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壁DON! DON!
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少し色が濃くなってきた青空に花の香りを薄く散りばめたかのような麗らかな放課後。そんな空気を気持ちよく孕んだ2年生の教室に、柔らかな声が響いていた。
エヴァ・ブランシェ
と
回田 はつな
。2人は机に広げたティーン誌を仲良く一緒に覗いている。頬杖をついていたはつながトンとページを指して言った。
「『これなら恋に落ちる?! 壁ドン特集!』だって~。エヴァちゃんは壁ドンって知ってる?」
水を向けられ、エヴァは『合縁奇縁』と書かれた扇子で少し己を扇ぎながら言った。
「ん~? 聞いたことはあるわよ? アレでしょ? こう、男が相手を壁まで追い詰めて、『俺の物になれよ』とか言っちゃう……」
「それそれ~。ね、されたらどんな感じなのかな~」
ふふふと微笑みながらはつなは壁ドンをしているモデル達の写真を見つめている。と、突然瞳をキラキラさせながら顔を上げた。
「エヴァちゃんが壁ドンしたらカッコよさそう! ねぇねぇ、ちょっとだけやってみて~?」
「え……あたし?」
エヴァの宝石のような青い瞳が意外そうに何度も瞬かれる。
「うんうん! ね、お願い~!」
茶目っ気たっぷりに片目をつぶり両手を合わせるはつなに、エヴァは苦笑しながらパチンと扇子を閉じた。
「物好きな子ねぇ。……それじゃあ、そこの壁に立ってくれるかしら?」
「わ~い、やった~♪」
少女2人はガタンと席を立った。
開いた窓から生徒達のさざめきが聞こえる2人きりの教室。少女達はままごとのように楽しげに向かい合う。
「こう? こう立てばいいかな~?」
くすくすと笑いながら壁に凭れたはつなは可愛らしくエヴァを見る。エヴァは美しい金色の髪を耳に掻き上げ微笑んだ。
「そうね。それじゃあ……」
ふっとその青い瞳を細めると、エヴァはその両手をはつなの両肩近くにトンとつく。そして逃げられなくなったはつなの黒い大きな瞳をじっと見つめ、そのおでこ同士をコツンと合わせた。
「ほら、あたしの物になりなさい……」
身長も体格も似たような少女同士。その薔薇色の唇が触れるくらいの距離で瞳を絡め合う。何も知りもしない無垢であどけない少女達は、実はその胸の内に匂い立つような蕾を隠し持っている。そのアンバランスさが一層彼女たちの刹那を輝かせるのだ。この一瞬が返ってこない事を知らないが故に。
美しい、舞台のようだった。窓から入ってくるそよ風が、大きな白いカーテンと共に時を止めた彼女達の髪を揺らす。艶やかな黒髪とあでやかな髪飾りをつけた輝く金髪、そしてその血色の良い頬が、一瞬だけカーテンの陰に隠れた。
「……うひ~! すごくイケメンだよエヴァちゃん!」
友人であるエヴァの顔が、自分のすぐ目の前にある。はつなはすっと息を呑んだ後、少しだけ緊張した気持ちを吐き出すようにして言った。なんてドキドキするんだろう。込み上げる高揚感。はつなはそれを全身で感じながら悪戯っぽく微笑んだ。
何だかもう……もっと遊びたいスイッチ入っちゃうじゃん?
はつなは至近距離のままちょっと挑戦的にエヴァを見つめて言った。
「ふふ。ここでキスなんかしたら、もっと最高?」
(……あら、意外と乗り気?)
エヴァははつなの反応にその流れるような眉を上げた。そうね、悪ふざけは……楽しいわよね。
はつなの笑みに応えるようにエヴァの唇の端が上がる。エヴァははつなに一歩も引かず艶やかに見つめ返した。
「ふふ、それじゃあ少し、目を瞑ってくれるかしら?」
(―――目?)
はつなは少しドキリとしながらも言われるままに目を瞑った。外界からの情報の大部分を担う視界を遮るのは少し勇気がいるけれど、大丈夫。だって……エヴァちゃんだもん。
暗い世界に春の日差しが瞼に少し明るい。顔の前を、何かが動く気配。何だろうと思う間もなく。はつなの唇に優しい感触がした。
―――ふふ。
目を閉じたまま、はつなは微笑んだ。わかるよ、エヴァちゃん。楽しくて可愛い悪戯だね。……ほんのちょっと驚いたけど。
はつなはゆっくりと瞼を上げた。
はつなの唇を奪っていたのは、エヴァの細く白い人差し指。エヴァが楽しそうに指を離す様を追いながら、はつなも笑って言った。
「うひ~。これエヴァちゃん理想の壁ドン~?」
「ん……理想というか、今思いついた感じかしら……?」
少女2人は一時目を合わせると、密やかに笑い合う。するとはつなはするりと壁から背を離し、エヴァににっこりと微笑んだ。
「私はね~、優しい方が好きかな~」
「……へぇ、どんな感じかしら?」
どうやら、攻守逆転のようだ。お手並み拝見とばかりにゆったりと壁に背を預けたエヴァに、はつなは少し艶のある声で言った。
「こんな風に~……」
はつなは壁にぺたりと手を当てると、滑らせながら緩やかに近付いていく。ゆっくりと、それでも確かに。そしてエヴァの頬から少し離してその手を止めた。
「……終わり? これなら逃げられちゃいそうだけど」
そう言いながらも身じろぎしないエヴァに、はつなは彼女の顔を覗き込んだ。
「いいの。逃げようと思えば逃げられるくらいで。エヴァちゃんだって、ほら。逃げてもいいんだよ?」
「あら、ずいぶん優しいのね……?」
覗き込んだはつなの瞳を、エヴァは楽しむように覗き返す。それはもう、想い合う者同士の駆け引きのよう。可愛らしい狼と兎は顔を合わせて見つめ合う。兎の顔をした狼か、はたまた逆か。エヴァははつなの耳元にそっと唇を寄せた。
「大丈夫、あたしは逃げたりしないわ……」
そして顔を離しながら、また2人は視線を絡ませ合う。甘く綺麗で壊れやすい飴細工のような時間。するとパッとはつなが両手を挙げた。
「ま~こんなことしてもいないんだけどね~、彼氏!」
今までの密やかで甘い空気はどこへいってしまったのだろう。カラッとした声で笑うはつなにエヴァもパッと扇子を広げ、ふふと微笑んだ。
「そうよねぇ、恋人でもない男に冗談でこんなことされたら、『えっ、何コイツ』ってなるわよねぇ」
「ほんとそれ~! 親しくない人にはされたくないよね~。じゃないと距離が近いってだけで引いちゃうし……やっぱラブがなきゃ!」
「なるほどねぇ?」
おかしそうに言うエヴァを前に、はつなはうんと大きく頷いた。
「だから結論としては~……ハプニングでもない限り、する側もされる側も両想いな時のみ許される行為……って感じ?」
「あら」
はつなの言葉にエヴァは大げさ驚くと、片目を瞑って言った。
「じゃああたしにされるのは、どうだったかしら?」
「エヴァちゃんは友達だから全然ヤじゃないよ~」
「ふふっ、嬉しいわね」
まるで可愛らしい子猫のじゃれ合いのようだ。2人は顔を合わせると、くすくすと本当におかしそうに笑い合う。そして一頻り笑うとはつなはうーんと伸びをして言った。
「あ~楽しかった! お腹減ったしクレープでも食べに行こうよ、エヴァちゃん」
「あらいいわね。何食べようかしら……」
「私は苺いっぱいのがいい~!」
花も恥じらう乙女だって腹は減るのだ。
わいわいきゃわきゃわ。花よりスイーツな2人は、今度はクリームたっぷりなクレープに話を弾ませながら教室を出て行った。
誰もいなくなった教室。花のような甘い香りだけが、女の子同士の甘美で密やかな時間がそこにあったことを教えてくれていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月29日
参加申し込みの期限
2017年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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