目的は何もなかった。
ただ、寝子島の中を巡る。
参道商店街の賑わいに目を細めた。
公園内を走っていた子供の一人が転んだ。泣き出しそうな顔になった。
皆が笑顔で助け起こす。転んだ子供は涙目で笑った。輪の中に加わって元気に走り回る。
春らしい色合いの恋人達がキャットロードを歩いている。
指と指を絡めて仲睦まじい姿を見せていた。華やかな会話が五月の風に乗って聞こえてきた。
突然に海が見たくなり、取り敢えず南を目指す。寝子ヶ浜海岸を望む道に突き当たった。
心地よい海風が顔に吹き付ける。乱れる髪をそっと手で押さえた。
薄青い海を左手に見ながら、ゆっくりと歩き出す。
エノコロ岬の灯台は孤高を気取る。時に風雪に巻き込まれ、豪雨に立ち向かう。
海の守り神のようにそこに在り続けた。
瀟洒な家々が建ち並ぶ。西日を浴びて鮮やかな一色に染まっていた。
感動にも似た静かな感情が胸に小波となって寄せてきた。
目的は何もなかった。
ただ、寝子島の中を巡る。
それだけで満足感が得られた。
目的を探すことが目的だったかのように……。
今回のシナリオには目立った目的がありません。
島内を巡ることで素敵なナニカ(アクション次第)と出会えるかもしれないという、
ささやかな内容になっています。五月という過ごし易い季節、GAを組んでピクニックもいいかもしれませんね。
少しではありますが、詳しい内容を以下に書き記しておきます。アクションの参考にしてください。
◇▲◇ 今回の舞台 ◇▲◇
日曜日の寝子島。
快晴で五月の風が心地よく感じられる。
◇▲◇ 今回の目的 ◇▲◇
具体的な目的は決められていない。
寝子島の一日の行動が描かれる。
例:仲の良い友達と一緒に天宵川で沢遊び。
GAの相手と共に隠れた名店を見つけては食べ歩く。
単独で運動に励む(山登り、沢登り、砂浜ダッシュ等)。
◇▲◇ 登場するNPC ◇▲◇
メリーさん
小学校五年生くらいに見えるおかっぱの女の子。瞬間移動を得意としていて、
身体の一部が触れていれば一緒に移動させることができる(運べる重さに限界があるとも)。
愛らしい顔に似合わない毒舌家でもある。不機嫌になると容赦ない言葉を浴びせてくる。
そのような時の対処法は意外と簡単で易々と食事に釣られる。
底なしの胃袋なので奢る方は、それなりの覚悟が必要となる。
今回、島に訪れた理由は気紛れでPCが望めば瞬間移動によって現れる。
人との交流のおかげなのか。感情が表情に薄っすらと表れるようになった。
※他のNPCは登場しません。書かれていた場合は目立たないモブキャラクターとして描かれます。
説明は以上になります。
慌ただしい四月が過ぎて、穏やかな五月を迎えました。
島にきたばかりで勝手がわからないという人もいるでしょう。
気軽にお散歩をする気分で、シナリオに参加してみませんか?
五月のふんわりとした風に背中を押されて、一緒に歩き出しましょう(皆様のご参加、お待ちしております)!