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まかい探訪記
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「さて、如何なる物語を語りましょう」
嘆きの妖精の黒弦の囁きに誘われるように、機械の子らの指が示したのは、『まものずかん』の一頁。
描きこまれているのは、死者が闇夜に踊り狂う楽園の一角を占める古色蒼然とした屋敷と、その扉の前に立つひとりのまもの。
白銀の鎧に純白のマント、強靭な身丈ほどもある青銀の大剣は聖なる黄金の光を放つ。瞳には不屈の闘志、屈強な心身には荒ぶる剣技を宿し、まものはその背後の屋敷をその身一つで守り続けている。
数十年か、数百年か。積年の闘争のうちに鎧は無数に傷つき、マントは裂け、体のそこここには消えぬ傷が迸る血潮の如くこびりつき、――それでも、まものはどこまでも凶暴に、どこかしら楽し気に笑っている。
スペクター、とまものの種族欄を読んだ子のひとりが首を傾げる。亡霊だよね、と別のひとりも首を傾げる。
「いかにも」
まかいでも屈指の物質文明を誇る機械の町の子らが想像する亡霊とは、かそけき夜風にさえ揺らぎながら恨みつらみを弱々しく吐きたてる存在らしかった。思わず首を横に振る。黒弦をかき鳴らし、勇壮な楽を奏でてみせる。
「己が記憶にさえ遺らぬナニカの為だけにその地を護り、戦い、戦い、戦い続けるまもの――名を、
亡霊聖騎士
」
目前に光が走った。
黄金の光を鱗粉のようにまき散らす、それが大剣の切っ先であると気づくまでにしばらく時間がかかった。
だから、
「何者だ」
剣の主に低く鋭く問われ、喉元に触れるものが刃であると確かめた途端、腰が抜けた。足元の砂利を散らして尻餅をつく。
旅の吟遊詩人であることをつっかえつつ告げ、フードの下から見上げる。亡霊の証左であるような青白い炎をその身に纏わりつかせながら、剣の主はどこか不満げに眸を細めた。沸き立つ炎を宿した眸は、何もかもを焼き尽すが如き火炎の色。
「吟遊詩人?」
不審げに呟く彼の足元、端座する。あなたのことを知りたい、と乞う。背嚢から『まものずかん』を取り出し、まかいのまもののことをずっと記しているのだと告げても、
「変わり者だな」
彼は興味なさげに呟いただけだった。寸鉄さえ身につけず、立ち上がりもせぬ私にそれきり目も向けず踵を返す。慌てて後を追おうとした瞬間、彼は肩越しに刃もかくやな獰猛な眼差しを叩きつけて来た。
「弱い相手には興味がない、早々に立ち去れ」
スペクターの恫喝に怖じ、本能に近く身が凍る。
けれど、本能よりも何よりも、彼に対する興味が勝った。
知りたかった。この死者の楽園で、彼以外には誰も居ない屋敷で、彼は何を護り続けているのだろう。何故護り続けているのだろう。
震える膝で立ち上がり、蒼い炎を揺らがせる青銀鎧の背中を追う。肉持たぬ彼が開きもせずに潜り抜けた屋敷の扉をそっと開き、屋敷内へと身を滑り込ませる。
「……立ち去れ、といっただろ……」
エントランスに立ちはだかる彼と目があった。今度こそ斬られるかと身を竦ませるも、彼は呆れたようにこちらを眺めるばかり。屋敷内へ視線を巡らせても、それを止める気はないようだった。
古びた武器があるばかりの部屋、永く使われた痕跡のない厨房、埃避けの布が掛けられた広間や寝室――屋敷の主を示すものも、彼がここに住んでいたのかを示すものも、何もない。
彼が護っていたのは、がらんどうの屋敷だった。
何故ここにいるのか、思い切って尋ねる。
「さぁ、どうしてだろうな」
現世に深い執着を持つスペクターであるはずの彼は瞼を閉ざす。猛々しい瞳が閉ざされれば、彼はひどく静謐で端正な顔をしていた。
己が何者であるのかも、己がこの地を護る理由も記憶しておらぬはずなのに、彼には一切の迷いがなかった。屋敷を現時点の領域としているだけで屋敷以外の場所へと出歩いたり、新たな住処を領域と化すことは可能だと言いながら、彼は自身がこの屋敷に留まることに何の不信も抱いていないようだった。
名を問う。
「知らん」
吐き捨てるように言うなり、彼の姿がかき消える。と思えば、屋敷の外に彼の雄々しい鬨の声が響き渡った。窓辺に駆け寄り、覗き見る。
屋敷の前には、天を衝くほどに巨大な黒い猪が立っていた。前脚で地を掻き、突進の構えを見せている。
屋敷の屋根にも届くような巨大な猪を前にしているというのに、屋敷を護る彼の背はそれ以上に大きく感じた。頼もしさと同時、彼の横顔に見る。
どこまでも好戦的に、どこまでも楽し気に、彼は笑っていた。
荒れ狂う恐ろしげなまものに一歩も引かず、彼は彼の護るべきものを護る。彼の大剣が一刀のもとに襲い来るまものを叩き斬る。死者の楽園の永遠の闇を切り裂き奔る聖なる黄金の光に、彼はきっと紛うことなき聖騎士であるのだと私は信じた。
青銀の聖なる騎士は、主がいつ帰るとも判らぬ屋敷を今も護り続けている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月10日
参加申し込みの期限
2017年09月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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