朝日に消える幽霊｜リアクション

朝日に消える幽霊

●検証終了

「……あの時と同じように見てくれていたのですね……おじいさま」
　朝日が昇ると同時に消えた祖父の幽霊に、三宅葉月は改めて感謝した。
　あなたが必死で守ってくれたおかげで、私は自由で楽しい寝子高生活を過ごせています。
　芸術の才能を更に高める努力も、怠ってはいません。
　これからも……天国で私をずっと見守っていてください……。
　溢れ出す涙とともに、消えた祖父の幽霊に感謝しきれない思いを伝えた。

「三宅さんには、おじいさんが見えていたんだね」
　涙が止まらない葉月に、響タルトはハンカチを差し出した。
「……ありがとう。洗ってお返しするわ。あなたは何を見たの？」
「薄い本のネタになりそうな美少年！」
　もう一度みたいと期待するタルトを見て、彼女も見たい幽霊を見られたのねと葉月は微笑む。

「君達は、見たい幽霊だったんだね。僕は自分そっくりだったけど、性格が違う感じの幽霊だったよ」
　それでも見えたことには変わりないけどね、と薄羽白露はどことなく楽しそうだ。
　幽霊と石の関連性の謎に関しては、まだ調べることがありそうだ。なので、もう少し調査してみることに。
「蜃気石の力なのか、僕達の見たいものの思いが具現化したものなのか。幽霊の存在は摩訶不思議だね」

「朝まで待ってはみたけど、それらしいものは出なかったわね。キミも骨折り損で残念だったわねー……って、あれ？」
　工藤来夢の隣に座っていたはずの途中から来た合流者は、いつの間にか姿を消していた。
「いなくなった……ということは……」
　石の周囲や同行者を撮影したデジカメ画像を見たが、写っているはずの隣にいた人物の姿がない。
（まさか、あたしと一緒にいたのが噂の幽霊だったなんて……）
　だったら、もっとしっかりインタビューしておけばよかった！　と来夢は地団駄踏んで口惜しがった。
「みてなさい！　次は幽霊の正体明かして、ぜーったいに漫画のネタにしてみせるんだから！」
「その意気です、工藤先生！　僕もお手伝いします！」
　タルトはもう一度美少年の幽霊を見たかったので、来夢の取材に協力することに。
「タルトさん、あたしと一緒に幽霊の正体明かしましょう！　次は、あたしも見たい幽霊を見るんだから！」
「ついでに、漫画のお手伝いもさせてもらえたら楽しそうだなー！」
　来夢は、優秀なアシを確保したのかもしれない。

　会いたいと思う人、見たいと願っていたモノ、予想外のモノ。
　見える幽霊は人により異なっていたが、朝日に消える幽霊は確かに存在していた。
　蜃気石に関しては解明されていない謎がまだ残っているが、それに関しては、徐々に明かされるかもしれないだろう。

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あとがき

担当マスター：カターレ
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カターレです。
壁画通りを作ろうに続いての寝子島セカンドマップ関連のシナリオ、いかがでしたでしょうか。
幽霊関連情報が多くない？　とホームで突っ込まれていますが、寝子島は幽霊の類でも居心地が良いところ……だからかもしれません。

朝日に消える幽霊の情報を基にしたこのシナリオですが、当初は、皆さんに見たい幽霊を見てもらおうと言う主旨でした。
ホラーには何故そのような現象が起こるのか。何故、幽霊が見えるのかという謎があります。
謎解き要素の一環として、目撃場所に石を置き「石の調査を調査をする」という選択肢をご用意しました。

見たい幽霊に関しましては、皆さんの思いが伝わったような気がしました。
切ない展開もあれば、後からジワリと恐怖が……という展開もあったので、執筆しがいがありました。
マスターコメントにありますように、幽霊を見た方のみ個別描写があります。

ホラーというジャンルは初挑戦でしたが、少しでも楽しんでいただけたら……と思います。
ご参加してくださった皆様、ありがとうございました。

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