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水底の世界
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蒼く碧い波が押し寄せる。
いつの間にか水中に在った己が身を、水中に在りながらも呼吸かなう己が身を、けれど一寸も鑑みることなく
薄羽 白露
は足元に広がる白砂を蹴った。常より纏う狩衣の袖を翻し、水中に舞う。雪崩寄せる水流を軽々と躱す。
水底の色した瞳をのんびりと瞬かせ、眼前に広がる丘の町を見遣る。丘の上で暴れる大蛟を眺める。
蒼い鱗の大蛟がその巨躯をもたげて落とす度、白い町並みが破壊される。砕けた瓦礫が跳ね上がり、水底を埋める白砂が舞い上がる。
(マリンスノーのようだ)
異形によって潰されてゆく世界を瞳に映したまま、白露は端正な唇を淡く綻ばせる。
大蛟の咆哮と破壊音しか響かぬ此処は、おそらくは全ての命が絶えた世界。今目にしている景色は、
(命が消えた時に見れる、寂しいけれど綺麗な景色)
その景色は蒼い瞳に随分と美しく映った。
冷たくも温かくもない水を蹴り、陰陽師を生業とする青年は町に近づく。町の入り口付近から丘の上まで、真直ぐに伸びる白く長い石段の上に立つ。白いばかりに見えた町は、近付いてみれば町の住人の遺物らしい品が多く転がっていた。
朽ちかけた書物、色彩豊かな水瓶、紅珊瑚の装飾品、蒼い瞳の人形。それらに混ざって、山紅葉の如く大量に散る鮮やかに蒼い鱗。掌ほどもある透き通った鱗の一枚を拾い上げ、白露は雪色の髪を揺らして小さく首を傾げる。これはあの大蛟のものなのだろうか。
チリリ、指先につまんだ鱗が小さく震えた。かと思えば、鱗を触媒に蒼い魚の幻影が水中に浮かび上がる。掌を握れば容易く潰れてしまいそうな幻を前に、白露は僅かも惑わず小さく微笑む。
タスケテ、とその魚は小さな小さな声を白露の頭に響かせた。
「――白露さん」
小魚の声に混ざり、ふと鈴のような声が耳に届く。首を巡らせた白露が見たのは、透き通るような金の髪と華奢な体を蒼い波に惑わせながら白砂の上をまろぶように駆けてくる少女。
「やあ、お嬢さん」
「白露さん……」
会えると思って居なかった青年の傍らに駆け寄り、
花風 冴来
は静かに微笑んだ。深い泉の色した瞳を、丘の上へと伸ばす。
崩壊した瓦礫の上、鱗に覆われた巨躯を遥かな水面向けて伸ばしては落とし、その度に白い町並みを破壊し続ける大蛟を見つめる。
「花風」
「花風さん!」
悲しい瞳で丘の上を見遣る冴来を追い、
八神 修
と
椿 美咲紀
が水底を駆けて来る。見知らぬ世界に突如として呼び込まれ、不安に呑まれて周囲を見回すばかりだった己を見つけてくれたふたりに、この世界の事情を聞かせてくれたふたりに、冴来は信頼の笑みを向けた。
「修、美咲紀」
綺麗だけれど寂しい場所だと、一目見たときから思っていた。恐ろしく巨大な蛟が暴れ続けていても、その思いは変わらない。
家々をその身で砕きながら大蛟が咆哮を轟かせる。全てを呪うようにも全てを嘆くようにも聞こえるその声に、冴来は金の睫毛を伏せた。
(なんとかしてあげたい……)
「あの子のこと、何とか宥めて、安心させてあげられないかしら」
恐ろし気な声で吼えて暴れる異形へと蒼い瞳をもたげて囁く冴来の言葉に、修は莞爾と笑った。
「うん、君なら力を貸してくれると思ったよ」
「大した力にはなれないかもしれないけれど……」
タスケテ、と白露の掌の上で小魚が鰭をはためかせる。口をぱくぱくと動かし、大蛟の正体と己の正体を告げる。己の最期の尽力とそれを発動させるための方法を告げる。
「巨獣の鱗を沢山集めればいいのね」
何の躊躇もなく、更なる説明も求めず、冴来は細い顎を引いた。
「解決しないと僕らは帰れないんだろう?」
白露がいっそ明るく笑う。
「なら解決しに動くしかないよね」
初めて会ったはずのふたりから心強い言葉を聞き、安堵したように小魚の幻は水に溶けた。後に残る蒼い鱗に、修は誓う。
「俺達も出来る限りをします」
宥めて安心させてあげたいと冴来が言っていた。その通りだと修は思う。
今の彼は――先代であるアレスが死に、望まずして次代の『町を護る巨獣』と化してしまったユニ少年は、ひとり残された寂しさと恐怖に視野を狭め、恐慌状態に陥ってしまっている。己で作り上げた殻に閉じこもってしまっている。
ひとりではないと宥め、安心させてやれさえすれば、彼は町の破壊を止める。たとえ誰もいないとしても、此処が大切な場所であるのにきっと変わりはない。
(伸ばされた手なら幾らでも掴めるんだ)
そのことを修は知っている。そのためには彼を閉ざす心の殻を壊し視野を広げてやらなくてはならない。けれど、それは外側からの言葉でだけでは壊し切れない。
(内側から、彼自身が壊さなくては)
自分を変えうるのは自分だけなのだということも、修は思い知っている。
「当人が未来を求めないと難しいよね」
己が身で町を破壊し続ける『町を護る巨獣』を黒い瞳で見つめたまま、美咲紀は呟いた。けれど、その方法を探して迷っている時間はそんなにはなさそうだ。元ユニだったあの大蛟は、町を破壊し、町を護る結界を破壊しようとしている。
結界が破壊されれば、大昔に町の人々を『溶かした』水が再度流れ込む。そうなれば此処に呼び込まれた自分たちの命も危い。
「……たぶん、私たちの声なんて届かないのです」
見る限り、『町を護る巨獣』は暴走状態にある。顔見知り程度の存在の声なんてきっと届かない。良く知っている存在であり、なおかつ心の奥で求めている存在の声でなくては話も聞いてくれないかもしれない。
この世界でそれがあてはまるのは、きっとただひとり。
「アレスさんでないと」
そのアレスが言うのであれば、やるべきことはひとつ。
「まず鱗を探そう」
美咲紀に頷き、修が町へと視線を向ける。
そうすれば、アレスがきっと閉ざされたユニの心に一瞬なりとも空白を作り出してくれる。その空白にならば皆の声も届く。声が届けばユニも周囲を見渡せる。ひとりではないと気づくことができる。修はそう信じる。
「手分けしよう……急がなきゃならんからな」
「私は花冠広場に向かいます」
この地を訪れたことのある美咲紀が言うなり石畳を蹴った。結い上げた黒髪を揺らし、迷うことのない足取りで石畳の路を辿って行く。
(巨獣がここをずっと守っていたのは、つまり歴史を守っているようなもの)
神殿があった丘の上を見る。己の身を投げ出すようにして町を薙ぎ倒し続ける大蛟の姿したユニを見つめる。
(なので人が沢山いたような所とか、)
その土地の文化がよく出ているような所や、今までの人々の生活が垣間見えそうな所に鱗は、――『町を護る巨獣』の欠片はきっと落ちている。
「頃合いを見て合図するよ」
気を付けて、と幼馴染の少女の背を見送り、修は町に巡らされた石畳の路へ視線を投げる。
「そうしたら神殿へ、……丘の上へ来てくれ」
頷く冴来と白露に短く笑み、修も巨獣の鱗を集めるべく町へ駆けだす。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
前回シナリオ
水底の廃墟
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年12月15日
参加申し込みの期限
2017年12月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年12月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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