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五月の風に吹かれて
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寝子島シーサイドアウトレットは買い物客で賑わっていた。服飾関係の店の影響なのか。人々の服装はセンスに溢れていた。野外のファッションショーを彷彿とさせる。
その中に
薄羽 白露
の姿があった。平安時代を思わせる白い狩衣は場に馴染んでいた。興味深げな青い目を周囲に向けている。
「派手な服装の人が多いね」
「白露さんのコスプレも十分に目立っているけど」
寄り添うように歩いていた
花風 冴来
が当然とばかりに言ってのけた。金色の長い髪に青い薔薇の髪飾りがよく映える。空色のドレスは夢見る乙女が思い描くようなフリルがふんだんに使われていた。
「陰陽師が本職だから、これはコスプレではなくて制服みたいなもので、って知りながら言っているのかな」
白露は柔和な顔で冴来の青い目を覗き込む。微かな笑みが見て取れた。
「そんなに真剣に答えるとは思わなくて。あれよ、見えてきたわ」
白露の優しげな視線を掻い潜る。冴来は恥ずかしそうな笑みで一つの店舗を指差す。
「あそこが目的のお店よ。とにかく洋服の種類が多くて、素敵な小物も充実していて、それと服装に合わせたメイクもしてくれて、それから」
指を折り曲げて考える。白露は柔らかい笑みで言った。
「店に入ればわかると思うよ」
「そう、そうよね」
二人は揃って店の中に入っていった。
「あー、あれなんていいかも」
冴来は飾られていたドレスに駆け寄った。胸元にあしらわれたフリルが愛らしい中に気品を感じさせた。
「白露さんが着たら、うっとりするくらい綺麗になれるわ」
「本当かい? 僕の想像を超えていてよくわからないけれど」
「けれど?」
冴来が微笑んで訊いてきた。
「楽しみではあるよ」
「提案した甲斐があったみたいね。あ、新作のブローチ」
玩具を見つけた子供のように走り出す。白露は笑って付き合った。
店内は相当に広かった。膨大な品数に目移りが激しい。大変な事態を白露は楽しんだ。冴来は腕利きの店員を助っ人に呼んできた。
試着室で程なく、個人による小さなショーが開催された。閉められたカーテンが開けられる度に冴来が拍手で迎える。
「白露さんはスタイルもいいのね。イブニングドレスが映えるわ」
「お嬢さんは褒め上手だね。本気にしそうだよ」
「本気にしてもいいよ。審美眼には、ちょっと自信があるし」
得意顔の冴来に白露は朗らかに笑った。
二桁の試着の末に納得の一着を選び出した。冴来の服が決め手となった。対のように見えるドレスで白を選択した。
「髪の色とお揃いね。深紅の薔薇の髪飾りも良いアクセントになっていて素敵よ」
「最高の褒め言葉として受け取っておくね。化粧は、どうかな。おかしいところはないかい?」
「ナチュラルなメイクが清楚な感じを演出して、とても似合っているわ」
メイクを施した店員もにこやかに笑って同意を示す。
買い物を済ませた二人はドアの前で立ち止まる。青い目で見詰め合い、笑って外へと出ていった。
混雑する中を軽やかに歩く。
「素敵なドレスだね。よかったら、俺達と一緒に見て回らないか」
横手の声に冴来が反応して足を止めた。見ると大学生風の二人組が下手な作り笑いを浮かべていた。
「私に声を掛けた?」
「そうだよ。もちろん、そちらの綺麗なお姉さんも、どうですかね」
「どうする、白露お姉ちゃん」
僅かに笑いを含んだ声で話を振る。白露は困ったような笑みで、そうね、と口にして緩やかに顔を左右に振った。
「そういうことだから、また今度ね」
冴来は小さく手を振った。背を向けてやや早足で歩き出す。隣にいた白露が声を落として聞いてきた。
「いつから僕はお嬢さんのお姉さんになったんだね」
「さ、さっきの二人の反応が、もう、面白くて」
抑えられない笑みが声を震わせた。十分に離れたところで速度を落とす。
冴来は大きく息を吐く。穏やかな表情で白露に目を向けた。
「男の人でも間違えるのね」
「そのようだね。コツは喋り過ぎないことかな」
「あら、その声も服装に合っていると思うわ」
ふふ、と笑い声を漏らした。冴来は大観覧車に目を留めた。多くの人を乗せてゆっくりと回っている。
「あれに乗ってみない?」
「見晴らしが良さそうだね。休憩がてらに寄ってみようか」
「ありがとう、白露お姉ちゃん。あの、腕を組んでも……」
白い頬にほんのりと野薔薇が咲く。白露は全てを受け入れるような笑みで腕を差し出した。
「仲良しの姉妹なら自然なことだと思わないかい?」
「そうね……白露お姉ちゃん」
二人は腕を組んで歩いた。仲の良い姉妹として大観覧車に乗り込む。
ゴンドラは静かに上がってゆく。白露は窓に顔を寄せた。
「思っていた以上に高いね。いつも使っている道がはっきりとわかるよ。僕のアパートも見えるかもしれないね」
「本当に高いね。人間がとても小さく見えるわ」
冴来は見下ろした姿で言葉を続ける。
「小さな人間の悩み事なんて、ちっぽけに思えてくるなあ」
「僕達は、そんな人間なんだよ。嬉しいことがあれば笑う。悲しければ涙が零れるよね。もちろん、怒ることもあるさ」
「白露さんに言われても説得力がないよ」
笑いを含んだ声で返された。白露は困ったように頭を掻いた。表情は柔らかい笑みに包まれていた。
「お嬢さんと一緒に楽しく過ごしているから仕方ないよ。お礼ではないけれど、受け取って貰えるかい?」
「え、何かしら」
少し驚いたような表情で振り返る。白露は右の拳を差し出した。握っていた手を返して開く。中から勾玉のペンダントが現れた。
「さっきのお店で見つけた物なんだ」
見開いた目で冴来は勾玉を摘まんだ。そっと両手で包み込み、自身の胸に押し当てた。
身体が小刻みに震えた。青い瞳から涙という滴が零れ落ちる。
「嫌なら」
「違う、そうじゃなくて、嬉しいの。こんな私、なのに……」
寒さに震えるような姿で想いを紡ぐ。白露の目が、一層、優しくなる。
「嬉しい時も涙は出るんだよね」
冴来は頷いた。涙が止まらない。スカートの一部を濡らす。
白露は立ち上がって冴来の隣に座る。
「白露お姉ちゃんの胸を借りる気はあるかい?」
「……お姉、ちゃん」
冴来は横に倒れ込んだ。白露はしっかりと胸で受け止めた。間を空けず、くぐもった泣き声が漏れ出す。背中に回した手で労わるように摩った。
「いいんだよ」
自然に口から言葉が零れた。冴来の想いは大粒の涙となった。
ゴンドラはゆっくりと回る。時間の流れまで遅くするかのように、二人を高みに連れてゆく。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年01月08日
参加申し込みの期限
2018年01月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年01月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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