。残った手をトワの肩に乗せる。
「着いたの」
人で賑わう通りは閑散とした公園に一変した。女の子の能力、瞬間移動によって運ばれてきた。
刀は周囲に目を向ける。
「ここはシーサイドタウンの外れにある公園か」
「その通りなの。意外と知られていないクローバーの群生地なの」
「ここにも、あそこにもあるマス!」
そこかしこにクローバーが繁っていた。トワは早速、四つ葉を探し始める。女の子は別のところを当たった。
残された刀は二人の姿を見て、俺も探すか、とブランコの側の繁みに向かった。植込みの木で薄暗く、かなりの量のクローバーが重なるようにして生えていた。
「これ、本当に見つかるのか」
半信半疑の様子でしゃがんだ。最初に目にしたところで動きが止まった。
「これは……」
茎の途中を千切って目の前に持ってくる。葉を数えるまでもない。
「四つ葉のクローバーが見つかったぞ!」
女の子は一瞬で刀の側に現れた。中腰で現物を覗き込む。
「強運の持ち主なの」
「やっぱり、そうなるか」
「可愛い女の子を二人も連れ回しているだけのことはあるの」
その言葉に刀は即座に反応した。
「誤解されるような言い方は無しで!」
「そろそろお腹が空いてきたの」
「そこは安心していい。今日の俺の財布は頼れるヤツだぞ」
「見つかったーデスカ!」
トワが駆け寄る。刀は摘まんでいたクローバーを差し出した。
「こーれーはーヨツバ! カタナやるデス!」
「欲しかったらあげるけど」
トワは笑顔で頷いた。感謝の言葉を口にして四つ葉のクローバーを受け取った。
「次はー、ごはんいくデス?」
「もちろんなの」
女の子の瞬間移動で一気に店内に運ばれた。驚く間もない二人を残し、空いているテーブル席に座った。
「トワはあたしの横に座ればいいの。ボサボサは前なの」
刀は自分を指差し、向かい合うように座る。トワは小走りで女の子の横に落ち着いた。
「メリー、ここはレストランぽいデス」
「味は保証付きなの」
目敏く見つけたウエイトレスがテーブル席にやってきた。
「これはメリー様、ご来店、ありがとうございます。今日はいかがいたしましょうか」
「最初はメリーさんスペシャルでお願いするの」
「畏まりました。他の方々のご注文を承ります」
何か言い掛けた刀が急いでテーブルのメニューを手に取る。
「あの、これ。ハンバーグステーキのデミグラスソース掛けで」
「トワはsweetをたくさーん、食べるマス」
「承知致しました」
上品な物腰でウエイトレスは去っていった。
途端に刀が身を乗り出す。早口の小声で聞いてきた。
「何なんだよ。メリーさんスペシャルって」
「大したことではないの」
女の子はメニューを開いた。人差し指を突き立てて水平に動かしてゆく。
「上段に書かれた品々を全部、注文しただけなの」
「え、これを全部だって!?」
刀はメニューを食い入るように見詰めた。頭の中の計算機が吹き飛んだ。イスの背に緩やかに身体を預ける。全身の力が抜けたようだった。
「……今日の俺は、本当に凶運だ」
「食事のあとデスガー、海もいいデス」
「腹ごなしに良さそうなの」
二人は嬉々として会話を続けた。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年01月08日
参加申し込みの期限
2018年01月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年01月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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