メーデー・メーデー｜リアクション

メーデー・メーデー

　後日、《Délicieux!》の店内には時子や幽たち店員の他、レシピを送った人々が集まっていた。テーブルの上にはたくさんの料理が並んでいる。時子と幽の作ったものの他、日本茶のブラマンジェに、鯉のぼりやメカのクッキー。兜型の春巻きや、たまごあいす、レヴァニもある。アシエロスープ、トリコロールサンド、洋風おこわのちまきも並び、華やかだ。

「結局全部採用したみたいっすね」
「ですね……！」

　苦笑している時子の隣で、幽は親子猫ケーキを食べる。食べ終わると、時子の食べていた夜空のケーキに手を出した。幽は一口一口、食べては感想を言う。

「うわーどれもメッチャ美味しいっすね！」

　そんな幽の様子を見て、招かれた客、白露が笑った。

「元気でいいね」

　その時、ブラマンジェを食べ終わったロベルトが、ミネストローネの入った鍋を指差して一緒に居る二人の肩を叩く。征一郎は呆れた様子でプレートの『アシエロスープ』を見た。

「内藤、神嶋！　アシエロスープがあるよ！」
「名前そのままじゃねぇか」
「行こう」

　賑やかな三人組が通った後、時子と幽がちまきに手を伸ばす。笹の葉を開くと、中から良い香りがした。パラパラだが、崩れないようにしっかり固めてある。時子と幽は一口、食んでは不思議そうにそれを眺める。

「中がピラフになってるんですね」
「不思議な食感っす」

　ちまきを食べながら、籠の中に積まれたクッキーを見た幽は、口を開いた。クッキーは食べるとサクサクと音を立てて口内で砕ける。バターの風味と、アイシングが美味しい。

「これ誰が考えたんすか？」
「はいっ！」

　幽の言葉に瀬莉が手を挙げて応じた。幽は瀬莉の姿を見ると、感心したように言う。そんな瀬莉の手には、幽の考えたラテがあった。

「へーセンスありますね！」
「ありがと！　この飲み物も美味しいよ！」

　瀬莉の率直な感想とその笑顔に、幽は笑った。その後ろで、舞華がメニューをじっと観察している。幽はその次に舞華の作った春巻きを食べて、

「俺、これ超気に入りましたー」

　と言うと、舞華が振り向いて幽に対し控えめに微笑んだ。

「どうも？」

　《Délicieux!》の中は、笑顔と美味しい料理で溢れている。こうして決まった五月の新メニューは、これから訪れる人々を楽しませるだろう。奥から店長が現れて、一人一人、皆に頭を下げて礼を言った。
　五月の涼しい風が、外から吹いてくる。それがカーテンとクロスの端を揺らした。また誰かの笑い声が響いて、鯉のぼりが膨らむ。風がもう一度吹くと、そのてっぺんにある矢車が回った。
　《Délicieux!》は今日も盛況である。

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あとがき

担当マスター：六原紀伊
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お世話になっております。六原です。
皆様のご協力のお陰で無事新メニュー決定しました！
あとがきから読まれる方もいると思うので、詳しくはリアクション中で。

アクションを読んでいて、斬新なアイデアに流石！と驚かされました。
皆様のイメージをちゃんとリアクションで描けているか、提出後も緊張しております。

少しでも楽しんでいただければ幸いです。ご参加ありがとうございました！！

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