this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
まかい探訪記
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
12
つぎへ >>
足元の土を燃やし、紅い炎が走る。慌てて踏みかえた足で黒く固まりかけた溶岩溜まりに突っ込みそうになって更に焦る。
防火防熱の呪術文字を織り込んだマントの裾を護符のように掴み、震える息を吐き出す。
祈るように仰いだ空だけが、抜けるように青い。その青い空も、一陣の熱風に流れて来た噴煙にたちまちにして黒く曇った。
植物の緑など一筋として無く、喉さえ焼く高温の煙に満ちる火山地帯は、ヒトの生きられる場所ではない。まものであってさえ、決して生きるに易い場所とも思えぬ。かてて加えて、この先にはまおう城さえ存在する。
それでも、その火山地帯に好んで棲むまものは存在する。
地面を縦横に這い進む溶岩を踏みしめ、一頭の幻獣が目前に佇んでいる。押し寄せる高温の黒煙を額から生えた一角の一振りで払いのけ、彼はどこか楽し気に嘶いた。
黒煙を浴びても、全身を覆う純白の被毛は微塵も汚れていない。
鹿に龍、牛に馬、様々の生物の姿を併せ持ったその幻獣は、麒麟と呼ばれる。稀有な幻獣のその中でも、
白き麒麟
は一際稀少な存在だった。
怒り狂う大地から噴き上がる紅い炎と晴れ渡る青空を背にした白き麒麟は、惚れ惚れするほどに美しかった――たとえ、生命の危険を前にしていても。
黄金の稲妻の如き瞳を凶暴に煌かせ、白き麒麟は後ろ足で立ち上がった。瞬きの間に獣からひとのかたちとなるなり、彼は歯を剥き出して笑う。
「俺の縄張りまで出張ってくんなんてイイ度胸じゃねぇか」
言い放つなり、しなやかな獣の動きで腰を落とし獣の爪のかたちにした手を構える。あからさまな臨戦態勢となる。
背に負った毛皮のマントが熱風にたなびく度、黄金の稲妻が彼の周りで踊った。
「イイぜー、相手してやるっ!」
彼が高らかに笑うと同時、踊る雷が空を奔る。悲鳴混じりに飛び退れば、今しも居た地面を鞭じみて雷が抉った。大地から溢れる血のように溶岩が周囲に飛び散る。
待ってくれ、という私の懇願にも、彼は聞く耳を持たない。
「ココにくるヤツなら俺との腕試ししかねぇだろっ」
話を聞かせてくれ、と叫んだところで、
「あぁ? イイからかかって来いよ! 話は拳で聞いてやる!」
腰だめに構えた拳が放たれると同時、雷撃が宙を裂く。地面に転がり、火花を巻き付かせながらどれほど無様に避けても、彼は容赦のひとつもしてくれなかった。
話に聞いていた通り、彼はどこまでも好戦的で真直ぐで、明朗なまものらしい。
「なかなかすばしっこいヤツだな」
舌打ちしながらも心底楽しそうに笑う。
息も絶え絶えになりながら、必死に背嚢に手を伸ばす。次の雷撃を避けられるとは到底思わない。
「ならコレでどうだっ」
青空の色を受けて翠玉の色にも見える瞳を戦いの昂ぶりに煌かせ、麒麟が地を蹴る。天翔ける速さで距離を縮めてくる。
「待ってくれ、索冥――!」
私は力の限りに叫び、両手を突き出す。その手の上には、火山地帯に至る最後の町で手に入れて来た鮮やかな黄金色した果物。紡錘型した果実を前に、策冥は――純白のその毛並みとその性格故にその名を知られるまものは、今までの攻勢など嘘のように嬉しそうに顔をほころばせた。
「くれんのかよっ」
火山の熱を浴びて爽やかな香りを立てる果実をその手に、策冥はようやく私の言葉に耳を傾けてくれた。聞いていた通り、彼はこの果物に目がないようだ。
話が聞きたいだけで戦うつもりはない、と告げれば、ふうん、と心底不思議そうに首を傾げる。
それにしても、麒麟という幻獣はもっと穏やかな性格が多いと聞く。
果実の香りにつられて背嚢の奥から顔を出した羅針盤の付喪神に眼を丸くして後、ひどく人懐っこく笑う白い幻獣を眺める。疑問をそのまま尋ねれば、策冥は額から生えた一角を振り立てて大笑いした。
「ンな性格ならココでやってけねぇだろ、ココは強者の集まる山だぜ」
山と書いてシマと読むらしい。
早速果実に食らいつくなり美味そうに微笑む策冥に、背嚢に詰めて来た黄色い果実をあるだけ渡す。歓声を上げて抱え込んでから、彼は半分を返してくれた。
「全部寄越すんじゃねぇよ」
ちょっと怖い顔をする。最後の村の噂で聞いていた通り、大元の性格は優しいまものであるようだった。
己のことを多くは語らぬその代わり、彼はもう一度本性である幻獣の姿を見せてくれた。ひとから麒麟へと姿を変える策冥に、ピクシスが小さな手で拍手をする。ふわりと羅針盤を離れ、白き麒麟の艶やかなたてがみに触れる。
策冥は少し笑ったようだった。
乗れ、と示されるまま、精悍な背にまたがらせてもらう。
伝説に近い幻獣の背に乗せられて火山地帯を渡った数刻は、まるで夢のようだった。
「触んのも乗せてやんのも普通はしねぇんだからな」
私たちを柔らかな草の生える地面に下ろすなり、策冥はひとの姿となった。まるで少年のように唇を尖らせたかと思えば、カラリと気さくに笑う。
「また他のヤツらに絡まれねぇうちに帰れよ、じゃぁなっ」
黒煙を上げて溶岩が流れる地面の淵の際に立ち、策冥はひらりと白い手を振った。かと思えば、その姿は一瞬のうちに麒麟へ変わる。溶岩の淵を一跳びで跳び越え、白き幻獣は黒い大地の向こうへ姿を消した。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
まかい探訪記
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月10日
参加申し込みの期限
2017年09月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!