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まかい探訪記
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伝承に従い海に放つのは、掌いっぱいの飴菓子。
首吊り洞穴を潜ったその先、夕日が黄金のように雪崩れ込んでくる海に向けて開いた岩場から、飴菓子を惜しげもなく波へ食わせる。
両手に抱えるほどの大瓶いっぱいの、色とりどりの花のような色した飴を片手にもうひとすくい、今度は祈るように海に捧げる。
立ち寄った海辺の町に伝わる物語通りであるのならば、この海にはお菓子と引き換えに波間に姿を現わす少年の姿したまものがいる。
首吊り洞穴に響き渡る海鳴りに耳を澄ませながら、黄金の蜜のような色して揺蕩う波を眺める。お菓子につられて現れるまものとは、如何なるものだろう。
波に呑まれて溺れ、今も彷徨う幼子のスペクターだろうか。
それとも海に棲む精霊の子だろうか。
どのような物語を聞き出すことができるだろうか。
わくわくと考えを巡らせているうち、蜜色だった波が焦げるように黒くなっている。遥かな水平線がいつしか藍色の空と溶け合っている。どれほど待っても目を凝らしても、伝承にある少年の姿は波間に見えない。
もしかすると船上からでなくては会えぬのやもしれぬことに思い至り、ならばと踵を返す。明日の朝いちばん、乗せてくれる船を探そう。そうして船上から飴を撒こう。
飴はまだある。なくなってもまた買い足せばいい。
そうと決まればと海に背を向けた、その瞬間。
「迷子は誰だー?」
洞穴に寄せる波に紛れ、どこまでも明るく屈託のない少年の声が聞こえた。慌てて振り返る。
寄せては白く砕ける、星空を映す波の上に彼は立っていた。
微睡む海のような透明な水色に朝陽の黄金を映しこんだ瞳に、薄紅に透ける琥珀石のような髪、溌剌とした少年らしい体躯を包む船員服、元気な少年しか見えない彼の足元は、けれど波間に透けて無い。大きさも、ともすれば掌の上に乗せてしまえるほどだろう。
会いたかった、と言えば、少年は不思議そうに首を傾げた。
「あっれー? 遭難したんじゃないのか?」
だってお菓子くれたろ、と反対側にまた首を傾げる彼のベルトに掛けたポーチから、先ほど海に投げ込んだ飴菓子がぽろぽろと零れ落ちる。波間に消えそうな飴を片手に拾い上げ、彼はさも嬉しそうに飴を口に含んだ。
迷子ではないこと、話を聞きたいことを告げれば、彼は心底可笑しそうに顔をほころばせた。
「君、変な奴だなー!」
波の上、彼は転がるように笑う。
「まあいいや、話相手が出来るならそれはそれで嬉しいし」
物語の対価になればと大瓶いっぱいの飴を差し出す。眼を輝かせ、彼は
ピクシス
だと名乗ってくれた。
「にんげんの言う所の付喪神ってヤツだ」
波間にゆらゆらと漂いながら、海鳴りを伴奏にピクシスは語る。
「昔はどんな海も超えてくすっげー立派なガリオン船で羅針盤をやってたんだぜ。航海士は俺に聞くんだ! ここはどこだ? どっちにいけばいい? って!」
それはとてもわくわくするような旅路であったのだろう。
道を尋ねられることは彼にとって何よりの誇りだったのだろう。
兎のように波の上でぴょんぴょん跳ねていたかと思えば、ピクシスは不意に押し黙った。拗ねたような顔で肩を落とし、星月を映す夜の海へと視線を投げる。
「だけど千一回目の航海の最中、船は嵐にあって沈んじまったんだ」
もちろん俺ごと、と呻く少年の視線が暗い海へと沈む。彼の本体である羅針盤は海底にあるらしかった。
「そっから先はずーっとさ、冷たい海の中」
光さえ届かぬ海の底、羅針盤である彼は何年も何十年も居たという。海に引きずり込まれた仲間の体が波にさらわれてしまうのも、千回の航海を共にした船が朽ちてしまうのも、ただずっとずっと、見ていたのだという。
静寂ばかりに占められた彼の時間が動き出したのは、突然だった。
「なんか感じたんだよ」
届かぬはずの月の光が羅針盤である己の鏡面に映ったのだという。
強い月の光は時として魔力を帯びる。月の魔力をその身に浴びたそのとき、彼は彼として生まれた。
「今までぼんやりしてたナニカがどんどん形になってくカンジ」
撚り合い、組み合い、彼は彼のかたちとなった。
それは千回の航海のうちに見た航海士の誰かの姿であるのかもしれない。ひとのかたちとなった彼は、そのうちに辺り一帯で語り継がれる伝説となった。いわく、海で迷ったときは願いをこめてお菓子を波に投げ入れなさい、そうすれば波間に現れた少年が正しい方向へ導いてくれる――
「元々羅針盤だからな。あ、でも悪口言うようなら容赦なく迷わせるからなー!」
お菓子好きのまものは朗らかに笑う。
瓶に入った飴をすくい、海に向けて差し出す。投げ入れた方がいいかと尋ねると、彼は心底楽しそうに笑い声をあげた。
「君いい奴だな! 気に入った! 好きな所に案内してやるよ、何せ熟練の羅針盤だぜ!」
特別だからな、とどこか得意げに胸を張る。
「つっても海が続く限りの場所だけど……」
本体が海底にある限り、彼は陸には上がれない。ならば、と私は彼の本体である羅針盤の引き上げを提案した。
潜るのは得意だった。こう見えて、海底遺跡群へはまもの探しに幾度となく潜っている。
夜が明けたら迎えに行こう、そう約束する。
「君の行きたい場所を教えて」
ピクシスは決して消えぬ光宿る瞳をきらきらと輝かせる。それはたぶん、彼自身の冒険の再開への期待にもよるのだろう。
「さあ、光が示す方向にまっすぐと!」
おどけたように言って、彼は波間に跳ね飛んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年09月10日
参加申し込みの期限
2017年09月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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