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まかい探訪記
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竜魔人にいとまを告げたのは、彼の擁する知識のほんの一抹ばかりを得てしばらくの後。火焔草の炎を潜り抜け炎熱の洞窟を過ぎたその先、まおう城を私は目指した。
先のまおうが勇者によって倒されて後、新たなまおうが玉座に顕れたという噂は聞かない。それでもまかいが表向き平穏に見えるのは、先代の統治の賜物だろうか。
闇の中、白銀の月を負って佇む暗雲色の城は、未だどこまでも禍々しくどこまでも神々しかった。
訪れるものを拒まず下ろされた巨大な跳ね橋のその向こう、無残に砕けた城壁と、それを懸命に修理する
黒鉄の機械人形
が見えた。すわ、新たな勇者の襲来かと跳ね橋を渡り駆け寄った途端、
「何者ですか」
破砕された城壁の身丈ほどもある石を軽々と抱え上げていた黒鉄の機械人形が凛々しい声をあげて振り返った。ついでに石を投げるような素振りさえ見せられ、慌ててその場に立ち止まる。
旅の吟遊詩人であることとまものの物語を蒐集していることを告げても、可愛らしい少女の姿したまものは警戒を解かなかった。
城の修理を施すに慣れた姿から、城の補修を主な仕事とする機械人形かとも思ったが、どうやら本来は城の門番を仕事としているらしい。
その壁は、と問う。
「博士がやりました」
感情のない声音ながら、少女の顔にどうしようもなく不満げな表情が浮かぶ。
「昨日の事です。ヒーロー変身ベルトを開発していた博士は、変身後の演出として背後を爆破するようにしたんです。でも火薬の量が多すぎて実験場が半壊しました」
わけがわからなかった。
「なんとか減給処分で済みましたが、些か優しすぎるのではないかと。私なら斬首します」
『博士』の尻ぬぐいを黙々とこなしながら、全身鎧を纏う少女の姿した警備人形は冷たい声で断ずる。
崩れた壁の破片を片付け、補修材を塗り付けた石材を爆破で開いた大穴に手際よく押し込む。手慣れたその様子から、もしかすると最近は城の警備よりも専ら城の修理をしていることの方が多いのかもしれなかった。それがどれほど不本意であろうとも。
彼女が背に負う、手入れされた巨大な剣を眺めながらそんなことをつらつら思う。その姿から見ても、身のこなしから見ても、小柄であれど鋼のような身が城の修理より戦闘に特化しているのは自明の理。
「ああああああ! ぼくの! かわいいかわいい人形ちゃん!」
その戦闘特化な警備人形に、白衣を纏ったまものが駆け寄って行く。全身で警備人形に抱きつこうとして、
「不快です」
躊躇いもなく背中の大剣を引き抜いた彼女に払いのけられた。目を剥く私に、彼女は素っ気ない顔で大剣の腹を示す。軽く払いのけられた白衣のまものが、どうやら『博士』らしい。『ぼくの』と所有権を主張していたところから見て、彼が彼女を開発したのだろう。
「この変態」
自らが開発した機械人形に罵られ、けれど地面に転がったままの『博士』は心底嬉しそうな笑い声を漏らす。少女に罵られることを喜びとする『博士』は己をそう扱うように彼女を設定しているらしかった。
「要はドМなんです」
吐き捨てるように言い、彼女はようやく城の修理を終えた。城を訪れた私と向き合う。
「ご用件をどうぞ」
冷徹な声で本来の仕事をこなす彼女の後ろ、『博士』が羨ましそうな視線を向けてきているが、それは見ていないことにしよう。
君の物語を聞かせてくれないか、と口にする。
「警備に関わる事は教えられません」
断られて俄然興味が湧いた。凄まじい力を秘めるその身に、彼女はどんな物語を宿しているのだろう。
そこをなんとか、と食い下がろうとして、
「しつこい」
一喝と共、『博士』と同じく大剣の腹で吹っ飛ばされた。少女の姿をしているとは到底思えぬ怪力に身が軽く高く宙に舞う。
「ああっ、ずるいずるい、ぼくもー!」
『博士』の声を聞きながら宙に舞った私が落ちたのは、紅い花を一面に咲かせる外庭の上。墜落の痛みが花々によって和らげられたことに安堵したのも束の間、花々の間からしゅるしゅると恐ろしい速度で蔦が伸びてきた。
声もなく絡めとられ宙づりにされる。地面に落ちかけるリュートとまものずかんを納めた背嚢を慌てて抱きしめたところで、
「……お前」
鋭利な剪定鋏を手に、花の根元に立つ
白髪の少女
と目が合った。
「この城に何の用だ?」
禍々しくも美しいまものだった。
左の瞳に咲いた紫の薔薇を指先で撫で、まものは草木を焼き尽す炎の色した右の瞳で見上げてくる。背より生えた天使の白翼と悪魔の黒翼を羽ばたかせ、ふわり、浮き上がる。宙づりとなった獲物の顔を興味深げに覗き込んでくる。
「むやみに血を流して庭を汚すのは避けたい」
独り言のように呟く。
「血肉を好む植物たちに栄養は与えているけど、最近ご飯はあげたっけ?」
感情を映さぬ瞳が何より恐ろしかった。美味しくないからと必死に首を振った途端、背嚢からまものずかんが転がり落ちた。悲鳴をあげる私の傍ら、彼女はひょいとまものずかんを空中に掴む。
「まものずかん?」
僅かながら興味を惹かれた様子の彼女に、まおう城を訪れた理由を言い立てる。
「呆れたな、無謀というか何というか……」
小首を傾げる彼女は、けれど私を見逃すつもりはないようだった。植物の食事になってたまるものかともがくものの、足や胴を絞めあげる蔦の力は緩みもしない。
暴れる私には一向に構わず、彼女は周囲でゆらゆらと揺れる不気味な蔦にまものずかんを触らせている。
「……えっ? この本が気に入ったの? ホントに?」
私に対するのとは丸きり違う穏やかな優しい声で、彼女は蔦に笑いかけた。
「おいお前」
不機嫌な声で言い、私を解放してくれる。地面に落ちて安堵の息を繰り返す私を睥睨し、まものずかんを返してくれる。
「時々これを読ませに来るなら見逃してもいい」
ただし、と声を低くする。
「中庭にはもう一人魔物がいる、樹の根元にいるから近寄るな」
言われるべくもなかった。何度も頷く。拾った命のついでに彼女の物語を聞こうとして、
「調子に乗るなよ」
剪定鋏の先を喉元に突き付けられた。けれど、彼女に育てられた魔性の植物たちもまた、彼女の物語を聞きたがったらしい。
「話したことなかったっけ?」
植物たちにだけ困ったような笑みを向け、それでも彼女は話してくれた。
世界樹の森で生まれたこと。気が付けば独りだったこと。親を知らぬこと。
「多分、この羽根は親から受け継いだものなんだろう」
敵対しているはずの天使と悪魔から生まれた彼女。愛し合った末なのか、凌辱の果てなのか、知る者は居ない。
彼女を育てたのは、世界樹に寄生するがゆえに意思持った植物たちだったという。けれどそのうち、世界樹に害を与えてしまう植物が育つようになってしまった。
それが彼女のせいなのか、他の要因によるものなのかは分からない。
世界樹に害なす子たちも、元々一緒にいた子たちも、彼女は放ってはおけず、どんな植物たちとも共に生きていける場所を探して彷徨った果てに、まおう城に辿りついた。
「今は庭師さ」
まおう城の庭師たる彼女は誇らしげに微笑む。
ころり、背嚢の中から緑色した丸いものが転がり出てきた。羅針盤に背を預けるピクシスをつつき、私の膝に乗った緑の毛玉のようなそれは、まおう城の庭師から預かった意思持つ植物。
――くれぐれも傷つけないように!
庭師からこわい顔で託されたふわふわの毛玉植物に、機械の子から眼を丸くする。
植物の子は、私が再びまおう城を訪れまものの物語を彼らに語るという約束を破らぬよう、見張っているのだ。
――じゃあ行ってらっしゃい、色々な物を見て触って聞いて、沢山世界を感じてくるといい
庭師の言葉を、私はこの子に果たせてやれているだろうか。
思いつつ、長い物語を終える。
永遠さえ操る時計の魔女はくすり、短く笑んだ。歯車のブローチが飾られたポシェットを白く繊細な手で探る。取り出したのは、この地のコイン数枚と金色の歯車が描かれた包み紙のチョコレート。コインを私の手に、チョコレートを背嚢につり下げた羅針盤の傍に置く。
「迷子は誰だー!」
チョコレートのにおいにつられ、羅針盤からひょこりと姿を現した小さな少年の姿に、機械の子らが歓声を上げた。
「え? 何? 何なに?」
宝石の瞳を瞬かせるピクシスに、時計の魔女はフリルのスカートの裾をちょこんとつまんで一礼する。
「今日は、ピクシス君」
「君が迷子?」
チョコレートを手にして問うピクシスに、時計の魔女はあどけなくも謎めいた笑みで首を横に振った。
「今日もあたしの中の秒針は正確に動いているもの」
だから彼女は、何処に迷うはずもない。
気まぐれに観客となり、気まぐれに去ろうとする時計の魔女を呼び止める。今日物語った海底遺跡に縛られ続けるまものを助けられないか、共に来てはくれまいかと声を掛けるも、彼女は首を縦には振ってくれなかった。
「潮に触れればたちまち錆びちゃう」
もっともな理由に、頷くしかできなかった。呻く私に、彼女は暫しの思案の後、黒く長い睫毛をもたげる。
「この町のどこかに、劇場があるの。人形たちが観客のいない公演を延々と繰り返しているの。入れば決して出られない噂もあるけれど……そこにはね、人形たちをまるで生きているかのように操る人形師がいる」
魔法のように人形を操る人形師であれば、もしかするとThe Keepsakeを海底遺跡に縛る下半身の代わりとなるものを用意できるかもしれない。
「分からないけどね」
時計の魔女は悪戯っぽく微笑んだ。
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月10日
参加申し込みの期限
2017年09月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月17日 11時00分
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