this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
メーデー・メーデー
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
12
つぎへ >>
矢萩 刃
にとっては待ちに待った、
矢萩 秋
にとっては複雑な『萩屋』の打ち合わせがやってきた。刃は隣に立つ秋をちらりちらりと見つつ、この大切な時間を有意義に使う術を探す。場所はもう決めてあった。悠然とした動きで、刃は貰ったばかりの《Délicieux!》のチラシを秋に見せる。
「折角だからデートとしゃれ込もうじゃないか」
その瞬間、場の空気が冷えた。秋は刃のことをその切れ長の目できっと睨む。刃はそれに苦笑しつつ、両手を挙げ口を開いた。
「冗談だから……」
「……冗談言ってると殺すぞ?」
秋のそれは冗談ではなく、刃を気迫で圧倒する。刃は冷や汗を垂らしながら、目を逸らして嘯いた。
「君達三姉妹が本家をどう思ってるかは身を持って知ってるからね」
秋は刃を睨みながら、また口許も固く引き結んで黙っていたが、やがてこう言う。
「刃、あんたには恩を感じてるが……そもそもこの関係は、うちの家族を滅茶苦茶にした親父の代わりにあんたが贖罪を……って形なんだ」
刃が自分に視線を戻したのを逃さず、秋は念押しするように付け加えた。刃はやれやれといったように額を押さえて目を閉じる。
「そこは勘違いするなよ?」
「……わかってる……そんな怒んないでくれ」
二人の間の無言の攻防が暫し続いたのち、秋がふうっと身体を弛緩させて、《Délicieux!》のチラシを覗き込んだ。それに刃はほっとしては、次いで父のしでかしたことを思い頭を痛める。
「……まあ、それはそれ。奢ってくれるなら付き合うさね」
先程の様子はどこへやら、上機嫌で先を行く秋の背中を愛おしげに眺めながら、刃は独り呟いた。
「……はあ、親父め……醜い嫉妬で本当に余計な事を……」
そもそも刃にとってこの『打ち合わせ』は、秋に会うための口実である――秋からはろくに相手にされていないが。というのも、秋は刃の父によって『萩屋』を潰されては借金苦に陥れられ、家族共々人生を壊されかけたのだ。秋はそんな状況から救ってくれた刃の尽力に感謝はするものの、その父を思うと――。それを刃もわかっていて、度々残念に思うのだ。
秋は《Délicieux!》の扉の前に立ち、刃を呼ぶ。刃はすぐさま駆け寄った。
《Délicieux!》の扉を開けた二人は、その、カーネーションや鯉のぼりで彩られた店内を見て、感心な表情を浮かべる。秋はチラシに添えられた説明書きを読んで、呟いた。
「月毎にコンセプトの違うメニューと内装ね……」
「面白いね」
布の兜をつけた店員に案内されて、二人は席に着く。旬のものを取り入れつつも、月のイベントに因んだ料理がメニューの中並んでいた。刃は秋に微笑みかけながら言う。
「どうだい?」
「中々参考になるさね!」
刃もまた、メニューと店のインテリアを見て秋に言った。下心があるのも確かであるが、ここは仕事人の目で良く観察する。秋もこの話題には和やかな雰囲気で応じた。
「やはり『萩屋』ももっと月毎のイベントを取り入れてもいいかも」
「そうさね。考えとくよ」
そして二人は、ぱらりぱらりとページをめくっては、注文を決めるべく吟味する。デザートのページで秋は固まっていた。唸っている秋に、刃は軽薄な調子で話しかけた。
「うーん……」
「どうした?」
秋はそのページを見せて、うさぎのケーキとカーネーションのケーキの間で指を動かす。
「いや、ちょいと悩んでてね」
そんな秋の様子を見て、刃は口元を緩めた。刃のその表情を、秋はどこか複雑な面持ちで見る。刃はカーネーションのケーキが写った写真を指差して言った。
「それじゃあ俺はこっちを頼むよ。シェアして食べよう」
「……仕方ないね」
「嫌かい?」
「貸しを作りたくないだけさね」
「大袈裟な」
けらけらと刃は笑って、注文を終える。程なくしてケーキはやってきて、二人の目を楽しませた。秋の前に置かれた皿には、うさぎのケーキ。ホワイトチョコレートが、クリームで覆われたまるい頭に耳の如く刺さっている。チョコレートで描かれたつぶらな瞳が秋を見詰めていた。刃の前に置かれた皿はカーネーションの花を模したケーキが載っている。遅れて、ハーブティーと鯉のぼりのラテアートが施された珈琲が来た。
秋は早速、ケーキを半分に切り分ける。しかしカーネーションはともかく、うさぎの顔を半分にするのは気が引けて、フォークを止めていた。それを見て刃はまた微笑む。刃の表情が後押ししたのか、秋はさっとフォークを通した。
「な、何さね。じろじろ見て」
「なんでも」
気まずさをケーキの甘味で和らげる。秋はケーキを良く味わって、ハーブティーを口に含む。そして、しみじみと言った。
「ふむ……甘味も美味しいし……気に入ったさね」
落ち着いてきたところで、二人は仕事の話に入る。話題に上がるのは、もうすぐ始まる『ぐらぐら』。萩屋もそれに参加するか否か、秋は言った。
「もうすぐ『ぐらぐら』ってイベントも始まるし……色々と決めないとさね」
二人の間は暫し話し合ってから、ひと段落着いたところで刃が妹の写真を取り出した。秋も負けじと自らの妹を携帯の画面に映す。
「さて……」
「ああ……」
先程までの雰囲気はどこへやら、二人とも妹のかわいらしさを存分に語り合う。しかしその途中、刃は沈んだ顔で呟いた。
「……最近妹が一緒にお風呂に入ってくれなくてね……お兄ちゃん悲しいのさ」
「そりゃ辛いさね」
秋もその様子を想像しては、悲しみに共感して頷く。妹の話は続く。刃が平静を取り戻した次には、秋が拳を握って歯を食いしばり、妹の恋人のことを苦々しく語る。
「ただ……上妹に最近悪い虫が付いて……私は絶対認めないよ!」
「そろそろ姉離れの時かな」
「何だい、それを言ったらあんたの妹もじゃないかい?」
「……妹を嫁に? 出す訳ないだろ!」
「だろう?」
へらへらと笑っていた刃だったが、自分の妹がよその男と結婚する様を想像すると、秋とまったく同じ表情になり声を荒げる。秋はそれに強く同意して、人目も憚らず叫んだ。そう、すべては妹への愛ゆえに!
「うちの天使達を嫁に行かせるかー!」
通りがかった店員がびくっと反応するも、騒がしい店の中、秋の声はそう目立たずにかき消された。口直しにカップの中身を飲んで、秋と刃はまた妹の話に戻った。それが止んだのは、時計の針が大きく進んだ頃。二人は店を出て、夕焼けで染まった空を眺めながら道を歩く。
「中々面白い喫茶店だったね」
沈黙を払うように、刃が口を開いた。秋は頷きながらも、視線は茜空に向けている。刃もそれに何も言うことはなく、また沈黙が戻ってきた。二人の靴音が響く。秋はふっと息を吐き、言った。
「まあ、今日はいつもよりは有意義だったさ」
「それは何よりだ」
「早速活かすさね」
秋の声を聴きながら、刃は茜の差す彼女の横顔を見る。元々美しい彼女の顔が、より美しく見えるような気がした。そうして、次の打ち合わせの時を思いながら刃は微笑む。
「ふふ、じゃあ期待してるよ、店長殿」
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
メーデー・メーデー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
六原紀伊
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年12月05日
参加申し込みの期限
2017年12月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年12月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!