プール掃除はどきどきがいっぱい？｜リアクション

プール掃除はどきどきがいっぱい？

序：プール掃除、はじめましょ？

　――シーサイドタウン・寝子島スポーツセンター

　スポーツセンターの前には【本日休館日】というプレートが下げられている。それとは別に【臨時アルバイトの方はこちらからどうぞ】という立て札が立っていた。

「今日のバイトはプール掃除だな」
　伊賀解理が内容を思い出し、がんばろう、と気合を入れる。傍らの酒浸朱蘭もまた楽しそうだ。
「掃除中にホースで水をかけあったりは、まぁ、お約束だよなー♪」

※イメージ画像です。

　平和にわいわいとプール掃除する光景を想像し、わくわくする朱蘭。解理もまた「今回は何事も無いといいな」と内心で思いながら共に更衣室へ入る。だが、彼女はなんとなーく嫌な予感を覚えていた。
（本当に何事もなければ、いいんだけどな）
　なんだか冷たい汗が背中を流れ、動きが止まってしまう解理。朱蘭は不思議に思い、首をかしげた。
「どうしたんだぜ？　早くしないと間に合わないぞ！」
「う、うん。今行く」
　解理は平静を装い、朱蘭の後を追うのだった。

　受付に顔を見せた北里雅樹は更衣室に向かうよう指示され、笑顔で礼を述べる。その足取りは軽い。

（稼ぐチャンスだ。逃すわけがないさ）

　理由あって猫鳴館で清貧生活を送る彼は、ねこったーでこのアルバイトを知り、速攻で参加を決めた。帰宅部なので部活の心配も無いし、なによりバイト代がなかなか良かったのもある。
（やっぱり人が多いのかな……）
　と思いながら辺りを見渡す雅樹の動きが止まる。というのも幼馴染（で元恋人の腐れ縁状態）である椎井莉鳥の姿を見かけたからである。雅樹は「よぉ」と挨拶するも、莉鳥は軽く会釈する程度。……微妙な空気が流れる。
「来てたんだな。まぁ、なかなかバイト代いいしな、これ」
「そんな感じよ、こっちも」
　雅樹の言葉に、莉鳥は僅かに頷く。……そこから妙に会話が続かない。が、莉鳥はちらりと時計を見てため息を吐く。
「そろそろ着替えないと間に合わないわ」
「マジ？！　……いっけね！　それじゃ、後でな！」
　雅樹は莉鳥にそう言うと素早く男子更衣室へと入り込む。莉鳥は小さくため息を吐くと女子更衣室のドアを開けた。
　莉鳥が更衣室に入ると、何人かの寝子高生徒を見つけることが出来た。適当なロッカーに手を伸ばしていると、こんな会話が聞こえる。
「プールだから濡れてもいい服の方がいいよね。水着がいいかな？　あー、でもこれ去年の奴だからちょっときついんだよね」

↑こんな感じ。

　小柄だがスタイルがいい白真白が水着を着ながら苦笑する。その隣では北条冬華が同じような顔をしている。

↑こんな感じ。

「私も去年購入した競泳水着にしたのですが……、胸の辺りがきついですね。太もももすごいですし……」
　たしかに、ぱっ、とみた感じでも胸辺りがぱつんぱつんである。太腿もなかなか『すごい』状態なのである。２人のちょっときつめの水着姿……目立つ部分につい目がいってしまう者も多いかもしれない。
「肩もこっちゃいますし、大変ですよね。今度一緒に買いにいきましょうか」
「あ、それいいね♪　どうせだしこのバイトのお給料で水着買いに行ってみない？」
「少し早いかもしれませんが、あるかもしれませんね」
　冬華と真白は楽しそうに買い物の計画をたてていく。その間もぷるん、ぷるるん、と胸が震える。勿論太腿もお尻も、である。

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