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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
メーデー・メーデー
「紗雪さーん、ちょっといいですか」
「うぃーす」
紗雪 幽は閑散としてきた店の中、店長に呼ばれ事務所に戻った。大事なデータが入っているのではとも思いつつ、店長に代わって幽がパソコンを操作しメールを開く。件名と文面から檜扇 舞華という人物が送ってきたものとわかった。レシピが添付されていることから応募のため送ったものだろう。幽がもう一つ、添付されている動画データを開くと、キッチンに笑顔で立っている、メイド服の女性が画面に現れた。この女性が檜扇 舞華だろう。再生すると早速元気な声がスピーカーから聞こえてくる。
『はーい、本日の料理動画は春巻きです』
鈴が鳴るような声で言って、舞華は隣を手で指した。すると料理番組か何かのように、レシピサイトの画面がいくつか紹介される。編集で追加されたものだろう。それでも不自然にならないことに、彼女の経験が感じられる。舞華は笑顔のまま、こう言った。
『こちらのレシピを参考にしました』
続いて、隣の画面がレシピに変わって、徐々に舞華の映っている枠が大きくなる。舞華はカメラの撮影範囲外からボウルを取りだして、視聴者に見せるようにその中身をカメラの方へ向けた。
『まず、具を用意します』
幽が見るに、ボウルの中はひき肉と筍が混ざり合っているもの……のように見える。舞華は視聴者の疑問に答えるように、説明を加えた。まさに料理番組か何かのように、フライパンの中で合いびき肉と筍が炒められるシーンが挿入される。
『今回は合挽き肉と筍を炒めたものを作りました。餃子のタネだったりハムチーズ等もよいでしょう』
そして舞華はまた撮影範囲外から春巻きの皮を取り出して見せる。ここで、皮を手作りするシーンが挿入された。
『皮は四角い物を用意してください。小麦粉と片栗粉で作っちゃうのもいいですよ？』
映像は舞華を中心としたものに戻り、続いて手元がアップで映される。白く清潔な手が、春巻きの皮を１枚１枚取り出していった。
『具を入れる前に、折り紙の要領で兜を折ります』
舞華の手が、皮を折っていく。柔らかい皮を破らないように、丁寧に、しかし手際よく兜の形を作っていった。
『この春巻きの皮を……っと。折り方を真似して作ってくださいねー』
その途中、ある工程の中で舞華は先程までと違ってゆっくりと折りだした。『ここでポイント』という文字も表示される。
『ここでは折り目をしっかり入れて、袋ができるとこまでやります。貼り付ける際は水溶き片栗粉を使いましょう』
兜に袋が出来ていることをカメラの方へ見せて、その中に最初に作っていた具を慎重に詰めた。詰め終わると、残った皮をそこに入れて、貼り付ける部分に水溶き片栗粉を塗っていく。
『具を詰めたら残りの皮を袋に入れて、閉じます』
しっかりと閉じているところを見せてから、舞華はこう言って念押しした。
『この時、具が出ないように、しっかり貼り付けてくださいね』
こうして一つ作り終えると、一度画面は暗転して、何個か用意された兜型の春巻きと、油の張った鍋、笑顔の舞華が映る。また、『ここでポイント』という文字が現れて、適切な油の温度が表示された。
『あとは揚げたら完成！』
パチパチと油の中で兜がきつね色に変化していく映像が画面に映った。画面の中のことではあるが、まるで匂いまで感じられそうだ。食欲をそそられつつ、幽は再生を続ける。暫くすると、すっかり揚がって皿の上に並んだ春巻きが映った。
『名付けるなら……春巻き兜、ですかね』
そうして、レシピの復習になる映像が挟まれてから、また元の映像に戻る。
『ね？ 簡単でしょ？ この揚げたやつは今日の晩御飯ですねー』
舞華は春巻きの並んだ皿を持って、カメラに向けて手を振った。
『皆さんも是非真似してくださいねー！ ではではっ』
その言葉を最後に、映像は終わる。それを閉じた幽は、店長の方を向いて口を開いた。紗雪の言葉に、店長は未だ懊悩する顔で頷く。
「……どうっすかね、店長」
「検討しますか」
「ふー」
舞華はカメラを止めてから、先程までの映像を確認した。編集はするにしても、元は大事である。一通り流してみて、問題ないと見るやパソコンへデータを移した。
「よく撮れてる。あとは編集して……」
編集に編集を重ねて、完成したものをまた通して見て。クオリティを上げていく。最終チェックを終え、それを動画サイトにアップロードした。そしてそれを添付し、メールを送る。ネットサーフィン中に見かけた公募に思わず一本作ってしまったが、舞華に後悔はなかった。
「もうこんな時間ですか」
すべてを終えた舞華が時計に目をやると、だいぶ時間が経っていたことが分かる。舞華は椅子から立ち、伸びをして呟いた。
「なかなか楽しかったですね」
「うぃーす」
紗雪 幽は閑散としてきた店の中、店長に呼ばれ事務所に戻った。大事なデータが入っているのではとも思いつつ、店長に代わって幽がパソコンを操作しメールを開く。件名と文面から檜扇 舞華という人物が送ってきたものとわかった。レシピが添付されていることから応募のため送ったものだろう。幽がもう一つ、添付されている動画データを開くと、キッチンに笑顔で立っている、メイド服の女性が画面に現れた。この女性が檜扇 舞華だろう。再生すると早速元気な声がスピーカーから聞こえてくる。
『はーい、本日の料理動画は春巻きです』
鈴が鳴るような声で言って、舞華は隣を手で指した。すると料理番組か何かのように、レシピサイトの画面がいくつか紹介される。編集で追加されたものだろう。それでも不自然にならないことに、彼女の経験が感じられる。舞華は笑顔のまま、こう言った。
『こちらのレシピを参考にしました』
続いて、隣の画面がレシピに変わって、徐々に舞華の映っている枠が大きくなる。舞華はカメラの撮影範囲外からボウルを取りだして、視聴者に見せるようにその中身をカメラの方へ向けた。
『まず、具を用意します』
幽が見るに、ボウルの中はひき肉と筍が混ざり合っているもの……のように見える。舞華は視聴者の疑問に答えるように、説明を加えた。まさに料理番組か何かのように、フライパンの中で合いびき肉と筍が炒められるシーンが挿入される。
『今回は合挽き肉と筍を炒めたものを作りました。餃子のタネだったりハムチーズ等もよいでしょう』
そして舞華はまた撮影範囲外から春巻きの皮を取り出して見せる。ここで、皮を手作りするシーンが挿入された。
『皮は四角い物を用意してください。小麦粉と片栗粉で作っちゃうのもいいですよ？』
映像は舞華を中心としたものに戻り、続いて手元がアップで映される。白く清潔な手が、春巻きの皮を１枚１枚取り出していった。
『具を入れる前に、折り紙の要領で兜を折ります』
舞華の手が、皮を折っていく。柔らかい皮を破らないように、丁寧に、しかし手際よく兜の形を作っていった。
『この春巻きの皮を……っと。折り方を真似して作ってくださいねー』
その途中、ある工程の中で舞華は先程までと違ってゆっくりと折りだした。『ここでポイント』という文字も表示される。
『ここでは折り目をしっかり入れて、袋ができるとこまでやります。貼り付ける際は水溶き片栗粉を使いましょう』
兜に袋が出来ていることをカメラの方へ見せて、その中に最初に作っていた具を慎重に詰めた。詰め終わると、残った皮をそこに入れて、貼り付ける部分に水溶き片栗粉を塗っていく。
『具を詰めたら残りの皮を袋に入れて、閉じます』
しっかりと閉じているところを見せてから、舞華はこう言って念押しした。
『この時、具が出ないように、しっかり貼り付けてくださいね』
こうして一つ作り終えると、一度画面は暗転して、何個か用意された兜型の春巻きと、油の張った鍋、笑顔の舞華が映る。また、『ここでポイント』という文字が現れて、適切な油の温度が表示された。
『あとは揚げたら完成！』
パチパチと油の中で兜がきつね色に変化していく映像が画面に映った。画面の中のことではあるが、まるで匂いまで感じられそうだ。食欲をそそられつつ、幽は再生を続ける。暫くすると、すっかり揚がって皿の上に並んだ春巻きが映った。
『名付けるなら……春巻き兜、ですかね』
そうして、レシピの復習になる映像が挟まれてから、また元の映像に戻る。
『ね？ 簡単でしょ？ この揚げたやつは今日の晩御飯ですねー』
舞華は春巻きの並んだ皿を持って、カメラに向けて手を振った。
『皆さんも是非真似してくださいねー！ ではではっ』
その言葉を最後に、映像は終わる。それを閉じた幽は、店長の方を向いて口を開いた。紗雪の言葉に、店長は未だ懊悩する顔で頷く。
「……どうっすかね、店長」
「検討しますか」
「ふー」
舞華はカメラを止めてから、先程までの映像を確認した。編集はするにしても、元は大事である。一通り流してみて、問題ないと見るやパソコンへデータを移した。
「よく撮れてる。あとは編集して……」
編集に編集を重ねて、完成したものをまた通して見て。クオリティを上げていく。最終チェックを終え、それを動画サイトにアップロードした。そしてそれを添付し、メールを送る。ネットサーフィン中に見かけた公募に思わず一本作ってしまったが、舞華に後悔はなかった。
「もうこんな時間ですか」
すべてを終えた舞華が時計に目をやると、だいぶ時間が経っていたことが分かる。舞華は椅子から立ち、伸びをして呟いた。
「なかなか楽しかったですね」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年12月05日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年12月12日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年12月12日 11時00分
