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日の瞬きと共に
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【次こそ、この手届かせる為に】
外はまだ暗く、しかしもうすぐ夜が明ける黎明の刻。
「あー……」
太陽というしるべはない。それでも
御剣 刀
はまだ暗い部屋に時刻を指し示す時計を見て、己の体内時計が間違っていない事を知る。
「ルヴィアおはよ~」
刀がぼんやりとした頭で身を起こす。
きちんといつもの指定席に置かれている、大事にしているビスクドールのルヴィアに挨拶をして、身体を起こして、まだ暗い洗面台まで顔を洗いに向かった。
春の陽気とは裏腹に、早朝の水は容赦無く冷たい。顔にぶつけるように浴びた水に一気に意識を覚醒させながら、刀はタオルで顔を強く拭った。
そのまま運動用である動きやすい服に着替えて。そっと部屋の奥にしまわれた、鞘とそれを隠す外袋に収められている刃引き刀を手にする。
「それじゃあ、行ってくるからな」
刀はもう一度ルヴィアに声を掛けて、いつも剣術の練習をしている寝子島神社へと向かう為に家の鍵を閉め、身体のウォームアップも兼ねて走り出した。
◆ ◆ ◆
神社への参道にあたる階段の道は、いつも朝に訪れる刀の眠気を飛ばし、これからの気合いを入れるのに丁度良いものだった。
今の季節の夜明け前。空はまだ寒々しく、空気も決して暖かではない。
ふと、その体現のような風が木々を揺らし、大きく自分の身体の側に吹き抜けるのを感じて。刀は、軽く足を止めて空を見上げた。
今まで夜陰に隠れて見えなかった雲が、遠く暁となった空によって映し出されている。
そこから現れた群れを成して飛ぶ鳥の群れが、完全に焼けつくように空の一部を染め上げた橙と濃紺を背景に、一枚のキャンバスと化して刀の目に焼き付いた。
「凄いな……
って──ヤバい、見てる場合じゃなかった……!」
刃引き刀の鍛錬ができる、人気のない朝の時間は有限だ。刀は急いで、夜明けの木々の隙間から、輝かしく光が走る境内へと駆け込んだ。
そして刀が辿り着いた、寝子島神社の境内中央。朝焼けの空の元、刀はその場で大きく深く深呼吸をした。
まだ朝日の陽光が暖める前、冷たく透き通った空気が刀の肺を循環して身体を巡る。走り続けてきた身体には、それは冷たい水を飲むよりも心地良く躰中を潤した。
遠く、寝子島漁港まで視界が開けた境内の一角まで向かい、刀は身体を大きく伸ばしてストレッチを開始する。
「うん、ここから見る眺めは綺麗だよな~」
ここは、漁港の水平線から昇る朝日がはっきりと見える。
ちょうど朝日が昇った頃の、波打つ海を光が乱反射してまるで宝石箱よりも輝いて見えるこの場所は、刀には一際のお気に入りの場所だった。
◆ ◆ ◆
「さて、と……」
寝子島神社の境内中央に戻ってきた刀は、その一言と共に己の瞳を静かに細めた。
瞬間、辺りに張り詰める緊張。
先程までの穏やかさに染まりつつあった爽やかな空気は、その場の雰囲気ごと一瞬にして塗り替えられた。
持ってきていた袋を開け、鞘から刃引き刀を抜く。
構え。朝に鳴く鳥の声が止んだ。
上段からの振り下ろし。文字通り、空気が裂かれるような激しい風切り音が響き渡った。
そして慣性と惰性では不可能な、膝先の位置で停止した刃の切っ先。
それらを乱すことなく、足を規定の位置に戻して、再び構え──繰り返す。
刀は、ただ『刃引き刀が自分に馴染むまで』ひたすらに素振りを繰り返した。
それは剣と己を親和させる儀式に近く、そこに数という概念は意味を成さずに存在すらしていない。
ただ繰り返す──己に刃が馴染むまで、刃に己が馴染むまで。
それからしばらく──刀は改めて、自分以外の人がいないことを確認して。
一時、刃を鞘に収めて眼を閉じた刀は、数拍の間を置いて、刃引き刀を瞬時に抜き放った。
「──」
刀の脳裏に浮かぶのは、今までの寝子島の生活において日常の埒外から湧き出てきた、今まで相手にしてきた『非日常の産物』だ。
──再び刀が剣を振るう。そのまま全力で何かを斬り払うかのように、少しの距離を全力で駆ける──
今も刀は剣道部に所属している。
しかし、日常を守る。その覚悟を決めた刀に求められたのは『剣道』がスポーツという扱いに収まる為に、そぎ落とされてしまった実戦に近い『剣術』の領域。刀が求めていたものは、まさにそこにこそあった。
刀は、今もそれを磨き続けることへの余念は無い。
それでも。今の刀にはそれでも足りない。
幽霊屋敷
でのミケは討った、あの茶色い猫の時は成す術がなかった。
その時の、今は仮想となった敵を浮かべ。刀は僅かに眉を寄せる。
「(結果オーライだったけど、もしあれが別の危機的状況だったら……)」
今回はただ、結果が良かっただけだと断言できる。
笑い話では済まない。今のままでは、再びその太刀打ちできない事象に立ち会ったとき、刀は確実に自分自身を恨むだろう。
「そうならない為に……」
足りないものは実戦だ。
刀は、己の日常を守る為、その非日常に手に掛ける。
そうして、実戦を交えた剣術の動きに、琢磨して。
また、
『同じ現象が起こった時に、もっと早く的確な対処』を。
『過去と同じ事例に立ち会った時、
【今度こそ】様々な選択肢を生み出すことが出来る』願いを。
今までずっと、過去に取り零してきた可能性を、
強くなることで、今度こそは拾うのだと。刀は信じた──
その為には、努力を、訓練を。もっと腕を磨かなくてはならない。
それがいつか、自分の目的達成にも繋がるのだから。
そうして刀は、早朝の朝日を浴びて、ただ無心に剣を振るい続ける。
太陽は、一振の剣と共に。鍛錬という無二の選択肢を繰り返す刀の姿を、静かに確かに捉え続けていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年10月05日
参加申し込みの期限
2017年10月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年10月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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