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日の瞬きと共に
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【神はいずこか】
日は正午を指していた。
飾り気も無い窓。飾り気どころか人目を避ける最低限のカーテンから差し込まれた光が、
朝鳥 さゆる
の目に鋭い刃の如く差し込まれた。
意識覚醒の為のノックと言うにはあまりに激しく、さゆるは泥沼の中にいるような眠りからですら、少しずつずり上がるようにして、己の意識を取り戻す。
「……ッ」
大量の睡眠薬で、無理やり沈めた精神に脳が悲鳴を上げた。それは鈍器で頭を殴りつけ、激しく打ち据え砕き続けるかのような錯覚を伴いさゆるを襲った。
「……」
しばらくの間、即座に目が覚めたとはいえ身動き一つ取れずにうずくまる。
今のさゆるにとってはただの暴力でしかない、暖かさの欠片も感じない太陽の光が僅かに角度を変えた頃。
ようやくさゆるにも、改めて横たわったまま周囲を見渡す余裕ができた。
窓以外の光源がない部屋はただただ暗い。頭痛がなければ、このまま薄闇にのまれて、もう一度眠っていたことだろう。
遠くに見える、殆ど物が入っていない冷蔵庫。
側には、今は不在である部屋の主に、着られることなく半年近く経った衣類のクローゼット。
そして、今丁度、さゆるが眠っていたシングルベッド。
──ここは、さゆるの、最愛の人の『隠れ家』だったワンルームマンション。
鉛のような倦怠感に蝕まれた身体を起こして、辺りを見渡す。
さゆるの自宅は、今や誰も住んでいないと言っても過言ではない。
今はもう、ごく稀に着る服を取りに行く程度。本当に、ここ数ヶ月において完全に疎遠となった。
床にはベッドに辿り着くまでに脱ぎ捨てられていった制服が点々と散らかり落ちている。
それを自分の枕元にまで辿れば、サイドテーブルも無く床に直置きされている、空のペットボトルと睡眠薬のケースへと辿り着いた。
改めて、部屋を見渡す。
彼の気配も、姿も無かった。
そんな日が、もう五ヶ月も続いている。
「………………」
さゆるが、この部屋に住むようになって二ヶ月。
──夜に、人の表層しか見ない他人を使った自傷行為を繰り返し、枯れ果てた心で朝に戻るか。今までの自宅の代わりに、ここに戻るか。
銀のロザリオがついた部屋の鍵は、その行動を否定も肯定もしなかった。
もしも、答えが『そのどちらかであったなら』──それは、どれだけさゆるにとって救いになったことだろう。
クリスマスの鐘の鳴った夜、忽然と姿を消した彼。
会う都度に求め合った彼の姿は、朝にはいつも見ることが叶わなかったけれども。
それでも、ずっとではなかった。また会うことはできた。
今はそれが届かない、ずっと消息が知れない五ヶ月が、永劫に続くかのように思われた。
「──」
さゆるは堪えかねるように無言で頭を振った。
そのまま、さゆるはベッドから静かに降り、シャワールームで水を浴びて眠気を覚ます。
そして、わずかに自宅から持ってきている私服のうちの一着に着替えて。
それはとても慎重に、何か大切なものを守るように。そっと鍵を掛けて、音を立てずに部屋を出た。
興ざめするような、蒼天の太陽。
さゆるは、その眩しさに身体の反射として一瞬身を強張らせた。追従して、心の底から『白ける』という感情を強制的に味わわされる。その前段階にある苛立ちも憎しみも、そんなものはとうに風化し消えていた。
何も考えないままに、歩き始める。
目的はなかった。
しかし思考が動いてしまう昼間の内に、あのような孤独を抱えて、あのマンションにはいられなかった。
そして、さゆるの足は、いつしか九夜山にある
廃墟と化した教会
へと辿り着いていた。
かたん、と。壊れたステンドガラスの一部が何もしていないのに地面に落ちる音がした。
建物全体がぼろぼろで、しかし取り壊されることもない。
それは神の手が、全ての事象において手を差し伸べること侭ならないという証明であるかのように。
さゆるは、そのまま足を踏み入れて、信徒席である長椅子に、ゆっくりと腰を掛けた。
瞬間、割れた高窓より雲間から差し込む一筋の光を目に留める──
それは、一部が欠けたガラスの縁に反射するように、さゆるの傍らにあった天使像を、きらめきを伴って照らし包み込んだ。
──片腕を失ってなお、神へと祈り続けていることが分かる天使の彫刻像。
さゆるは、舞う埃によってより明瞭に、より神秘的に可視化されたそれを見た。
それはとても神々しく、朽ちてなお美しい。
しかし、埃によって。誰も普通では見られない塵芥によって、さゆるは理解してしまった。
暗がりから一点を照らす光は、さゆるを全く照らしていない。
『石像にすら当てられる、陽光の暖かな慈悲すらも──あたしには、届かない』
──分かり切っていた感情だった。諦めて枯れて朽ちて久しい感情だった。
両親が死んでからの数年で、耳に伝わる地獄が温いほど味わう辛苦の中で、発狂に近しく願い裏切られた『祈り』という行為の果てに。
『救ってくれた』のは神ではない。人の身に余る罪を背負う事で、穢されきった自分と一緒に『沈んでくれた』のは──彼だった。
「ねえ、神様……」
膝の上に乗せられた手が硬く閉じられる。
降り注ぐ陽の傍らで、まるでおこぼれのように照らされていた、俯くさゆるの頬が一筋光に燦めいた。
「……あたしのもとへ藍人を連れてきて。そして、あたしたちを罰して。何もかも終わらせて……」
彼は、闇という汚泥の中に一緒に沈んでくれた。
日に当たる事も叶わず、言葉を挙げようとすれば穢れた泥で息ができない。
だから、それら総ての代わりに。夜の闇に蛇のように絡み合い、何よりも熱い炎のように互いを焼いた。
いなくなった、さゆるの最愛の人物は──彼の名前は片篠藍人。
自分の父親を殺した
名字の違う『実の兄』──
──神様。
どうせ自分達に当たらない光であるのなら……どうか、せめて彼と一緒に終わらせて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月05日
参加申し込みの期限
2017年10月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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