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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
踏破せよ！ 寝子島ダンジョンズ
【おしろダンジョン】
「ふわぁぁぁ……ん？」
おふとんにもぐりこんでぬくぬくすやすや……と、桜庭 円は気持ちよく眠りについたはずでした。
「うん。牢屋だね」
はたと気づけば、石で囲まれた冷たい牢屋の中。
円は思いました。あ、これいつものヤツだ……と。
「よし、次だ！ 出ろ囚人！」
ばかーん！ と扉が開いて、いかにもファンタジーッな衛兵さんたちが何人かやってきました。剣と盾で武装し、頭にはすっぽりと兜をかぶっていて、顔はさっぱり見えません。
「さて、この女の名前は？」
「どうします、隊長？ こいつはリストにありません」
「リストは関係ない。死んでもらうだけだ」
「えっ、ボク死ぬの？」
衛兵たちはどうやら、円を処刑する気のようです。なんてこった！ 寝ていただけなのにいきなり首ちょんぱの刑とは、さすがの円もちょっと納得がいきません。
ふと、衛兵さんのひとりがおもむろに円をじっと見て、ぽつりと言いました。
「昔はお前のような冒険者だったが、尻に矢を受けてしまってな……」
「なら、君の剣と盾はボクがもらい受けようー。そいっ」
目にも止まらぬとはこのことです。すぱぱぱぱん！ 円は高速ジャブの連打で衛兵たちを兜の上からノックアウトしてしまうと、インベントリ画面を開いて『鉄の剣』と『木の盾』をパクりました。極めてロールプレイングゲーム的な動作で。
「うむ。生き残るためには、戦わねばならぬのだ」
ひとまず装備を整えた円は、すたこらと牢屋から逃げ出しました。これが壮大な冒険の幕開けであったとは、夢にも思わずに……。
どうやらここは、お城です。あんまりにも巨大なお城そのものが、ダンジョンと化しているようなのです。
手始めに襲いかかってきたスライムの群れをぶちのめしたところで、奇妙な黒ローブの男が現れて円に言いました。
「お嬢ちゃん、なかなかやるじゃないか。実はあんたの腕前を見込んで、ちょいと頼みがあるんだが……」
「うん。クエスト発生だね」
お城には円と同じような冒険者がいて、なにかと話しかけてきたり、対立したりすることもあるようです。
「ゴブリンどもに、大事な魔法の杖を取られちまったんだ。取り返してくれたら礼は弾むよ。１５０ゴールドでどうだい？」
「こういうサブクエストも地道にこなしておかないとね。おっけー」
ふたつ返事で引き受けた円は、すぐさまゴブリンのアジトへ殴り込みをかけました。
きいきい鳴くゴブリンはたいして強くもないわりに、ほうぼうから盗んできたアイテムをごっそりため込んでいて、円の懐はあたたかくなりました。装備もパワーアップ！
「おっ。杖はっけーん」
なにやら綺麗な宝石が先っぽにはめ込まれた杖を拾い上げると、円はそれをまじまじと覗き込みます。どうやらこれがクエストクリアに必要な目的の品のようです
「……これ、けっこーいい値段で売れそうだね」
円は杖もパクることにしました。どう考えても持ち主に返すより、売り飛ばしたほうが儲かりそうだったもので。
最近のゲームはとてつもなく自由度が高いので、世界を救う勇者になることも世紀の大泥棒になることも、なんならそれを両立することだってできちゃったりするのです。少なくともこのダンジョンではそんなカンジの、オープンワールドなフリーシナリオ系なのです。
「よし。クエスト完了ー！ 次いってみよー」
円の冒険は続きました。お城のダンジョンを縦横無尽に駆け巡り、次々に発生するクエストを片っ端から攻略していきました。
盗賊退治の依頼を受けて出かけていったと思ったら、盗賊と結託して依頼主の溜めこんでいる財宝を盗み出したり。その盗賊も最後には裏切って、結局バッサリやっつけちゃったり。
盗みが儲かると気づいて冒険者の荷物から金品をスリまくっていたらまた衛兵につかまってしまったり。でも手に入れたお金でワイロを掴ませて事なきを得たり。
凶悪なドラゴンが守る伝説の装備を手に入れるため、洞窟の壁にツルハシで横穴掘ってぶっこ抜いたり。怒ったドラゴンがダンジョン中を暴れ回って甚大な被害が出ながらも、そしらぬ顔で通してみたり。
そして今。円は全身を伝説級の究極装備で固め、手には聖剣と光の盾を携えて、ダンジョンの最深部へ続く入口に立っています。
「いやー。ボクもすっかり、歴戦の冒険者になってしまったなぁ。ね、にゃーくん」
テイミングで仲間にした茶トラ猫っぽいサーベルタイガーが、がおーっ！ とひと鳴き。
少々寄り道が過ぎてしまった気もしつつ、いよいよこのダンジョンの主、魔王と対決の時です！
「いくぞーラスボスー！ うりゃあああ～っ」
トキの声を上げて突撃していくその姿は、冒険者というより野盗かなんかのよーにも見えたということです。
「ふわぁぁぁ……ん？」
おふとんにもぐりこんでぬくぬくすやすや……と、桜庭 円は気持ちよく眠りについたはずでした。
「うん。牢屋だね」
はたと気づけば、石で囲まれた冷たい牢屋の中。
円は思いました。あ、これいつものヤツだ……と。
「よし、次だ！ 出ろ囚人！」
ばかーん！ と扉が開いて、いかにもファンタジーッな衛兵さんたちが何人かやってきました。剣と盾で武装し、頭にはすっぽりと兜をかぶっていて、顔はさっぱり見えません。
「さて、この女の名前は？」
「どうします、隊長？ こいつはリストにありません」
「リストは関係ない。死んでもらうだけだ」
「えっ、ボク死ぬの？」
衛兵たちはどうやら、円を処刑する気のようです。なんてこった！ 寝ていただけなのにいきなり首ちょんぱの刑とは、さすがの円もちょっと納得がいきません。
ふと、衛兵さんのひとりがおもむろに円をじっと見て、ぽつりと言いました。
「昔はお前のような冒険者だったが、尻に矢を受けてしまってな……」
「なら、君の剣と盾はボクがもらい受けようー。そいっ」
目にも止まらぬとはこのことです。すぱぱぱぱん！ 円は高速ジャブの連打で衛兵たちを兜の上からノックアウトしてしまうと、インベントリ画面を開いて『鉄の剣』と『木の盾』をパクりました。極めてロールプレイングゲーム的な動作で。
「うむ。生き残るためには、戦わねばならぬのだ」
ひとまず装備を整えた円は、すたこらと牢屋から逃げ出しました。これが壮大な冒険の幕開けであったとは、夢にも思わずに……。
どうやらここは、お城です。あんまりにも巨大なお城そのものが、ダンジョンと化しているようなのです。
手始めに襲いかかってきたスライムの群れをぶちのめしたところで、奇妙な黒ローブの男が現れて円に言いました。
「お嬢ちゃん、なかなかやるじゃないか。実はあんたの腕前を見込んで、ちょいと頼みがあるんだが……」
「うん。クエスト発生だね」
お城には円と同じような冒険者がいて、なにかと話しかけてきたり、対立したりすることもあるようです。
「ゴブリンどもに、大事な魔法の杖を取られちまったんだ。取り返してくれたら礼は弾むよ。１５０ゴールドでどうだい？」
「こういうサブクエストも地道にこなしておかないとね。おっけー」
ふたつ返事で引き受けた円は、すぐさまゴブリンのアジトへ殴り込みをかけました。
きいきい鳴くゴブリンはたいして強くもないわりに、ほうぼうから盗んできたアイテムをごっそりため込んでいて、円の懐はあたたかくなりました。装備もパワーアップ！
「おっ。杖はっけーん」
なにやら綺麗な宝石が先っぽにはめ込まれた杖を拾い上げると、円はそれをまじまじと覗き込みます。どうやらこれがクエストクリアに必要な目的の品のようです
「……これ、けっこーいい値段で売れそうだね」
円は杖もパクることにしました。どう考えても持ち主に返すより、売り飛ばしたほうが儲かりそうだったもので。
最近のゲームはとてつもなく自由度が高いので、世界を救う勇者になることも世紀の大泥棒になることも、なんならそれを両立することだってできちゃったりするのです。少なくともこのダンジョンではそんなカンジの、オープンワールドなフリーシナリオ系なのです。
「よし。クエスト完了ー！ 次いってみよー」
円の冒険は続きました。お城のダンジョンを縦横無尽に駆け巡り、次々に発生するクエストを片っ端から攻略していきました。
盗賊退治の依頼を受けて出かけていったと思ったら、盗賊と結託して依頼主の溜めこんでいる財宝を盗み出したり。その盗賊も最後には裏切って、結局バッサリやっつけちゃったり。
盗みが儲かると気づいて冒険者の荷物から金品をスリまくっていたらまた衛兵につかまってしまったり。でも手に入れたお金でワイロを掴ませて事なきを得たり。
凶悪なドラゴンが守る伝説の装備を手に入れるため、洞窟の壁にツルハシで横穴掘ってぶっこ抜いたり。怒ったドラゴンがダンジョン中を暴れ回って甚大な被害が出ながらも、そしらぬ顔で通してみたり。
そして今。円は全身を伝説級の究極装備で固め、手には聖剣と光の盾を携えて、ダンジョンの最深部へ続く入口に立っています。
「いやー。ボクもすっかり、歴戦の冒険者になってしまったなぁ。ね、にゃーくん」
テイミングで仲間にした茶トラ猫っぽいサーベルタイガーが、がおーっ！ とひと鳴き。
少々寄り道が過ぎてしまった気もしつつ、いよいよこのダンジョンの主、魔王と対決の時です！
「いくぞーラスボスー！ うりゃあああ～っ」
トキの声を上げて突撃していくその姿は、冒険者というより野盗かなんかのよーにも見えたということです。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2017年10月20日
- 参加申し込みの期限
-
- 2017年10月27日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年10月27日 11時00分
