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『somnium』へようこそ!
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アクセサリーの可愛さは、装飾の有無によるものではない。例えば満帆の目の前にあるこのチョーカーだって、目に見える装飾は小さな鈴が1つきりというシンプルさだけれども、逆にそこが可愛い、と感じられる。
「う~ん、ええなぁ~……」
ゆえに満帆はチョーカーを前に、もう何度目になるか知れない呟きを漏らした。シンプルだけど、色使いや布の重ね方なんかが可愛くて、おまけに光沢を抑えた小さな鈴がちりん、とささやかに鳴るのがまた可愛い。
うーん、とまた悩んでチョーカーを手に取り、天井の明かりにかざしたり、鏡の前で自分に当ててみたりする。そうしたらますます欲しくなってしまって、うぅ、と悩ましい呻き声を上げた。
「お小遣いもまだ大丈夫やし……買ってまおかなぁ……」
「どれ? ……あぁ、これもまた良いデザインだね。色合いも良い」
その声に、興味を惹かれて月詠は満帆の手元を覗き込み、チョーカーの意匠に目を細めた。夫人の手によるものかは解らないけれども、1つ1つ、手作りされている品なのだろう。
そう言うものも、それ以外のものも。あらゆるものを見ると創作意欲が沸いて来て、自分も作ってみたい、という衝動が生まれる月詠だ――同じものを作ってみる事で、自身の中に新たな『何か』を生み出す事も、出来る。
だから、持ち帰ったらアトリエで作ってみようと、彼女が買ったのはポプリや粘土細工の箸置き、要所要所に木彫りのプレートを縫いつけた小さなタペストリー。ジャンルに統一性はないけれども、どれも月詠に『何か』を訴えてくる品々。
レジで支払いを済ませた彼女は、そうだ、と老夫婦に申し出た。
「出来るなら夫婦併せてスケッチさせてください。何、数分あれば下書きができます。完成したら寄贈しますから」
「あら、こんなおじいさんとおばあさんで良いの?」
「勿論です」
それに笑った伊都子婦人に、こくりと月詠は頷く。好きな事を仕事にして、活き活きと輝く老夫婦は、むしろ老いたからこそ尚一層の輝きを増したのだろう、と思われた。
そんな2人の姿を、描き留めたい。そう話しながらスケッチブックを出す月詠とは、また別の芸術的センスを、能美子は発揮しようとしていた。否、どちらかと言えば元モデルとしての視点、だろう。
真剣に選んでいるのは、新しいアクセサリーとか欲しいかもねー、と笑った葵の為のアクセサリー。彼女に似合いそうな色、形――たとえ同じネックレスだったとしても、鎖の長短1つでそれは、まったく違う印象を人に与えるものになる。
だから、真剣に。自分の分は、次の時で構わないから。
「――これなんか、どうかしら。割と良いと思うけど」
「どれどれー? あー、うん、良いかもねー。弘明寺君、センスいいねー……芸術科ってだけあるよー」
「そッ! そんな事ないわよッ」
渡されたネックレスを試着してみて、鏡の中の自分に軽く目を見張った葵がそう言うと、能美子は顔を真っ赤にしてぶっきらぼうにそう言い捨てた。けれどもどこか嬉しそうに見えるのは、きっと、葵の気のせいじゃないだろう。
能美子と食べるスイーツも美味しく楽しかったし、彼女と雑貨を見て回るのも、先ほどからこんな調子で楽しいし。これは相席に感謝しなくちゃだねー、と1人頷く葵をちらりと見て、能美子は迷うように唇を動かし、結局何も言わないまま閉じる――ちなみにこれで3回目。
言おうとして、言えない言葉。紡ごうとするたびに迷いや、気恥ずかしさや、不安や、恐れや、そんなものが湧き出てきて結局、彼女の唇を閉ざさせる。
――けれども。
「み、三ヶ島……さん」
「んー?」
ついに零れ出てしまった言葉に、葵がそう振り返って、逃げられなくなったのを悟った。それに、言葉に出来ない不安を感じながら能美子は、続く言葉を必死の思いで紡ぎ出す。
あと少し、あと少しだけ。この気持ちに、ほんのちょっとだけ素直になる為に。
「も、もしよかったら来週か、再来週かでもまたソムニウムにいけたら……いいわね」
「……そうだねー。ふっふふー、弘明寺くんとならまた来てみたいんだよー! 今度は取材とかじゃなくてー、友達同士としてだねー!」
最後の方は消え入りそうになりながら、どうにか最後まで紡がれた言葉を聞き取って、葵はにっこりと頷いた。出会いは取材先の喫茶店での相席、そんな縁から始まる友情も、きっと面白いだろう。
そんな葵に能美子が、心底ほっとした表情で大きく頷いた。が、すぐに気恥ずかしくなったのだろう、顔を真っ赤にして「それ! 気に入ったのなら、買ってきたら?」とレジを指差す。
そのレジの横にあるケーキケースの向こう側で、銀次郎はせっせとイートイン客のためのケーキの準備をしていた。次のオーダーは夏みかんの乗った季節のフルーツタルトと、夏みかんのシュークリーム、夏みかんのジャムを練り込んだパウンドケーキ。
それらを慎重にお皿に乗せて、うしッ、と頷く。トレイにそのお皿と、それから注文の飲み物を一緒に乗せれば、後はテーブルまで運ぶだけだ。
銀次郎は混み合う店内を身軽にすり抜けると、イートインスペースに置かれたテーブルの1つに歩み寄る。そんな銀次郎に気付いておしゃべりを止めた、2人の前にそれぞれ注文のケーキと飲み物を置いて、彼なりに気を使った言葉遣いでこう尋ねた。
「待たせたな、これで頼んだものは揃ったかよ」
「うわぁ、上から~」
「うっせーよ! ……で、揃ったか、です、か」
そんな銀次郎を店内に居た友人が茶化すのに、がぁッ! と吼えて銀次郎は、改めて2人の客に尋ねる。だが、さすがにちょっと意識してしまって、我ながら奇妙な言葉遣いになったと内心でがっくりした銀次郎に、尋ねられたアリーセと凜は顔を見合わせて、クスッ、と笑みを零した。
凜の前にはフルーツタルト、アリーセの前にはシュークリームにパウンドケーキ。オーダーも、飲み物も間違っていない。
「大丈夫ですー」
だから凜が元気よく答えたのに、アリーセも同意して頷くと、銀次郎はほっとした様子で「ごゆっくり」とぶっきらぼうに告げ、別の客の所へ行ってしまった。聞こえてくる、「ご注文はお決まりで?」という言葉にまた何となく、顔を見合わせて笑う。
そうして運ばれてきたお菓子を1つ1つ見て、先ほどメニューを見た時にも思ったことを、アリーセはしみじみと呟いた。
「本当に、全部夏みかんなのね」
「だねー! えへへ、早速食べよ、アリーセちゃん!」
そんなアリーセに大きく頷く凜の手は、すでにしっかりとデザートフォークを掴んでいて、どこから攻略しようかフルーツタルトと睨めっこしている。切り分けた時のバランスも考えられているのだろう、夏みかん以外のフルーツもふんだんに乗せられたタルトは、瑞々しくて美味しそうだ。
口に入れるとふわりと広がる、フルーツとクリームの甘味。タルト生地はしっとりし過ぎずさくさくで、ほろほろ口の中で零れていく。
「うわぁ、これ、すっごく美味しい♪」
「……うん、このパウンドケーキもピールの風味が良く出てて美味しい。柑橘系は皮が美味しいのよね」
「そっかー。甘い物は大好きだからねー。来てよかったよー!」
アリーセの言葉に、うんうん頷く凜である。美味しい物を食べるのは、それだけで幸せになるものだし、それが仲良しの友達と一緒なら、尚更ご機嫌だ。
だから嬉しそうな凜を見る、アリーセも知らず微笑んで、次はシュークリームに手を伸ばす。こちらはクリームに夏みかんを搾ったジュースを混ぜているようで、少し柔らかめのクリームが、さっくり焼き上げられたシュー生地から零れ出してくるのが、また絶妙。
(ママが作ってくれるトルテも大好きだけど、お店で食べるのは別物よね)
しみじみとそう思う。どちらも手作りには違いないのだけれども、母が作ってくれるものには家庭的な、お店のお菓子にはプロの技巧を駆使した、それぞれ違った味わいがあって、どちらの方が美味しいという物ではない。
『somnium』のお菓子はどちらかと言えば、アットホームな味がする気がする。そう言ったアリーセにまたうんうんと頷いて、凜は幸せな笑顔を浮かべる。
「ケーキは美味しいし、雑貨は可愛かったし。アリーセちゃん、一緒に来てくれてありがとう! 誘った甲斐があったよー♪ また一緒にお出かけしようね!」
「うん。また、ね」
「うん! いつか、アリーセちゃんの家の雑貨屋にも行ってみたいなぁ」
そんな風に、楽しいお喋りをしながら食べれば尚更、スイーツが美味しく感じられるような気がした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年06月10日
参加申し込みの期限
2013年06月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年06月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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